33 高馬 Day3
「本当に送ってかなくていいのか?」
「旦那は心配症だな。僕より自分の心配をしなよ。前向いて、信号と車に注意して帰りな」
「ああ。おやすみなさい」
「はいはい」
加藤はふっと暗闇に消えていった。ありがとな。
大通りに出る。田舎とはいえ車はまだまだ通ってる。まだこの街は俺だけじゃあない。コンビニ寄ろう。
しばらく歩いてやっとコンビニを見つけた。なんでコンビニより薬局の数のほうが多いんだよまったく。入ろうとしたら、見覚えのある、懐かしい顔が。
「・・・小倉の母さんです?」
「んー?そだけどあんた誰ぇ?」
俺は思わず平手打ちをした。
「や、な、なにをするの!」
「お前っ、なんで小倉の面倒見ないんだよ!」
「・・・悠太君」
「・・・俺の母親が迷惑をかけてすまなかった。ごめんなさい。でも・・・あんたも、あなたも小倉のお母さんだろ!」
「・・・」
「お願いだから、娘さんを見てやってくれよ。俺はもう手放したんだから。親も、幼馴染みも、俺にはなんにもないんだからさぁ!」
「・・・」
俺はなにを言ってるんだろう。逃げるように背を向けた。
『支倉さん』
『なに?』
相変わらずの既読の速さだ。
『今週末、つまり明後日暇ですか?』
『もちろん』
『デートしません?』
『うん。私も高馬君と話したいことがたくさんあるんだ』
俺はスマホをポケットにしまった。多分、煙草を吸いたいってこんな気持ちなんだろうな。




