表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引き籠もりニート自室ダンジョンで最強になる~俺だけ最強の装備やアイテムで世界最強に!?~  作者: 仮実谷 望


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/37

第三十五話 最強の闖入者と、崩壊する防衛線

【マンションの廊下:地獄の三つ巴中】


三沢の冷徹な追及と、凛の熱すぎる勧誘。その板挟みで蓮の精神が限界を迎えようとしていたその時、チーンという間の抜けた音と共にエレベーターが開いた。


「ただいまー! あら、蓮? お友達?」


現れたのは、スーパーの特売袋を両手に下げた蓮の母・**華江はなえ**だった。

その瞬間、廊下の殺伐とした魔力の衝突(メンチ切り)が、嘘のように霧散した。


「え……あ、母さん。いや、これはその……」


「あらあら! こんな綺麗な方が二人も! 蓮、あんたやっと就職活動する気になったのね? それとも、ついに『デビュ』っちゃったのかしら!?」


華江の目はキラキラと輝いている。彼女にとって、三沢は「しっかりしたお姉さん」、凛は「活発な可愛い子」にしか見えていない。


「初めまして、お母様! 佐藤師匠に……いえ、蓮さんにいつもご指導いただいている一ノ瀬凛です!」

凛が持ち前の礼儀正しさで深々と頭を下げる。


「お隣に越してきた三沢です。佐藤さんには……色々と『お世話』になっておりまして」

三沢もまた、完璧な社交用スマイルで合わせる。


「まあ! 立ち話もなんだし、中に入って! 今日は奮発してすき焼きよ!」


「「お邪魔します!!」」


二人の声が重なった。蓮の絶望が確定した瞬間だった。


【佐藤家・リビング:見えない戦場】


「(アキラ! アキラ聞こえるか! 最悪だ、二人ともリビングに入っちゃったぞ!)」


蓮はキッチンで母の手伝いをするフリをしながら、インカムで悲鳴を上げた。


『落ち着きなさい蓮。今、「玄武」の演算能力の80%を割いて、あんたの部屋全体に「何もない平凡なオタクの部屋」のホログラムを上書きしてるわ。三沢さんがドアを開けても、見えるのは山積みのラノベと脱ぎ散らかした靴下だけよ』


「(サンキュー、相棒! でも、三沢さんのセンサーは誤魔化せるのか!?)」


『……それが問題ね。彼女、さっきから「すき焼きの匂い」に紛れさせて、ナノサイズの監視カメラを換気扇に放り込もうとしてるわ。私が今、全部換気扇の逆噴射で撃退してるけど……正直、お母さんの天然行動が一番のイレギュラーよ!』


リビングでは、華江が二人にアルバムを見せていた。

「見てやって。これ、蓮が幼稚園の時に泥団子を『伝説の宝玉』だって言って宝箱に隠してた時の写真よ」


「ほう……『伝説の宝玉』……やはりその頃から空間魔法の片鱗が……」

凛が手帳を取り出してメモを取る。


「……泥団子の隠し場所。……佐藤さんの隠蔽工作のルーツはここね」

三沢が鋭い目で写真を分析する。


「……母さん、もうやめてくれよ……」

蓮は生きた心地がしなかった。


【結末:悪魔の提案】


食事は進み、華江の機嫌は最高潮に達した。


「そういえば、今日は外、すごい雨が降るって予報よ? 三沢さんはお隣だからいいけど、凛ちゃん、こんな時間に女の子が一人で帰るのは危ないわぁ」


「あ、いえ、私は鍛えておりますので、暴漢の十人や二十人なら返り討ちに――」


「ダメよぉ。あ、そうだわ! 蓮の部屋、無駄に広いし、今日はお泊まりしていきなさいよ! 三沢さんも、お隣だけど一緒にパジャマパーティーなんてどう?」


ドッシャァァァァン!!


外でタイミングよく雷が鳴り響いた。


「……お泊まり……。佐藤さんのプライベートを、朝まで監視できる……」

三沢の眼鏡がキラーンと光る。


「……師匠との合宿……。夜通し『武』の神髄について語り合える……」

凛の拳が興奮で震える。


『蓮、緊急事態よ。もし二人が泊まることになったら、私の「玄武」への電力供給ラインがバレる可能性があるわ。……それと、お母さんが今、勝手にあんたの部屋の「ダンジョン入りクローゼット」を掃除しようとしてる!!』


「やめろぉぉぉ母さん!! そこは開けちゃダメだぁぁ!!」


蓮の叫び声が、多摩の夜空に虚しく響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