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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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204/210

インターハイ東京予選準決勝 立見VS西園

 立見の2軍で編成したチームで挑む、インターハイの東京予選。



 大会は東京代表の決まる準決勝を迎えて、この試合で勝利したチームが全国出場となる。



 そのせいか、準決勝の会場は開始前から異様な雰囲気に包まれていた。




「いよいよ……高校の全国大会出場が決まるのか」



「何、竜斗? こっちが戦う訳じゃないのに緊張してるような顔しちゃってさ〜」



 スタンドには観客の他に両校の応援団が居て、その中に大勢の部員達に混じり、竜斗と影丸の姿も見える。



 彼らも応援と2軍や西園のサッカーを参考にしようと、見に来ていた。



「そりゃあ、まぁ……俺らと同じ1年の奴らが挑むし。あいつら頑張って勝ってほしいなって」



「勝つでしょ〜。逆に負ける所が想像出来ないぐらいだって〜」



 準決勝の試合がどうなるのか、落ち着かない様子の竜斗に対して影丸の方はマイペースで、欠伸までする程に落ち着いている。



「つか、海斗の奴が西園に居るとか聞いてなかったな……」



「仲の良いマネージャーの子が行くって聞いたから、それで彼も入学したそうだよ〜」



「彼女にくっついて行ったのかよ」



 影丸は海斗の事情を知っているらしく、彼と付き合うマネージャーの八乙女美怜が西園に行くとなって、それで道を決めたという。



「海斗が加わったから、総合力の高い西園がまた強くなったし。どうなっちゃうかな〜」



「どうなるも何も、立見には勝ってもらうしかねぇだろ」



 2人が話している間、スタジアムの外では立見選手を乗せたバスが到着する。





「準決勝となると、大会側も良いスタジアムを用意してくれるもんだねー」



 スタジアムに到着した立見は、ウォーミングアップの為にフィールドへ出てきて、各自が軽く体を動かし始める。



 輝羅の方はインターハイを戦った予選で、最も大きな会場を眺めていた。



「そりゃあ全国出場の懸かる準決勝だ。これくらいの会場でやる方が盛り上がるだろ?」



 そこに背後から聞き覚えのある男子の声が耳に入り、輝羅は振り向く。



「当たり前のように双子揃っていたのが、お前1人ってのは新鮮に見えるもんだな輝羅?」



「やあ海斗。元気そうだね〜」



 去年のイギリス遠征以来となる海斗との再会。



 久々に見れば、以前よりも逞しくなっているように見えた。



「ちょっと筋肉量が増えた〜?」



「イギリス遠征の時に相手とのフィジカル差を思い知って以来、筋トレを増やしてるんだよ。ああいう連中に競り負けない為にな」



「へー、今日の試合じゃ前より手強い海斗になっちゃうんだねー」



 海外での試合を経験して、海斗は自分のフィジカルが弱かった事を痛感したらしく、あれから弱点を埋める為に頑張ってるようだ。



「お前の方は大丈夫か? 与一がいない上に学校での毎日の授業に苦労してるって聞いたぞ」



「何処から聞いたのさ〜」



 勉強に苦しめられている事が、なぜか他校の海斗に知られて少し恥ずかしくなってくる。



「影丸の奴が色々と話してくれたもんでね」



「も〜、呑気に寝てばっかりかと思ったら……影ちゃんのお喋りめ〜」



 スタンドに居るであろう、影丸から立見での学校事情を言われて、意外とお喋りな所があるのを初めて知った。



 迂闊に彼へ内緒話をするのは、控えた方が良いかもしれない。




「──このインターハイだけじゃなく、プレミアリーグも毎試合出てるそうじゃないか」



「メンバー選ばれたからねー。それも聞いたの?」



「いや、立見について調べれば自然と分かる事だからさ」



 輝羅が両方の大会に出て活躍しているのは、高校サッカー界に広まりつつあって、大抵が知る事実だ。



 神明寺の名もある為、早めに噂されたのだろう。



