38 高馬 Day4
俺は支倉さんが居なくなった後、窓を開けた。さすがに臭い。ついでにベランダに出る。
「なによ」
呆れたように隣のベランダに小倉はいた。
「なんでいるんだよ」
「別に洗濯物入れようとしただけ」
生活圏が近すぎるからこういう所で直ぐに会ってしまう。疼痛を誤魔化すように夕焼けを眺める。
「今日何食べるの?」
「さぁ。カップ麺かな」
「また?」
「ほっとけ」
「ねえ、たか」
「なに?」
「私さ、たかのこと好きだよ」
「・・・」
「彼女さんと別れたら、付き合ってね」
「・・・」
小倉は部屋に戻ってしまった。俺はその場に座り込んだ。お前はまだこんな俺のことが好きなんだな。俺はこんなクソ野郎なのに。名前で呼んだことすらない幼馴染みなのに。
「小倉らら」
ふと声に出す。らら。らら。俺はららのことが好きなのに。愛してるのに。
スマホが鳴った。着信だ。
「ハロー。ご飯行かない?」
「・・・どこにだ?」
「別にガストでもいいしラーメンでもいいけど」
「・・・めんどくせぇ」
「はぁ。じゃあ適当に買って家行くから待ってて」
有無を言わさず電話は切れた。俺はリビングに戻り少しだけ片付けをした。
・・・あれ?加藤は俺が彼女と帰ったのは見てたはず。なのになんで飯に誘ったんだ?考えてないだけか?いや、加藤がそんなくだらないミスするか?アイツは頭がいいんだぜ。・・・考えすぎか。加藤だってミスくらいする。それにしても随分タイミングがいいな。まさか俺のこと監視してる?まさかね。




