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転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
領地経営編 ②

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領主、兄上を接待する

この世界の工事事情ですが、やっぱりほぼ人力でした。

前の世界よりも肉体労働でキツい職場だったわ。


でも、国や貴族、お金持ちが依頼する工事には、専用に開発された魔道具が使用される。信じられないが……クレーン車やブルドーザーみたいな工事・建設車両と同様な作業ができたり、掘削や基礎工事、組み立てができたりする道具らしい。


ハーディング侯爵の命令でオールポート領の西側領地サレルノへ連れてこられたハーディング領の職人たちは、兄上の湯水のような予算に持ちだせるだけの魔道具を積んでやってきていた。

んで、まずはデモンストレーションとばかりに製糸工場予定地の基礎工事のため掘削したと。


「すっげぇ」


いやいや、前の世界でも一日でできる作業じゃないよね? 魔道具でほぼ一瞬でデッカイ穴を掘っちまったよ。

ふと、穴の向こう側へ視線を向けると、掘り出された土の山がこんもりとある。


「あの土……どうする?」


そもそも、土はあちこち掘ることになるし、川幅を広げる工事もあるし、井戸も掘るし……土の処理に困るな。


「ベンジャミン、ディーン。あの、堀ったあとの土ってどうするんだ?」


俺の質問にベンジャミンはふむと指で顎を摘まみ、サレルノをぐるっと見回した。


「そうですな……山側に魔獣避けの防壁でも作りますか?」


「父の意見に賛成です。ハーディング領との行き来が増えれば、盗賊とかこゴロツキも増えますし、サレルノ自体を囲む防壁もいいですよ」


防壁……。

そういや、城塞都市とか防壁で囲んだ中に人が住んでいたな……。土も余るし……とりあえず魔獣避けと町に出入りする門でも作るか。


「よし! じゃあロブと相談しよう!」


俺の言葉にロブは嬉しそうに頷いた。たとえハーディング領の職人が何人いても、ここサレルノの工事責任者はロブだからな!


こうして、兄が持ってきてくれた魔道具を使い工事工程の組み直しが行われた。

……本当に半年ぐらいで工業都市ができそうで、ちと怖い。異世界怖い。



























ロブたち職人たちが熱くなり、怒鳴り合うようにして意見を出し、競うように工事作業に突入したため、俺とラスキン博士で兄上を畑や牧場、高齢者用住居と幼い子どもの保育所などの仕組みを説明して歩いた。


「つ……疲れた」


白豚の行動範囲はそんなに広くないのよ? ある程度運動したら休ませてよ。

ブヒブヒと人ならざる呼吸をしている俺を哀れに思ったのか、ベンジャミンたちがお茶の用意をしてくると一足先に動き出す。


「大丈夫か、セシル?」


「は……はひ……だい、じょうぶ、です」


歩きすぎーっ、喋りすぎーっ、もうHPないよーっ。

ディーンがそっと差し出した水筒の水をがぶ飲みする。ぷはーっ。


ん? なんか見えるぞ? ベンジャミンが屋敷で使っている茶器で器用にお茶を淹れ、菓子を用意している姿が。いやいや、ここは何もない、これからいろいろと作る野っ原だぞ。


なんで、丸いティーテーブルと椅子があるの? どうしてアフタヌーンティーみたいな食器がカバンからドンドコ出てくるんだよっ。


目をパッチリと見開いていると、兄上が不思議そうな顔でこちらを覗き込んできた。


「どうした、セシル。本当に大丈夫なのか?」


しまった。セシル君大好き兄上の過保護が炸裂寸前になっている。

俺は引きつった笑いを浮かべた。


「ああ……セシル様、またですか? 魔道具のことといい、マジックバックのことも忘れてしまったんですね」


ディーンが助け船を出してくれた気もするが……言い方が俺を若干バカにする含みがあるような?


「そうだね。セシルは忘れてしまったんだものね。そうか……魔道具のことも覚えていないのか……かわいそうに。あのバッグには空間魔法の術式が書かれていて見た目以上にモノが入る仕様になっているんだ。ここでセシルとお茶をしようと屋敷からいろいろと持ってきた」


「は……はあ」


え? この人、白豚と屋外で茶を飲むために、高そうな魔道具にテーブルやら椅子やらぶち込んで持ってきたの? どんだけ、セシル君が大好きなんだよ、お兄ちゃん!


「ほら、セシル様。早く行きましょう。シャーロット様もお待ちかねですよ」


「そ、そうだな。シャーロットちゃんが……、んん?」


すっかりと従弟のトレヴァー君と仲良しになったシャーロットちゃんにハーディング家の接待を任せてしまったが……兄上のパートナー様がグイグイとシャーロットちゃんに迫っているように見えるのだが?


「あ、これはマズイ。急ぐぞ、セシル」


あれだけ俺のことを気遣っていた兄上が急に歩くスピードを上げ、愛する弟の俺を置いて行ってしまう。


「へ?」


「イライアスのスイッチが入っている。このままだとシャーロットから離れないぞ!」


……? へ? だから、イライアス様がなんでシャーロットちゃんにちょっかいをかけるのさ?

頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだが、愛娘の一大事となれば、この白豚も必死に動きます!


「セシル様、早く早く。今はトレヴァー様が間に入ってますが、そろそろ突破されますよ。イライアス様相手ではハリソン団長も手が出せません」


ディーンのヤロウ。ニヤニヤした余裕顔で俺様を煽りやがって~っ。俺だって頑張って左右の後ろ足(前足は両手)を交互に動かしているんだよっ。


「シャ、シャーロットちゃん!」


逃げてーっ! なんだかわらからないげと、逃げろーっ! その男は危険らしいぞーっ!


「シャーロット! お願いだ、僕のドレスのモデルになってくれ」


……なんだって?


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