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リグ・ヴェーダ 詩訳 ― 火の神が歌う世界の始まり  作者: はまゆう


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33/56

第1巻 第159讃歌 天地讃歌(空と海に紡がれる永遠の新しき織物篇)

1

我は祭品をもって讃える、

祭りの場にて、

強大なる天と地を。

賢質にして、

秩序リタを強める者らを。

神々を子として持ち、

神々と結ばれ、

奇跡をなす智慧を通じて、

至高の恵みを生み出す者らを。

2

祈りを込め、

慈悲深き父(天)の心と、

母(地)の偉大なる生来の力とに、

我は思いを馳せる。

多産なる父母たる彼らは、

生きとし生ける世界を創り、

己の身内(子ら)のために、

あたり一面に広大なる不滅を与えた。

3

仕事に長け、

奇跡の力を持つ汝らの息子たちは、

何よりも先に、

二大なる母(天と地)を生命へと引き戻した。

立つもの(静物)と動くもの(動物)の真実を護るため、

汝らは欺きを知らぬ己の息子の座を護る。

4

優れた技術を持つ、

最も賢き彼らは、

誕生を同じくし、

住処を同じくする双子(天地)を測り取った。

燦然たる賢者たちは、

空の中に、

まことに海の深淵の中に、

永遠に新しき織物を紡ぎ出すのだ。

5

これこそは本日における、

サヴィトリ(刺激神)の至高の賜物。

神が今我らを推進する時、

我らはこの思いを抱く。

愛の深さをもって、

天と地が我らに授けんことを。

富と、様々な財宝と、

百倍の宝とを!



解説:

第159讃歌は、大宇宙の父母たる二大神「天地(天と地 / ディアヴァー・プリティヴィー)」に捧げる全5節の讃歌です。

全5節という引き締まった構成の中に、古代ヴェーダの宇宙観である「父なる天」と「母なる地」への深い敬愛、そして世界という織物を編み上げる職人神(リブ神群など)の神秘的な技法が美しく描かれた讃歌です。

神々の親であり、万物に不死と生命を与えた二大なる母(天と地)。それらを巧みな技術で測り取り、空と海の深淵に「永遠に新しい織物(世界の営み)」を紡ぎ出す賢者たちの業が描かれています。

* 1–2節:神々の父母と、世界に満ちる不滅

1〜2節では、天と地がすべての神々の生みの親であり、万物に生命と「広大な不滅(永遠性)」を与えた根本存在として敬虔に描かれます。

* 3–5節:双子を測る卓越した技術と、永遠に新しい織物

3〜4節の比喩表現はきわめて洗練されています。巧みな職人たる息子たち(神々/賢者たち)は、天と地という双子の領域を緻密に測り分け、空の広がりから海の深淵に至るまで「永遠に新しき織物(web for ever new)」を紡ぎ続けます。最後は太陽神サヴィトリの祝福とともに、百倍の富がもたらされることを祈って締めくくられます。


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