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転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
領地経営編 ②

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領主、異世界の工事に驚く

ひょことかわいい男の子が顔を出した。


「あのっ……あの、初めまして。ぼ……私は、トレヴァー・ハーディングですっ」


顔を赤くして懸命に自己紹介をする少年。でも初対面の相手に緊張してるのか……いや白豚に慄いているのか、イライアス様のズボンを片手でしっかりと握りしめている。


兄上の子、セシル君の甥っ子だ。

俺は重たい体でよっこいしょとしゃがんで、トレヴァー君と目線を合わせると「初めまして」とご挨拶をした。


ふむ、ハーディング家の特徴である深緑色の髪は兄や父と同じだ。瞳はイライアス様と同じ紺色だが、トレヴァー君の瞳は好奇心でキラキッラしている。

ちょっと太めの眉は兄に似ているな。ふくふくとした頬を紅潮させ、俺の顔を興味深そうに見ている。


……喋る白豚だと思われていたら、どうしよう。


「セシル・オールポートだ。君の父様の弟だよ」


だから、人間だよーっ。喋る白豚じゃないよー。そのうち、ちゃんと見た目も人間になるぞー。

そんな気持ちを込めてトレヴァー君の頭を撫でる。


「セシル。君の家族も紹介してくれないか」


「ああ、そうだね兄上。……ちょっーと手を貸してくれるかな?」


しまった、うっかりとしゃがんだら、立てなくなってしまった。

兄上の大きくて肉厚な手を借りて立ち上がると、俺は後ろで様子を窺っているシャーロットちゃんを手招きした。


「ハーディング家の皆さん。この子が俺のかわいい娘、オールポート伯爵令嬢のシャーロットちゃんです!」


むふーっと満足げに娘を紹介すると、なんだか身内である後ろ陣営から冷気を感じる……なんでだ?

シャーロットちゃんはくすっと可愛く笑うと、ちょこんと膝を折ってご挨拶をする。


「シャーロット・オールポートです。ハーディング侯爵様、皆さま、どうぞよろしくお願いいたします」


うんうん、かわいい。かわいい。シャーロットちゃんはトレヴァー君に目線を合わすように屈むと、ニコリと笑顔を向ける。


「ト、トレヴァー・ハーディングです。シャーロットちゃん様、よろしくお願いします」


「シャーロットでいいですよ、トレヴァー様。仲良くしてくださいね」


「ぼっ、僕もトレヴァーでいいです!」


うわーっ、ちびっ子と美少女が和やかに微笑み合っているなんて、眼福、眼福。いやぁーっ、心が洗われますな!


イライアス様がギラギラした目でシャーロットちゃんを頭から爪先まで見ているけど、あれはたぶんデザイナーとしての性分だと思う。家庭教師のレックスよりは目線がイヤらしくないと思いたい。


「兄上。オールポートの信頼できる使用人たちです」


俺は兄上に執事長ベンジャミンと俺付きのディーン、騎士団長のハリソンを紹介する。そのあとはクラークとチャールズね。


「今回、ハーディング側からは騎士以外は連れてきていない。職人たちと魔道具師たちでかなりの人数になったからな」


「それは、ありがたいです、兄上。職人と……魔道具師?」


なんじゃそりゃ。

コテンと首を傾げる俺の耳に、「そおーれっ!」と野太いおっさんたちの声が入ってきた。


んん? なにごと?






















兄上に促されゾロゾロと移動する俺たち。

着いた場所は、いずれ製糸工場を建てる予定地だけど……あれ? いつの間にか深い穴が掘られている。


「ベ、ベンジャミン。ここ、いつ掘った?」


確かまだオールポート領の職人たちは作業に着手してなかったよな? 今はロブを中心に作業工程を組んでいる真っ最中だと報告があったけど?


「いいえ。工事を始めたことも報告はありません」


ディーンは無言で首を横に振る。


「じゃ……じゃあ、誰が」


「ははははっ、セシル。ハーディング領の職人たちが持ってきた魔道具だよ。さっきラスキン博士とお会いしてね、魔道具の試運転にとここの掘削を許してもらったんだ」


兄上の言葉に改めて穴の底を見てみると、真ん中に四角い箱のようなものが置いてある。あれが、魔道具か?


「よう、セシル様」


「お早いお出でですな、セシル様」


穴を覗き込んでいた俺とは反対側にいたロブとラスキン博士が声をかけてきた。


「おう! 兄上に紹介するからラスキン博士とお前たちはこっちに来てくれ」


そして、この大穴の説明をしてください。こっちの世界の建設用車両って魔道具で全部補えるものなの?


大穴を迂回してこちらにやってきたラスキン博士とロブたちを兄上に紹介する。兄上はラスキン博士の教えを受けたことはないが、高名な学者なので名前は知っていたとのこと。うん、あとでこの爺さんが魔虫カイコを食用に改良しようとしていたことを教えてあげよう。


ロブたちは本物のお貴族様だと兄上たち、トレヴァー君にまで緊張している。

おい待て。俺だってちゃんとした伯爵様だぞーっ! ブヒーッ!


「ハーディング領から魔道具と魔道具師をできるだけ連れてきたから、工事なんてすぐに終わるぞ、セシル」


「へ? いやいや、年単位でかかるでしょ? まずは住民たちの住居と……」


「何を言っている。住居は一か月で、工場は三ヶ月で。セシルの望んだ施設とかは半年以内に作ってみせるぞ」


ニコニコ顔で自慢げに胸を反らす兄上に、俺は「ふわわわわ」と口を開けて驚くばかり。

おいおい、そんなに早く工場ができても、綿花や亜麻がまだ育ってないって!

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