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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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212/213

サイキッカーGKを知る存在

 高校サッカー、プレミアリーグは10節を迎えて1軍の立見は横浜アーザとの試合を行う。



「2連戦を戦って、体の方はバテてないか兄弟?」



「全く問題ありませんよー♪」



 インターハイ予選で連戦を戦ってから1週間程。



 この日も1軍のゴールマウスに立って、声を掛けてきた一夜の言葉に陽気な笑顔で応える。




「一体あいつの体力は何処から来てんだろうな?」



「完封勝利したら体力回復するって仕組みじゃね?」



「そうだとしたら、どんだけ完封好きなんだよ」



 アップを行う門山、後藤、藤川の3人は連戦出来る輝羅の力の源は何か、それぞれが好き勝手に予想していた。



「それか、彼女が出来て最高のモチベでやってるのかもな」



「彼女って、まさか何かと仲が良いって噂を聞く女帝と?」



「一緒に帰っている所を見たけど、そこまで行ったのか……」




「(すっごい好き放題に噂されてるなぁ。半分の当たりはあったけど)」



 味方の内緒話は輝羅からすれば分かっており、彼女がモチベは半分正解だった。



 夏の試合、全てを終わらせて何も気にせず、千里と過ごしたい想いが今の輝羅。



 今日の横浜アーザも無論、完封勝利を目指して戦う。




「──おい、あいつだぜ?」



「ああ、最近噂になってるGKのチビだろ?」



 立見の面々がアップしている所を見ていた数人の選手。



 いずれも横浜アーザの選手達で、彼らの関心は輝羅に集まる。



「実際に見ると小さいよな。高さが弱点に思えるけど……」



「本当にそうだったら、とっくに失点してるはずだろ。あれは人は見かけによらないパターンだ」



「上位の川崎まで負けちまったらしいし。とにかく色々な攻撃試して、どれが効果的か探らないとな」



 輝羅からどうやってゴールを奪おうか、選手達の間で打ち合わせが行われ、横浜アーザは虎視眈々と上位を狙う。



 その打ち合わせが、サイキッカーである輝羅にネタバレだと気付かないまま……。





「左! 7番来てるよー!」



 相手が執拗にサイドから攻めて、中央を囮に使って横浜アーザは立見を惑わせようとする。



 輝羅のコーチングで囮だと気付き、中盤の水月達はライン際で相手選手を取り囲んでいた。



「(何でこんないっぱい!?)」



 不意を突いて右から逆サイドへ切り替えたつもりが、全く通用せずに横浜アーザのSHはボールを奪われる。



「(空いてるな!)」



 奪い取った水月は、相手ゴール前の右スペースが空いてる事に気付き、右足で地を這うようなロングスルーパスを蹴る。



 飛んで来ると察知した藤川がスペースへ走り込み、相手DFも必死に迫っていた。



 それでも藤川の方が速く、ゴール前でパスに追いつくと右足でシュートを狙い、相手GKのダイブも及ばずゴールネットは揺れ動く。




「良い速攻ー♪ 皆良いプレスだったよー!」



 取り囲んでボールを奪った事で、相手の守備の意識や布陣が整う前に決められた。



 これは守備陣の功績だと、輝羅は真っ先に守備陣を褒める。




「(何でサイドがこんなガチガチに……!?)」



 執拗に両サイドを利用して攻めようという横浜アーザの思惑は、輝羅に見抜かれて通じない。



「中央から行けるぞ!」



 そこへ監督の声で中央が手薄な事に気付くと、上がって来たボランチにボールを預ける。



「(本当だ! 中央手薄で、これなら!)」



 シュートコースは空いており、充分にゴールを狙える。



 中盤でパスを繋ぐと、ミドルレンジから立見ゴールにシュートを飛ばす。




 バシッ



 相手の遠めから撃ってきたシュートを輝羅は正面でキャッチ。



「(まんまと撃ってくれて助かるねー)」



