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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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206/210

インターハイ東京予選準決勝 立見VS西園3

「思ったよりも、西園は司令塔の1年が躍動してんな」



 立見ベンチに座る間宮の目は、味方に声を掛ける西園の司令塔、海斗に向けられていた。



「ええ、確かに──」



「1年の社海斗は此処までゴールとアシストを順調に重ね、好調をキープし続けています。今の西園にとって、彼が要と言っても過言ではないかと」



 川田が発言しようとした時、ちゃっかり間宮の隣に座る理彩は割り込むように、海斗が活躍している事に関して話す。



「そうだなぁ。中盤には西園の1年を抑える為に頑張ってもらわねぇと」



「出来ると思います。2軍の彼らは立見でヤワな鍛え方はしていませんし、今日も立見に勝利をもたらしてくれるはずです」



 外から見れば立見の勝利を信じる女子マネージャーだが、内心では間宮の期待を裏切るなと、混沌としたオーラを漂わせる。




「……あの子、多分あれだよな?」



「……確定だよね?」



 間に入り込めない川田と翔馬のコーチ2人は、間宮の側に居る理彩の姿を見て、そういう感じなのかと思っていた。




『立見、右サイドから左へサイドチェンジ!』



 再び風野が右でボールを持つと、大きく逆サイドに蹴り出して相手を揺さぶる。



 玉石へ渡って左足で受けると、西園ゴール前に目が向く。



「(今日は高くより、低くかな!)」



 ゴール前には長身の柿田が居て、彼をマークするように大野が張り付く。



 玉石は低めを意識してから、相手の田中が迫りながらも左足のクロスを送っていた。



『左からのクロス! 大野が飛び込んで弾く!』



 人の胸辺りに飛ぶボールに対して、頭から飛び込むダイビングヘッドのクリア。



 転がった球を青松が取ると、再び西園ゴール前へパスを出す。



 高く上がったボールが星夜に向かうも、岩坂が飛び出しからパンチングで弾き出した。



『古神に上がった球を岩坂、パンチングでクリア! タッチラインに逃れて流れを一度断ち切る!』



『此処は岩坂君、立見の攻撃を上手く切ってきましたね。大野君も体を投げ出す良い守備を見せたりと、ゴール前は相当堅いですよ』




「(大野って人も柿田先輩に負けないぐらい背が高い上、ジャンプ力あるから今回は頭で繋げるの難しそうだなぁ)」



 立見ゴールマウスから向こうの攻防戦を見ていた輝羅は、西園のゴール前が堅く、2軍の皆は繋ぐのが苦労しそうだと思って眺める。



 立見と同じく、此処まで無失点で勝ち上がった守備力を発揮してきた。



「(高良川先輩と星夜辺りが上手く裏に抜け出して、一対一に持ち込んで決めてくれれば……後は守れる)」



 1点取って1ー0での逃げ切りを頭で思い描く。



「中央! 5番来てるよー!」



 味方の攻撃陣が奮闘してくれる事を願って、輝羅は声を出し続けた。




「向こう、相当DFとGKの間が空いてるぞ」



 タッチラインからボールが出て、ゲームが止まると和泉は海斗に駆け寄り、立見の3バックが高いラインを保ってる事を伝える。



「基本的に立見の守備はハイラインですね。前が攻撃的なら後ろも同じで、全然引きませんよ」



 相手のDFラインが高い事は海斗も気付き、彼の視線は立見のゴールマウスに向く。



「GKの飛び出しが速くて、広い守備範囲でカバーしてきますから」



 輝羅が前の方でポジションをとっている姿が見えて、いざという時は飛び出せるようにしていた。



「上手く一対一に持ち込んで釣らせてぇな。そんでポーンと浮かせてのゴールとか行けそうだろ」



「(そんな甘い相手でもないですけどね……)」



 前に出てきた所をチップキックで仕留める。



 そんな得点を頭で思い描いている和泉だが、輝羅と戦ってチームメイトにもなった海斗は知っている。



