55/73
28 高馬 Day3
小倉は出ていってしまった。音のない部屋に響く、孤独のリズム。俺は面倒くさくなりフローリングに寝転がった。頭の痛さも、吐き気も倦怠感も、全部面倒くさい。
「たか!」
「・・・なに?」
「はい!」
「なにこれ?」
「パパが渡せだって!じゃあね!」
「・・・よぉ」
「・・・たか、学校は?」
「サボった」
「バカだなぁ」
「お前は?」
「サボった」
「バカだなぁ」
「たか、高校決めた?」
「決めてない」
「早めに決めなよ」
「お前は?」
「ん?普通に北高」
「何が普通にだ。舐めやがって」
「お前・・・その制服」
「北高落ちたんだよ。笑えよ!」
「北高も城高もB日程だぞ」
「・・・」
「あんなけ余裕かまして難易度下げたのかよ」
「うっさい!」
「たか、体育祭の準備は?」
「億劫でサボった」
「先生にチクるよ」
「お前は小学生か」
ふと気が付きカーテンを少し開ける。もう真っ暗だ。
慌てて時計を見る。時刻はもう7時の終わりかけだ。
目が覚めて意識もはっきりした。今度こそ小倉と話そう。
小倉に謝ろう。
支倉さんが買ってくれた服を脱ぎ、よく着る服にお色直し。顔も洗い、髭も剃り、整える。
深呼吸を1つ。俺は家を出た。




