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転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
領地経営編 ③

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領主、目的のブツを見つける

ヴァゼーレからの使者くん、名前をハリーという。小柄な体は大柄なハリソンやレナードと並ぶと子どものようである。成人はしているらしいが、鉱山夫たちの小間使いの仕事でもしているのかな?


「……ぼくも鉱山夫です」


「はぁ?」


むむっ、世の中は広いものだ。前世だったら義務教育中の外見で、毎日ツルハシ担いで鉱山で採掘に励んでいたとは……。

しつこく年齢確認したら、頬を膨らませて拗ねられたが、そういう態度が幼くて年齢確認をしたくなるのだぞ。


輿を担いでいた男たちは鉱山の中まではついて来ず、なんか坑道の入口で酒盛りを始めていたが、ちゃんと帰りも俺が乗った輿を担いで下山してくれるんだろうな?


「たぶん、鉱山の奥まで行っても宝石の原石は採れませんよ。これぐらいのちっちゃな石はありますが」


ハリーが拾ってみせてくれたのは、飴玉ぐらいの大きさの石で先端が少し青みががっている。この石の大きさでは、研磨してデザインカットしたらかなり小さくなってしまうだろう。元々、ヴァゼーレの鉱山から採掘される宝石は小ぶりなものばかりだった。


「とにかく少し奥へ進んでみたい」


案内人ハリーは俺の要求に冴えない顔をしてため息を吐くと、スタスタと鉱山の中を灯りも点けずに歩き進む。

遅れまいと俺たちも歩きだすが、ディーンとメイ、ブランドンたちは手に灯りを持ち、俺は上着のポケットから魔道具……これ、虫眼鏡の形なんだよなぁ、魔道具を片手にキョロキョロと辺りを見回しつつ進んだ。


当たり前だが坑道の中は暗いし、狭いし、ちょっと不気味だ。涼しい顔をしているディーンとメイが憎らしい。ビビッているのは俺だけか?


「ハ、ハリー。ここには魔獣とか出ないよなぁ?」


情けなくも震える小さい声で確認すると、ハリーは足を止めて下を見て上を見た。


「そうですね、魔獣は外でしか確認できていません。坑道内はネズミとか虫が多くて、たまに蝙蝠が飛んできます」


「ひいっ」


うわ~っ、気持ち悪い。俺、もぞもぞ動く虫とか嫌いだわ。あと、蝙蝠ってイラストはかわいいけど、実際は不気味だよねぇ。飛んできた蝙蝠が顔に張り付いたらパニックになるわ、俺。

なるべく、ネズミや虫と会わないように、でも目当てのモノが見つかるように、魔道具を翳して坑道内を見て進む。


山道よりもマシかもしれないが、掘って進んだ坑道はでこぼことした道が歩きにくい、時おり出っ張った石に躓いて転びそうになる。俺の体力を考えると、奥まで進むのは無理っぽいな。俺は残りの体力を気にしながら目を皿のようにして坑道の壁を見て回った。

























むぅ、限界かもしれん。

これより奥に行くと帰りの体力が心配だ。少しゆとりのある内に引き返したほうがいいだろう。

でもさ、まだ目当てのモノが見つからないんだよおおおおおぉぉぉっ。くっそう!


「セシル様?」


「ちっ。悔しいがここで撤退だ。これ以上は進めん」


ディーンの気づかわしげな様子に俺は意地を張ることなく「撤退」を宣言する。でも、すっごく悔しい。くやちいよぅっ。


ガックリと肩を落として……つーか、疲れたからしゃがむ。しゃがんだら立てるかどうかわからないけど、心情的にはべたりと地面に臥せってしまいたい。

ちぇっ、そんなに都合よく物事は進まないか……。ここまで順調にいきすぎたのかも。いや、宝石が枯渇して魔獣が出没しているけどさ。

いじいじとした気持ちで、なんとなく地面を魔道具で覗いてみた。


キラリ!


「ん?」


あれ? 俺が望んだ反応が坑道の壁や天井じゃなくて、下からあったけど? 念のためあちこちを魔道具で覗いてみる。


キラッ、キラリン!


「あ? あああああぁぁぁぁぁっ! ここ! ここだよ、ここ!」


突然叫びだしたご乱心の主人にディーンとメイが驚いていると、ブランドン隊長は俺が何を見つけたのか理解して、俺が指さす場所を剣先で掘ってみる。


「何をしているんですか? そんなところを掘っても原石はもう出ませんよ?」


「ハリー。ここを掘ってくれ。探すのは宝石の原石じゃない」


枯渇した宝石をいじましくも探しにきたんじゃない! ここにアレがあるなら、魔獣がヴァゼーレに出没した理由もわかる。だから、ここを掘って見つけてほしい。


「セシル様。これです。魔道具で確認を」


ブランドン隊長たちがあちこちの地面をガツガツと掘り出した。異様な状況についていけないディーンはボケッと突っ立ているだけだが、メイは他の騎士たちと同じように剣先でガツガツと掘り出し始めた。さすがハリソンの愛娘、状況判断が早い。


「ブランドン。やったぞ。反応がある。ここに埋まっているんだ、魔石が!」


そう、この鉱山にはまだ掘り出すものが埋まっている。それは「魔石」だ。宝石よりも身近で、宝石よりも生活に必要とされる、この世界のエネルギー。


「セシル様……ま、魔石ですか? ですが、オールポート領には魔石なんて……」


「ああ。理由はわからんが、ここら辺一帯に魔素が濃くなったんだろう。だから、魔石が採れるようになった。反対に宝石は枯渇した」


もしかしたら、宝石の原石は魔素によって変質してしまったのかもしれない。魔石が地面から掘り出せたということは、魔石は地下に埋まっているのか? 

地盤の問題があるが、魔石を掘り出すのにはさらなる調査が必要だな。


「どうしてセシル様は、ここに魔石があるとわかったんですか?」


ディーンからの質問に俺はニヤリと笑って答えた。


それは……獣が魔素を体内に取り組んで魔獣になるからさ。国内の魔石鉱山の場所と辺境以外で発見された魔獣の出没場所が近いこと。つまり、魔獣がいる場所には魔石があるってことだ!




☆しばらく更新はお休みです。

 GW開け 5/7から更新再開予定です。

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