 あの小さな守護神が、どれだけ化け物なのかを。




『玉石のクロス! 大野が弾き返し、西園がボールをクリア! 小池が取って速攻に出る!』



 立見が先制点を取ろうと攻めるも、西園DFに跳ね返されてボールを拾われると、反撃を受けてしまう。



「ディレイ!」



 高良川が攻撃を遅らせろと叫び、西園のカウンターを止めようとするが、左サイドから攻め上がる相手は止まらない。



 海斗の足元にボールが収まると、迫って来た風野を躱して右側へ抜ける。



「(此処は……!)」



 視線の先にはDFを背負う和泉の姿が見えて、後ろには広くスペースが空いていた。



「(パス狙うか!?)」



 和泉のマークにつく木村から、自分達を見ている和泉の目と目が合う。



 だが、それは目線によるフェイント。



 海斗の左足からは、右のFWを狙ったスルーパスが蹴り出される。



「9番ー!」



 同時に輝羅の叫ぶ声がして、海斗の出したボールが空いてるスペースの右側に飛ぶと、上原が立見DFの裏を抜ける姿があった。



 上手く行ったと思った時──。




「オラァ!!」



 ガンッ



「あぐっ!?」



 反転して追いかけて来た理勝が、左から肩で強く当てれば上原は衝撃で足が止まってしまう。



 一度は足元に収めたボールが離れ、理勝の足が伸びて輝羅にバックパス。



 左足でダイレクトに大きく蹴り出して、立見は海斗のスルーパスを通さない。



『一対一になりかけましたが、牙崎のカバーで此処は立見助かりました!』



『相手のスルーパスにすぐ反転して、追いかけましたね。通ったら大ピンチでしたから牙崎君、良い守備です』




「(今のが通らないか。ガラの悪そうなDFだけど、勘の良い奴みたいだな)」



 輝羅を知っている海斗だが、気付いていなかった。



 彼が心を読めるサイキッカーだという事には。




「外から狙え!」



 西園の監督が前に出て輝羅のポジションを見れば、遠めからのシュートを狙うようにと叫ぶ。



 あれだけ前に出ているなら、遠めからのシュートが有効だろうと。



「(まさかの監督さんから先に釣られてくれたね〜♪)」



 相手の指揮官の心を把握している輝羅は、内心ニヤリと笑う。




『田中、シュート狙った!』



 バシッ



 小柄なキーパーの頭上を超えるボールが飛ぶと、輝羅は正面に立って垂直で跳躍。



 両手を伸ばして難なく掴み取る。




『上がって来た松石、右足一閃!』



 バシィッ



 遠めから左隅を狙うシュートへ、瞬時にサイドステップからのダイブで飛び込み、ボールを受け止めた。



 2回続けて西園に遠めからのシュートを許すも、輝羅の腕の中に収まって得点は許さない。



『試合は西園に傾いて来たか? シュート数を重ねていってる!』



『遠めですが、あまり数多くは撃たせたくないものですね』





「野球でピッチャーが打たせてフライを取らせるってのはあるけど、あれも何か似てんな」



 一見すれば西園がシュート出来て、立見を押している試合展開に見える。



 ただ、間宮には彼らが遠めから、わざと撃たせていると感じていた。



「シュートは許さないに越した事はありませんが……遠めとはいえ危険なのでは?」



 理彩は守備が中盤で、もっと寄せてシュートを阻止するべきと意見。



「どうだろうな。とりあえず任せてみようか」



 シュートを受け続ける輝羅の顔が、気の所為か余裕そうに見える。



 何本も飛んで来ようが、どうって事ないと言ってるかのように。

輝羅「よく動いてくれて助かりますね牙崎先輩〜♪」


牙崎「俺の判断だからな。てめぇの思い通り動いてやってんじゃねぇぞ?」


輝羅「誰も言いなりの人形とか思ってませんからー」


星夜「牙崎先輩、まさかのツンデレ説あるかもしれないよ……?」


影二「……聞こえたら暴れそうで怖いから静かに……次回、輝羅の策が……!?」


輝羅「さぁ、どう狂わせようか?」

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