 思惑通りに来てくれたと思いながら、右足のパントキックで前線へ送る。




「(コース空いてて行けると思ったのに、正面かよ……!)」



 蹴った方としてはゴールマウスが広く空いて、狙っていた。



 体が小さい相手なので、普段より狙いやすいと錯覚していたが、それらは輝羅の狙い。



 人の心理状態を利用して、正面からのミドルシュートまで巧みに誘導させたのだ。



 その繰り返しで相手に本来得意なサイド攻撃をさせず、時間を潰していく。




「(あんまGKに負担かけんのは、DFとして駄目っしょ!)」



「うおっ!?」



 一夜がサイドから中央へのパスを読んで、何度もシュートはさせない。



「カウンター!」



 ボールを奪った直後に立見は速攻へ出て、一夜が大きく左サイドにパスを送ると後藤に渡り、相手の得意とするサイド攻撃を仕掛けていた。



 パスを受け取り、後藤は中央へ折り返すと水月に繋がる。



 横浜アーザが輝羅相手にミドルレンジから狙ったように、水月も右足を振り抜いてシュート。



 再びゴールネットが揺れ動き、カウンターが決まって立見に追加点が生まれた。




 立見3ー0横浜アーザ



 滝口2


 藤川1



 マン・オブ・ザ・マッチ


 滝口水月




 ☆



「──これが今の立見って訳か」



 クラブユース専用のグラウンドにて、タブレット画面を通して試合を目の当たりにしたのは、プレミアリーグの2位につける埼玉フォルテ。



 11節で立見と試合する事が決まり、選手達は相手のサッカーを観察して対策を考える。



「滝口水月って、埼玉フォルテのレジェンドで知られる滝口王牙さんの息子だよな? こっちには来なかったのか」



「息子も親と同じクラブに来るとは限らないだろ。ひょっとしたら、チームメイトになってたかもしれないけど」



 皆が水月の事を自分のクラブでレジェンドと知られる、滝口王牙の子供なのは皆が知っていた。



「で、中盤はこいつが特に要注意な訳か」



「ああ、テクニックに加えて親父譲りを思わせる力強さもあるからな」



 埼玉フォルテのユースチームを率いるのは、中盤の司令塔を務める東周太郎(あずま しゅうたろう)



 水月に劣らない長身と力強さを持ち、司令塔として優れてるのは勿論、中盤の競り合いを得意としている。



 東が水月を見る視線からは、やはり同じポジションで気になっているせいか。




「今年の立見は何より守備。というかGKだな。この小さいのが連続無失点を支えてると言っても過言じゃない」



「こいつ確かインターハイ予選も全試合フル出場だろ?」



「それでプレミアリーグもかよ。このチビ働き過ぎで大丈夫か?」



 東だけでなく、立見の守備はGKの輝羅が要となっているのは、チームの全員が分かっていた。



「バシバシとミドルからのシュートを取ってる辺り、あの位置からは蹴っても無駄だ。余程の好感触に加え、良いコースに飛ばない限り奪える可能性は低い」



 横浜アーザが頻繁に遠めからのシュートを狙ってるのが見えて、東は自分達は同じ事をしないと伝えれば、皆が頷く。




「あれこれ考えなくても、俺がキッチリ取ってやるから安心しろって」



 そこにベンチへ座る褐色肌の少年が口を開く。



「──自信ありそうだな。ジャレッグ」



 東は彼の方に視線を向けて目を合わせると、ジャレッグの方は自信に満ちた笑みを見せていた。




「当然だろ。俺はあいつからゴールを奪った事あるんだ」



 チームでただ1人のブラジル人で、エースストライカー。



 かつて輝羅の鉄壁の守りを破った事がある、サッカー王国の天才だ。

輝羅「滝口キャプテンってFW以上に点を取ってくれるね〜」


竜斗「自分で組み立ててゴールも出来たり、守備も良い……万能過ぎて羨ましいな」


影二「というか……次の試合、なんか色々手強そうなのいない……?」


輝羅「んー、楽とは行かない雰囲気は漂ってるねー」


竜斗「つか気になる奴が最後……!」


影二「そこは次回で……少し明らかになるのかな……?」


輝羅「僕からは言い難いね〜」

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