「そこまでは俺も行ってないのに、早過ぎだろ」



 西園高校はプリンスリーグの方を戦い、海斗は輝羅と違ってインターハイ予選の試合のみ。



 同年代で既に高校最高峰のリーグ戦へ出る、彼を心底凄いと思った。



「行くだけじゃ終わんないよ。優勝も狙ってるから、完封の全勝を目指さないとね」



 プレミアリーグの首位は東京アウラが独走して、2位に鹿島ブレイバーズが続く現状。



 優勝を目指すなら、此処から立見は1試合も落とせない。




「随分と強気な事を言いまくるな。流石はビッグマウスでお馴染みの神明寺だ」



 輝羅の背後から大きな影が現れ、振り向けば立っているのは、西園の守護神でキャプテンでもある岩坂弘樹。



 190cmを超える長身が、同じポジションの輝羅を見下ろす。



「岩坂さん初めまして。今日はよろしくお願いしまーす♪」



 3年の先輩である岩坂に、輝羅は頭を下げて明るく挨拶した。



「神明寺輝羅、お前の事は知ってるぞ。去年の中学で派手に活躍してたってな」



「あ、僕の事って高校の皆さんにも広まってるんですねー。名声が高くなって浮かれちゃいそうかも♪」



 高校サッカー界にも自分の名が広まっている事に、輝羅は満面の笑みを浮かべ、その顔は高校生には見えない。




「お前、自分の活躍に最強と思ってるだろ」



 岩坂の顔は険しく、同じポジションの輝羅をライバル視している。



 それは彼の心にも強く出ていた。



「何時までも自分が最強、No.1だと思ってるなら教えてやるよ。更に上の世界をな」



 言い放った後、岩坂はアップに戻っていく。



「結構ギラついた人だなぁ〜」



「岩坂先輩、お前の活躍を聞いて対抗意識を持ってるんだよ。あれは何時もより張り切ってる」



「嫌われるような事をしたかと思ったよ〜。睨まれてたし〜」



 海斗から岩坂の話を聞いた後、輝羅は去っていく彼の広い背中に目を向ける。



 西園を調べてる中で、岩坂が関東No.1キーパーというのを知って、彼は最強の座に拘っているのが話して分かった。



「じゃあ、俺もそろそろ……代表のよしみでも手加減しないぞ」



「分かってるって。また後でねー♪」



 限られたアップの時間で、何時までも喋ってる場合ではない。



 輝羅と海斗は別れて、準決勝に向けての準備を進める。





『インターハイ東京予選の準決勝。この試合で2つある東京代表の内1つが確定します。それを争うのは立見高校と西園高校!』



『どちらも相手を寄せ付けずに勝ち続け、それも両者無失点ですからね。今日は攻撃陣のゴールが特に大事となりそうですよ』



 スタンドからの歓声は本戦を思わせるような盛り上がりで、両校の応援合戦が始まっている。



 立見、西園の2校が歓声を浴びながら縦の一列となって、フィールドへ入場。




「今日の試合、相手はガンガン前に出て来ますよー」



 円陣を組む時に輝羅は西園が攻撃的に来ると、皆へ伝えていた。



「何時も思うが……何を思ってそう言ってるんだ?」



「勘です♪」



 柿田から根拠を聞かれれば、心を読んだと言わずに勘だと言い切る。



「まぁ、その勘に助けられてるからね。この試合でも当たってる事を願うよ」



 輝羅が人の心を読める事など露知らず、高良川は恒例の儀式を行う。




「立見GO!!」



「「イェー!!」」



 掛け声の後で立見の円陣は解かれ、各自がポジションへ向かう。




「さぁさぁ、立ち上がり今日も集中ねー!」



 立見のゴールマウスから皆へ声を掛ける中、輝羅の考えている事は1つ。



 立ち塞がる西園を踏み台にして次へ進む。

輝羅「2人も挨拶すれば良かったのにー」


星夜「流石に大事な準決勝だから集中してて、そんな暇は無かったよ」


影二「……それどころじゃない……」


輝羅「というか僕、喧嘩売られたなぁ〜」


星夜「同じGKだから、その人が輝羅の活躍を強く意識したんだろうね」


影二「次回……守護神同士の対決でもある準決勝で攻防戦……!」


輝羅「とりあえず点はやれないよねー」

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