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引き籠もりニート自室ダンジョンで最強になる~俺だけ最強の装備やアイテムで世界最強に!?~  作者: 仮実谷 望


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第二十九話 銀行員と超法規的サイト

【佐藤家・リビング】


ピンポーン、というインターホンの音が、今の蓮には死刑宣告の鐘のように聞こえた。 「……来た。ついに税務署か警察が俺を連行しに来たんだ……」


「落ち着きなさいよ。ただの銀行員でしょ」 アキラがタブレットで玄関のカメラを確認しながら言う。そこに立っていたのは、三沢さんのような鋭さはなく、いかにも「真面目な地方銀行員」といった風貌の中年男性だった。


「多摩中央銀行の田代たしろと申します。佐藤蓮様、お時間はよろしいでしょうか?」


蓮は震える手でドアを開け、彼を応接間(という名のリビング)に通した。


【正直すぎる告白】


「……単刀直入に申し上げます。昨日、佐藤様の口座に振り込まれた十億円。この出処ソースについて、確認させていただきたいのです。……マネーロンダリングの疑いがかかると、こちらの判断で口座を凍結せざるを得ません」


田代の言葉に、蓮はガタガタと震えながらも、観念して口を開いた。


「……売ったんです。ネットオークションで……」 「オークション? 何を、ですか?」 「……えっと、ダンジョンで拾った……『神滅剣ラグナロク』とかいう、中二病全開の名前の剣です。……ダマゾン(Damazon)に出品したら、勝手に十億まで跳ね上がって……」


嘘をつく気力もなかった。 だが、「ダマゾン」という単語が出た瞬間、田代の表情が劇的に変わった。


「……『ダマゾン』。……失礼しました。そうでしたか、それなら納得です」


「……え?」 蓮が呆気にとられる。田代は深々と頭を下げ、手帳をカバンにしまった。


【ダマゾンの正体】


「佐藤様はご存知ないかもしれませんが、現在、ダマゾン経由の取引は、政府から『超法規的措置エクストラ・リーガル・ステータス』を受けているのです」


「超法規的……?」


田代は、今の世界における「裏の常識」を語り始めた。 ダンジョンが発生して以来、既存の法律では対処できない「魔導遺物」や「超技術」の流通が問題となった。そこで政府や国連は、唯一それらを安全に管理・流通させている謎のサイト『ダマゾン』を、「不可侵の聖域」として公認したのだという。


「ダマゾンでの売買は、納税も管理もすべてサイト側が代行し、その匿名性は国家権力すらも犯すことができません。つまり、あそこで得た金は、『最もクリーンで、最も手出しできない金』なのです。我々銀行も、ダマゾンからの入金には一切の口出しをしないよう、上層部から厳命されております」


「……じゃあ、俺は捕まらないんですか?」


「捕まるどころか、あなたは国が喉から手が出るほど欲しがっている『重要物資の供給者』です。今後もぜひ、当銀行をメイン口座としてご利用ください。……これ、私の名刺と、ブラックカードの申込書です」


【嵐のあとの静けさ】


田代が丁重に、かつ恐縮した様子で去っていった後。 蓮はソファに深く沈み込んだ。


「……なんだよ。あんなにビビってたのに。ダマゾンって、そんなにヤバいサイトだったのか」


「だから言ったじゃない。あそこは『ダンジョン時代のインフラ』なのよ。管理者が誰かは知らないけど、世界中の政府と握ってるのは確かね」 アキラが部屋の影から姿を現し、ニヤリと笑う。


「……ま、とりあえず十億は『合法的な俺の金』になったわけだ」 蓮はスマホを開き、今まで我慢していた「あるもの」を検索した。


「アキラ、十億あるなら……買えるよな。『自室ダンジョン専用・並列分散型スーパーコンピューター・玄武』。これがあれば、お前のハッキングももっと速くなるだろ?」


「……蓮。あんた、たまにはいいこと言うじゃない」


現実から逃げるために戦っていたニートは、いつの間にか「法すらも及ばない特権階級」へと足を踏み入れていた。 だが、その平穏を壊す影が、すぐそこまで迫っている。


【東京都内・某所】 「……『神滅剣』。落札した組織を特定しろ。それと、出品者の端末(IP)もだ」 三沢が、今まで以上に鋭い視線でモニターを見つめていた。

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