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転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
オールポート家編

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父親、熊男と対峙する

トビーの店(仮)は、一階は立ち席にして、リタの淹れる飲み物を中心に持ち帰り用の菓子の注文、受け渡し口とした。

クッキーとかマドレーヌとかの焼き菓子は持ち帰り商品や贈答用として需要はあるし、チーズクッキーは男どもにも好評だったしな。


二階はかわいい家具や小物で埋め尽くすと、鼻息荒く燃えているリタの趣味全開の客席になりそうだ。ああ、「(オーラ)」で見たトビーのほうが「乙女」指向だったよな。


ちなみに俺は、なんだったら壁紙に絵でも描いてもいいぞと助言した。ほら、よくあるでしょ? 壁と天井を真っ青にして白い雲とか鳥とか虹を描いたりする店が。

うん、後ろに控えていたディーンに口を塞がれたよ。そうか……これも商業ギルド案件なのか……面倒くせぇな。


リタはその言葉を聞いてテンションが爆上がりになり、俺にズズイッと顔を寄せ「改装資金はセシル様持ちですよね?」と確認してきた。

おおぅ、確かにこちら持ちと言ったが、常識的な値段で頼む。


三階は住居だが、半分は家族用で部屋の中にミニキッチンとトイレとお風呂スペースがあり、もう半分は従業員用の部屋が二つと共同トイレとシャワー室になっていた。


「トビー。頑張ってお店を流行らせて店員さんを雇うぐらいになりましょ」


「うん! 頑張ってもう一人料理人を雇えるようにしたい!」


料理人つーかパティシエな。こっちの世界ではみんな料理人なのか?


トビーとリタが盛り上がっていると、当然自分たちの店はどうなのかとソワソワしだすヘクターとヘレン。

またやゾロゾロとみんなで移動すること暫し。

いや、店と店の距離は普通の人の感覚では近いんだろうよ? だがな、白豚にとっては遠距離も遠距離、死ぬわっ!


場所は噴水広場の近く、メインストリートのプリマヴェーラ通りと交差する通りエスターテ通り沿い。こちらも三階建ての店舗だが、ちょっとこぢんまりとした印象。

赤レンガ作りで窓枠が白い店は、おとぎ話に出てきそうなイメージだ。


こちらは一階の半分以上が最新式の厨房設備なのはトビーの店(仮)と一緒で、二階の半分がテラスになっていた。三階の住居部分には従業員用の部屋はなく、家族用スペースのみで間取りが各六畳ぐらいの二部屋と居間、ミニキッチン、トイレ、風呂の造りだった。


こちらも一階には持ち帰り用と立ち席用にして、二階がカフェになる。

トビーの店(仮)より客層がカジュアルになるから二階の客席は素朴な仕様でいいと思う。ヘレンも牧歌的なデザインに心魅かれているようだし。


リタには客層が少し金持ちになるかもしれないから、二階の席にはパーテーションで区切った個室擬きを用意するように勧めた。貴族の女性が来店することはないと笑っていたが、社交シーズン前後に訪れる下位貴族、田舎の男爵家なんてむしろ高級店のほうが敷居が高いとビビってそうだから、たぶんお忍びで来店あると思うぞ。


目出度く二組とも店舗の契約を済ませ、内装やら家具やらの相談に移る。ここからは代官秘書のケイシーが見つけてきたオールポート領の大工と家具職人、ついでに食器とか揃える雑貨店の出番だ。


「じゃあ。俺たちは先に屋敷に帰っている。あとで馬車を役所に寄越すから、それに乗って帰ってこい」


「「はいっ」」


うん、トビーもヘクターもいい顔だ。リタとヘレンは自分の店の話に夢中なのはいいけど、俺の話も聞いてくれ。俺、伯爵様だし、君たちのスポンサーだよ?


シクシク。白豚は女性陣からのヘイトがキツイな……。俺に優しいのはシャーロットちゃんしかいねぇじゃねぇか。ちくしょう。


「まったく、セシル様は。あれだけ執事長に禁止されたのに、よくもこれだけポロポロとこぼしましたね?」


「なにが?」


今回の俺はちゃんとお口にチャックしていたぞ? そんなに商業ギルド案件を零していたか?


「まずトビー新作菓子のプリンを持ち帰り用にするためビンを利用すること。労働者たちが朝、歩きながら食べれるように、又は昼食として食べれるようにとヘクターに助言していた肉とか卵とかを挟んだパンのことです。あとそれから……」


俺は自分の家に帰るまでの間、ずっとディーンにダメ出しをされていた。

ホットドックとかのおかずを挟んだパンがこの世界にないなんて、知らないよーっ!
















なかなか充実していた物件巡りを終わらせて、帰りのディーンからのお小言はキッチリと右から左へと受け流して、かわいい娘が待つ我が家へと戻ってきた……ベンジャミンたち使用人がエントランスで勢揃いなのもびっくらこいたが……。

この髭モジャ熊男は、いったい誰?


ベンジャミンたちが目をパチクリとして見ている一人の男は、ずいぶんと体が大きくガッチリとしていた。肩とか腕、足の筋肉も思わずパチパチと拍手したくなるほどご立派だ。

腰に大剣を佩いてはいるが、背中にもやたら大きな手作り感満載な弓と矢筒を背負い、獣の革で作った防具に身を包み……ってマタギみたいに毛皮のベストまで着ている。


どう見ても狩人だよな? でもオールポート領で狩猟できる場所って東側の鉱山地帯しかないはずだけど?


「ベンジャミン……」


こいつ、誰だよと尋ねる前に、その熊男がクルリとこちらを向いた。


「おお、伯爵様。久しぶりですな」


……セシル君の知り合いかよ、この熊男!


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