30 高馬 Day3
「・・・俺さ、お前が俺のこと好きだってこと、薄々感づいてたよ」
「・・・」
「でも、俺、お前をさ・・・その、性的に一切見たことないんだよ」
「・・・なに?貧乳って馬鹿にしてるの?」
「いや、貧乳は事実だけどさぁ」
「口に気を付けてね。次舐めたこと言ったらどつきまわすからね」
「・・・まぁ、ともかく、小倉をエロい目で見たことないから俺はお前のことを好きじゃないと思ってた」
「・・・」
「・・・でもさ、俺・・・」
「・・・」
「・・・クソ野郎みたいなこと、言ってもいいか?」
「・・・なによ」
「・・・俺、お前のこと、多分、好きだ」
「っ・・・じゃあ、なんで、彼女作ったのよ」
「・・・・・・その先輩を独りにしたくなかったんだ」
クソみたいだな。俺って。ほんとのことも言えない。
「・・・じゃあさ、私が先輩より可哀想だったら、私を選んでくれる?」
「・・・」
「・・・じゃあ、言うよ。私の母親はアル中。その原因は、たかのお父さんとお母さんのせいだからね」
「・・・どういうことだ?」
「あんたのお母さんが、私の父親を寝取ったんだよ。今、海外で一緒に暮らしてる」
・・・・・・・・・・・・
「・・・冗談・・・ってわけじゃあなさそうだな」
「・・・うん」
「・・・」
「・・・そもそも、おかしいって思わないの?なんでたかは自分の両親がどこで働いてるか知らないの?」
「・・・・・・」
「・・・ねぇ、たか・・・私、君の義理の妹なんだよ。信じれる?」
「・・・・・・」
「・・・私も親のいざこざなんて知らないよ。知りたくもない」
「・・・」
理解が追い付かない。どういうことだ?俺の母親が、寝取った?じゃ、じゃあ・・・
「俺の親父は?何をしてるんだ?」
「・・・それは私も知らないよ」
「・・・」
「・・・ごめん、こんな話しちゃって」
「・・・・・・」
・・・・・・そうだ、思い出した。紙だ。紙を探すんだ。
「・・・小倉」
「・・・なに?」
「・・・今まで、無視してて悪かった」
「・・・・・・いいよ。あんたより、もっといい男見つけるから」
「・・・そうしてくれ。どうか、幸あらんことを。俺みたいなクソ野郎より、ずっともっといい人を見つけてくれ」
「・・・じゃあ、最後に一緒にさ、写真撮らない?」
「・・・いいぜ」
深呼吸を1つ。
「ほら、笑ってよ」
真っ赤な目の小倉が笑う。俺も頬を手で無理矢理ほぐし、笑顔を作る。
「はい、チーズ」
撮られた写真は、我ながら悪くない顔だった。




