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転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
領地経営編 ③

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領主、山賊と出会う

俺が異世界で自我を目覚めさせたというか、セシル君が前世の記憶、つまり俺を思い出したときに付随して得た能力が、人の「(オーラ)」がを見えるようになったことだ。

この「(オーラ)」は主にその人の感情や性格、本質がなんとなくわかるという……、正直、真面目な人がパリピ系か犯罪者ぐらいしか区別はつかないけど、要所要所で俺の選択基準となっていた。


知ってはいけないその人の趣味を覗き見てしまったこともあるが。ごめんね、兄上。オトメンのことは墓場まで持って行きます。


だから、こういうときに「(オーラ)」を見る能力は使うべきでしょう。そりゃ、唸れ俺のスキル、開眼!

ハリソンと旧知だという鉱山夫のリーダー。山賊みたいな渋い男の「(オーラ)」を見破ります。


「……うむ」


犯罪者特有の悪い「(オーラ)」である、黒色はなし。不安なときに現れるグレー系もなし。……えっと、一面緑色です。フォレストグリーンといわれる森のような深い緑色だ。そこに日差しが差し込むみたいに暖かな黄色が光り、なぜか右手に金色の蔦が巻き付いている。


……容貌を裏切る思慮深く穏やかな気質。肉体派にみせかけて実は頭脳派。そして、右手の金の蔦は何かすごい意味がありそう。「(オーラ)」が金色のイメージって、今はクレモナのロンバル大聖堂にいるリベリオ大司教様を思い出す。

この男、デキる!


俺が能力全開で周りの鉱山夫を調べている横を、タターッと走ってヴァゼーレからの使者が通りすぎていった。


「お、お頭ーっ」


使者は鉄門に縋りついて「お頭」と呼んだ鉱山夫のリーダーへ手を伸ばす。お頭って、やっぱり山賊なんじゃねぇの?


「セシル様」


「あ、うん。ハリソン……あいつ、山賊?」


こそっとハリソンの耳に俺の冴えたる推理を吹き込むと、奴は「ぶはっ」と吹きだして笑い出した。


「ち、違いますよ。あいつは、今はここのリーダーで鉱山夫のレナードです。俺たちがここに来たときには鉱山夫をまとめていました」


「ふ~ん」


泣き出した使者のため鉄門を開くと、使者はそのまま山賊、鉱山夫のリーダー、レナードへと飛んで抱き着いた。


「人望はあるみたいだな」


今までヴァゼーレを放って置いた領主一族にまで、その懐の深さが発揮されるとは限らないが。


「頼むぞ、ハリソン。俺が問答無用で斬られそうになったら助けてくれ。せめて交渉がまとまるまでは、な」


「ハッ、ご冗談を。必ず守りますよ。絶対に誰一人欠けることなくオールポートの屋敷に戻ってみせます」


ハリソンは愛用の剣をポンッと軽く叩き、ニッと歯を見せて笑った。

頼もしいなぁ、ウチの騎士団長様は。それじゃ、頑張ってヴァゼーレの問題に取り組むとしましょうか!

























一触即発で争いが始まってしまうかもとドキドキしていたが、あっさりと鉄門を開け放ち俺たちを招き入れる鉱山夫たちの行動に首を捻った。あれ? なんかスムーズに鉱山町の中に入れましたが?


友好的とは言えないが、かといって好戦的でもない、まるで珍獣を見る視線をビシバシ感じながら歩く。馬車は物質とばかりに入り口で接収された。


石畳の道……いやこれ、適当に石を敷いただけだな、歩きにくい道を慎重に歩いていた俺は俯いていたらしい、気が付いたら町の中心に建つヴァゼーレ役所の前に立っていた。

二階建ての石造りの飾りっけのない建物だ。窓には全て木の雨戸? 鎧戸がついており堅牢なイメージだ。


レナードは数人の鉱山夫を連れ先導して役所の中へ。集まっていた鉱山夫たちは、俺たちへの興味がなくなったのか、バラバラと散って行った。とはいえ、鉱山に行っても宝石は採れないし、魔獣が出るしで鉱山町からは出られず昼でも開いている酒場へと消えるのだろう。


「セシル様」


「あ、ああ。俺たちも全員が行くわけにはいかないな」


うむ、人選をどうしよう……。ハリソンは外せないし、クラークとディーンは連れて行く。ハーディング家からの騎士も。……俺はパス、とかできないよね?

結局、外せないメンバーのほかにメイとラスキン博士も一緒に、レナードたちとの話し合いに参加してもらうことにした。


「……いきなり毒とか盛られないよね」


鉱山だからさぁ、毒素の含んだヤバいモノとかも発掘されてそうだし。俺がブヒブヒとビビッていたら、メイが小さく舌打ちして低い声で提案してきた。


「どうせ男連中です。私がお茶の用意をいたします」


ブッヒー! す、すみません、よろしくお願いします。あわわわ、メイが一番怖ええぇぇぇぇぇっ!




















――ヴァゼーレ出発、前日。


「よろしいのですか、お嬢様?」


「ええ。本当はお父様をお見送りしたいのです。でも……魔獣が出たとなればオールポート伯爵家だけの問題ではありません。お父様がベンジャミンを領地に残すなら、私は伯父様と一緒に王都へ向かいます。手続き的にも次期伯爵のわたくしが王都に滞在すれば、それだけお父様の負担が減るでしょう」


今日聞いた話は恐ろしくて、以前の私であれば部屋に籠って震えることしかできなかった。でも、そんな恐ろしい場所にお父様は領主として赴くという。ならば、私はお父様の娘として、次期伯爵として恥ずかしくない行動を取らなければ。


一人では怖いけど……お父様のことをとっても愛してらっしゃる伯父様が一緒に王都へ行き、共にいてくださるという。お父様の少しでも役に立ちたい。そして、領主として伯父様にいろいろと教えていただきたい。


だから……私は明日のお父様の見送りを我慢して、すぐに王都へと出発します!




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