29' 先輩 Day3
少し落ち着こう。私は吸い殻を灰皿に捨て、もう1本火をつける。高馬君は優しいから小倉さんの縁が切れてない。小倉さんも高馬君が私の彼氏と知ったら、少し離れてくれるかな。離れてくれるなら話は早いんだけどなぁ。灰を落とす。私の物なんだから、もっと自信を持っていいはずなのに、どうにも不安。高馬君にもっと依存されないと。Amazonを開き、3面のモニター、マザーボードとキーボードの1番高いのをカートに入れる。小さくなった煙草を揉み消し、もう1本と手を伸ばしたが空だった。舌打ちして箱も灰皿に捨てる。アメスピと思ったけど、パーラメントのカートンも2つカートに入れる。後は・・・GPSの端末と盗聴器とかもカートに入れる。130万?安いよ。
車に乗り込み、エンジンをかける。ダッシュボードから煙草を取り出し窓を開ける。しばらくドライブしよう。スマホからAC/DCを流し、アクセルを踏み込む。騒音は嫌いだけど、今日だけは視線を集めたかった。不愉快だとしても、こっちを見て欲しかった。ねぇ、高馬君、小倉さんが君に何ができるの?私なら君を幸せにできる。お金だってどれだけでも渡せる。居場所もご飯も未来もあげられる。だからさ、君の過去しか持ってない小倉さんには高馬君を渡せない。君の居場所は私のもとだよ。
しばらくドライブした後、お腹が空いたから居酒屋にでも行こうと思って走らせてたらいいところにガストがある。咥えてた煙草を灰皿に押し付け、車から降りようとした・・・あれ?あの自転車・・・少し錆びてるあの自転車って高馬君の?私は慌てて車に戻り、ミンティアを何粒も食べ、ファブリーズも振りかける。一応、マスクもして店内に入る。
「いらっしゃいませー、お好きな席へどうぞ」
聞き流しながら店内をざっと見る・・・高馬君!近づこうとしたら。机の上にはコップが2つある。嘘だよね?と、友達だよね?高馬君の死角になる席に座る。ドリンクバーだけ頼み、目を光らせる。
「ごめんごめん」
「帰ったかと思った」
「帰んないよ、まだ全部聞いてないし・・・なんで増えてるのよ」
「小倉が見てて楽しくなるくらい食べるから、つい」
「・・・私、払わないからね」
「え」
「え・・・じゃない!」
・・・・・・決めた。私、絶対にこの人を排除する。




