表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引き籠もりニート自室ダンジョンで最強になる~俺だけ最強の装備やアイテムで世界最強に!?~  作者: 仮実谷 望


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/37

第三十四話 ゴミ出しと、二人の守護(?)天使

【マンションの廊下:午前八時】


「平穏な朝を返せ」


蓮は両手にゴミ袋を提げ、天を仰いだ。 右隣の三〇二号室からは、高性能なセンサーが組み込まれた眼鏡をクイと直す三沢が。 階段の下からは、朝のランニングついでに「師匠に挨拶を」と駆け上がってきた道着姿の凛が。 二人の視線が、蓮という一点で交差する。


「佐藤さん、そのゴミ袋……中に『神話級』の残骸が入っていないか、私が集積場まで同行して検査エスコートします」


「いいえ! ゴミ出しのような雑務は弟子の務めです! 師匠、その汚レモノは私にお預けください!」


三沢が蓮の右腕を、凛が左のゴミ袋を掴む。 静かな廊下に、ギチギチと嫌な摩擦音が響き始めた。


『蓮、玄武が二人の間の「静電気」で小規模な落雷が発生しそうだって警告してるわよ。……ちなみにオッズは「公務員の勝利」が2.5倍、「筋肉女子高生の勝利」が1.8倍ね。賭ける?』


アキラの声が耳元で楽しげに響く。 「……どっちも負けて、俺を一人にしてくれ」


【多摩第十四ダンジョン:地下一階】


結局、二人の引力に抗えなかった蓮は、なぜか三人で「早朝のダンジョン巡回」に来ていた。


「いいですか、佐藤さん。私はあなたの『異常性』を数値化するために同行しています。部外者の介入は――」 三沢が魔導拳銃を構え、現れたゴブリンを精密射撃で撃ち抜く。


「介入ではありません、修行です! 師匠の背中を見て学ぶ。それが武の道!」 凛が三沢の弾丸より速く踏み込み、残りのゴブリンを正拳突き一発で「肉塊」へと変える。


二人は競い合うように無双を始めた。 C級探索者相当の三沢と、底知れぬ成長を続ける凛。 初級ダンジョンの魔物たちは、自分たちがなぜ死ぬのかも理解できないまま霧散していく。


「(……なんだこれ。俺、いらなくね?)」 蓮は最後尾で、あくびを噛み殺しながら付いていく。 だが、その時。二人がマウント合戦に夢中になっている背後の岩影から、迷彩能力ステルスを持った『アサシン・リザード』が音もなく蓮に飛びかかった。


「(……あ、面倒くせぇな)」


蓮はポケットから、今日持ってきた『百均の粘着ローラー(コロコロ)』を取り出した。


《Reality Patch:【事象固定・重力圧縮グラビティ・ロール】》


蓮は「あ、危ない!」と情けない声を上げながら、背後の壁をコロコロと撫でるフリをした。 その瞬間、飛びかかろうとしたリザードは、目に見えない超重力の圧力に押し潰され、一声も上げられずに「平らな魔石」へと変わった。


「佐藤さん! 大丈夫ですか!?」 「師匠! 不覚、私の不徳の致すところです!」


二人が慌てて駆け寄るが、そこにはただ「転びそうになって壁に手をついた」ようにしか見えない蓮が立っているだけだった。


【結末:さらなる勘違いの遺物】


ダンジョンのボス(巨大なトカゲ)を、二人が秒殺した直後のことだ。 ボスが消えた場所に、一つの奇妙なドロップアイテムが残されていた。


それは、淡い黄金色の光を放つ『割れたガラスの破片(に見える何か)』。


「……何、これ。スキャンしても、解析不能エラーが出るわ」 三沢が眼鏡を調整する。政府のデータベースにもない未知の物質だ。


「……わかります。これは、師匠の放つ『静謐な闘気』と同じ波長……。きっと、師匠がここにいたという『証』が、ダンジョンに具現化したのですね!」


「いや、ただのドロップアイテムだろ……」


三沢はこれを「国家機密級の重要遺物」として回収しようとし、凛はこれを「師匠の教えが詰まった聖遺物」として崇めようとする。


「(……アキラ、あれってただの『玄武』の起動時に出た余剰魔力のカスだよな?)」 『……そうね。あんたの部屋から漏れた魔力が、ダンジョンの再構築プログラムに干渉して結晶化した「ただのゴミ」よ』


その「ゴミ」を巡って、美しき公務員と空手少女がまたしても火花を散らし始める。


「佐藤さん、これの所有権について、隣の私の部屋でじっくり朝食(尋問)を食べながら話し合いましょう」


「いえ、私の道場へ! 師匠、朝稽古の後のプロテインは最高ですよ!」


挟み撃ちにされた蓮は、手にした「コロコロ」で自分の人生の悩みもすべて丸めて捨ててしまいたいと、切実に願うのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