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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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甘い時間の後に交わされる約束

 電車に乗って2人の住まいである桜見まで戻ると、千里は輝羅を連れて駅前の喫茶店に来ていた。



「此処のケーキが美味しくてね。あたしのお気に入りなんだー」



「へぇ〜、美味しいケーキは楽しみですね〜♪」



 夕方の店内には他校の女子生徒の姿が見えて、学生や若者を中心に訪れている。



 お茶を楽しみ、SNSに上げる写真を撮ったりと、それぞれが楽しんでいた。



「好きなケーキ1個頼んで良いからね? これがあるからさ」



 そう言って千里が見せたのは、此処の喫茶店のケーキ無料券。



「良いんですか? 此処で使っちゃっても」



「むしろ今日じゃないといけないし、条件も1人じゃ無理だったの」



 見せられた無料券を輝羅がよく見ると、そこには有効期限が今日までと表示され、更に男女での来店時のみという条件。



 女友達ではなく、輝羅の方を誘った理由が判明した。



「練習が終わって荷物入れてたら、これ持ってるのをすっかり忘れちゃってね。無駄にしたくないし、輝羅君って甘い物好きだよね?」



「一日中、甘い物のメニューで良いってぐらい好きです♪」



 甘党だと彼女へアピールするように、輝羅は笑顔で言い切ってみせる。




「練習終わりのケーキって良い〜♡」



 輝羅は紅茶と共にチョコレートケーキを味わい、上品な甘さが練習後の体に染み渡り、癒しとなっていく。



「んん〜、タダ券の事を思い出して良かった〜♡」



 千里も甘党らしく、ミルクレープを輝羅と同じように幸せそうに味わう。



 片方は女子サッカー部のエースで天才ストライカーと言われ、もう片方は日本の小さな巨人を父に持つ天才サッカープレーヤー。



 それがケーキを幸せそうに味わう2人なのは、誰も思いそうになく、どう見ても放課後のお茶を楽しむ学生達だ。




「はぁ〜、美味しく味わえました♪」



 紅茶を飲む輝羅は幸福感に浸り、千里に感謝して笑顔を向ける。



「こちらこそ。あたし1人だったら食べられなかったし、美味しく食べられる人と一緒に居て、何時もより美味しかったからね」



 同じ紅茶を飲んで千里も微笑んで返す。



「今年は後輩も出来て色々と大変で、息抜きの暇も無かったんだ」



「去年は立見女子サッカー部として大躍進で、全国でも注目されるようになりましたよねー」



「おかげで優秀な子が沢山入ったけど、先輩として教える事が多くてねぇ」



 立見では女帝と言われている千里だが、彼女は苦労している様子。



 その愚痴を聞く役目に輝羅は徹する。



「とりあえず一人一人の名前は正確に覚えるように、心がけてるんだ。間違えたら失礼でしょ?」



「そういえば六峰先輩、男子サッカー部の人達も名前覚えてますよねー。凄い記憶力で羨ましいです♪」



「サッカー関連はね。勉強の方も同じぐらい良かったら良いけど、そんな甘くなくてさぁ〜」



 サッカーに関しての記憶力は優れているが、それ以外だと発揮はされない。



「本当、勉強は大変ですよ〜……外国語だけやってほしいって思ってますから〜」



「そこの1教科だけは輝羅君、成績凄いよね。もうちょっと他も頑張らなきゃいけないけど」



「耳が痛いです〜」



 勉強は苦手で、ほぼ毎日の授業が輝羅にはサッカーより大変な戦場。



 赤点になれば部活禁止となるので、避ける為に頑張るしかないが。



「勉強なら見てあげるよ? いっつも大変そうで、授業終わりとか部活より疲れ果ててるみたいだし」



「え、良いんですか?」



「勿論。そんな辛い様子を見たら、流石に放ってはおけないって」



 千里から勉強を見てもらうと、まさかの申し出に輝羅は勉強の話題だったせいか、暗めな顔を明るくさせる。



 苦手とする分野だが、千里が教えてくれるとなれば辛さは和らぎ、地獄から一気に天国へと変わるかもしれない。




「じゃあ、その時は輝羅君の家に行ってみてもいい?」



「っ!?」



 突然、千里から予想していなかった事を言われて、輝羅は飲んでいた紅茶を噴き出しそうになってしまう。



「ほら、前に話してたじゃない。家は石段を上がった高い所にあって、道場付きの一軒家だってさ」



「あ、ああ……そうですね……」



 変な意味は無いと理解しているが、それでも輝羅は千里と話しながらも、心臓の鼓動が大きくなる。



「どんな所なんだろうって、ず〜っと興味あったから勉強を見る機会に家も見てみたいと思ったけど……迷惑かな?」



「いや、全然! 妹とか会いたがってましたし、もう大歓迎ですから六峰先輩ならー♪」



 家に来ると聞いて、輝羅は胸が高鳴ると共に舞い上がっていた。



 家に来る事は当分無いと思っていたが、まさかの向こうから申し出てきて、断る理由など何も無い。



 無論、呼ぶのであれば母である輝咲の許可が必要になる為、その前に家族の間で話し合いは必須だ。



「まぁ、今すぐは無理だよね。お互いにインターハイ予選あって、それに勝ったら全国出場でもっと忙しくなっちゃうし。行くとしたら夏休みになりそうかな?」



「あ〜……そうなっちゃいますよね……」



 今の立見の男女サッカー部は、揃って全国出場を目指す大事な時期。



 勝てば更に過酷な夏の大会が待っているので、今はサッカーの方が最優先となってくるだろう。



「じゃあ、お互い全国優勝した後で勉強やろっか」



 千里は今戦っている予選だけでなく、全国でも負ける気がないのか、強気に優勝を口にしていた。



 彼女は去年、全国大会まで進んだが決勝を前に負けてしまったせいか、今年こそはという想いが強い。



「はい、約束します♪」



 それは輝羅も同じで、インターハイの全国制覇は狙っている。



 必ず優勝すると笑顔で彼女へ誓った後、カップに僅かに残った紅茶を飲み干す。




「(こうなると準決勝なんかで負けてる場合じゃないよね。東京も全国も全部勝って、すっきり勉強したいから)」



 インターハイの本戦出場の懸かった大一番を控え、また余計に負けられない理由が1つ出来た。



 輝羅は西園高校だけでなく、先に居る全国の強豪達、全て倒す事を改めて決意する。



「(全員、完封でブッ潰す)」



 彼らには夏の楽しいイベントの為に、踏み台として散ってもらう。



 己が持つ力の全てをフル活用してでも。

輝羅「高校生活が楽しくなってきた〜♪」


竜斗「マジで恋愛の方へ傾いてきたな」


影二「……輝羅も普通に男子だった……」


竜斗「中学の時の輝羅と本当に同一人物か? あの妹大好きな奴が……!」


影二「人間変わるもの……次回、西園高校との全国出場を懸けた試合が始まる……!」


輝羅「あ、今も神奈は大切で大好きだからねー!?」

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