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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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誓う男女

「立見サッカー部、全国大会出場及び、予選優勝おめでとう!」



 立見高校の大型体育館にて、壇上で校長の幸が紙コップを掲げて乾杯の音頭をとる。



「間宮君、流石ね。準決勝だけじゃなく決勝も勝って東京王者に導くなんて」



「俺は何もしてないっすよ。あいつらの力によるもんですから」



 壇上から降りた幸が間宮に近づき、紙コップを軽く掲げた後で中身のグレープジュースを飲み干す。



 立見高校は準決勝が行われた翌日、決勝戦で桜王(さくらおう)学園と当たって、5ー0で一蹴していた。



 向こうが既に全国行きを決めて、メンバーを落としたせいもあるが。




「これはまた、凄いね……」



「体育館が……パーティー会場に……」



 影二と星夜の前には、体育館内に数々のドリンクや料理が置かれてるだけでなく、その場で料理人が調理してくれて出来立てを提供する光景があった。



 馴染みの中華料理店である飛翔龍が、わざわざ祝いの為に駆けつければ、立見と縁がある寿司屋も出張で来てくれている。



「食べ盛りの運動部の男女が揃ってるから、こうなったのかな?」



「……どっちにしても立見はやる事が大きくて凄い……」



 この場に来ている生徒は、男女の立見のサッカー部で男子からはインターハイ予選を突破した2軍。



 同じ時期に女子サッカー部も、東京予選を圧倒的な強さで優勝した事から、男子と共に合同の祝勝会が開かれたのだ。



 結果、此処までの規模になったらしい。




「(まぁ……彼が幸せそうだし、良いか……)」



 紙コップのオレンジジュースを飲み干した後、影二は2人の男女に視線を向ける。




「久しぶりに食べるお寿司は良いわぁ〜♪」



「トロやいくらに海老と美味しいのばかり〜♡」



 輝羅は千里と共に寿司を味わう。



 新鮮な魚介類と酢飯の数々の組み合わせに、2人は幸福の世界へと誘われていく。



 美味しい食べ物に目がない輝羅だが、千里も負けず劣らずらしく、食べる量も男子部員と張り合う程だ。



「今日は好きに食べて許される日だから、バンバン食べないと損だよー」



「六峰先輩達の優勝祝いですからねー♪」



「輝羅君達の優勝祝いでもあるでしょ? 君に関しては東京MVPにも選ばれたりと、GKで凄い事してるからね?」



 輝羅のいる男子サッカー部と千里の女子サッカー部が、インターハイ出場を決めただけでなく、東京の王者と女王の座を手にする。



 その立役者となった2人が、揃って寿司を幸せそうに食べる姿は注目を浴びる選手達には見えない。



 周囲の部員達から見れば、似た者同士の男女だ。




「──大変なのはこれから、だよね」



 一通りの寿司を味わい、飛翔龍の料理も堪能して千里は食後の麦茶を飲む。



 そこで先の事を話すと、デザートの杏仁豆腐を食べる輝羅の手が止まって、彼女の方を見る。



「1カ月ぐらい経てばインターハイの全国ですからね〜」



 互いに予選を勝ち抜いたので、7月の下旬に行われる夏の全国大会へ出場する事は確定。



 1ヶ月の間に全国へ向けて準備しなければならない。



「予選よりも日程が厳しい上に、夏の暑さもあって高校では一番過酷な大会だし。相手のサッカー以上に暑さ対策をしないと」



「水分補給だけじゃ足りなそうですねー。今年また暑くなるって流れてましたから」



 7月、8月ともなれば試合をする選手達にとって、最も厄介なのは暑さ。



 選手達は夏の日差しを浴びながらフィールドを走り回り、連戦を乗り越えなければならない。




「去年は2回戦で負けちゃったから、今度は最後まで行く」



 先程まで美味しく料理を食べていた時と、顔も雰囲気も変わって千里の表情は真剣そのもの。



 優勝を狙っている想いは、心を読むまでもなく分かる。



「選手権はベスト4行けたけど、結局負けて悔しい思いをしちゃったし。でも、今年は行ける予感がするんだ」



「行ける予感──ですか?」



 自分の超能力とは違う、予言出来る力が備わってるのかと輝羅は首を傾げた。




「輝羅君の男子サッカー部が勝ち続けると、あたしも不思議と力が出るの。負けてたまるか! とは違うタイプのね」



 勝ち続ける男子サッカー部への対抗心ではない。



 彼らの活躍を耳にしたり、見たりすると力がもらえている。



 そのせいか千里は予選で得点ランキングトップに輝き、大会MVPの座も獲得と、高校女子サッカー界の注目を浴びていた。



「つまり僕達がず〜っと勝ち続ければ、女子サッカー部も勝ち続けるって事ですかー」



「そんな不思議が何時まで続くか分からないけど、そうなれるように勿論頑張るつもりだよ」



 言葉通りに受け取れば、輝羅達が負けない限り千里達も負けない。



 だったら、やる事は一つだけだ。




「じゃあ千里先輩達が優勝出来るように、僕達も全国優勝します♪」



 輝羅は自分達が優勝して、女子サッカー部もそうなるように全国でも負けない事を明るい笑顔で誓う。



「いいね! 男女揃って優勝すれば皆喜ぶし。最高の1年になるじゃん♪」



 そう言ってくれる小さな後輩に向かって、千里も明るく微笑んだ。




「(はぁ〜……やっぱり六峰先輩の笑顔が良い……)」



 輝羅の内心では千里に対する想いが大きくなるばかりで、一緒に過ごしている内に、最初の時よりも強く惹かれていた。



 この笑顔を悲しみに染めたくないと。




 元から頂点しか見ていなかったが、此処に来て負けられない理由が2つ出来る。



 1つ目は千里を今年は負けさせない為。



 そして、2つ目は夏の戦いの全てが終わった後に、何も気にせず彼女と夏を過ごす為。




「(絶対に全国の連中、全員を完封でブッ潰そう……!)」



 ゴールだけでなく千里の笑顔も守ろうと、輝羅は改めて誓った後に残った杏仁豆腐を平らげる。

輝羅「はぁ〜……そろそろかなぁ」


星夜「何がだい?」


輝羅「六峰先輩から千里先輩に呼び方を変えても良いかなって。向こうは輝羅君って呼んでるからさー」


星夜「とりあえず、君は高校生活を存分に楽しんでるよね」


影二「輝羅って一度その人を好きになると……凄く夢中で一途なんだなぁ……次回は、プレミアリーグの戦い……!」


輝羅「邪魔する奴はどいたどいたー!」

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