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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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201/210

攻撃サッカーを封じ込める

「相変わらず、あいつら貫いてんなぁ」



「10年以上同じスタイルを貫いて東京上位に居るのは、もう天晴ですよね」



 立見ベンチで見守る監督とコーチ2人は、相手の音村学院を以前から知っている。



「予選の得点が完成度を証明してますし、前より手強いでしょうから。簡単には次へ行けなさそうですね」



 現状では音村の方がボール支配率は高く、あまり立見が攻められない展開は続いていた。



 自分の覚えている限り、翔馬は過去に戦った時よりも相手が強く映る。



「此処は我慢の時か……」



 間宮の視線の先には立見ゴール前で、輝羅の姿が見えた。




「左行くよー!」



 右サイドから攻め込んできた音村は、大きく左へ蹴ってサイドチェンジを行う。



 輝羅の声に反応した理勝は、サイドへ向かう球に迫ると頭で弾き返し、タッチラインに逃れて一旦流れを切る。



「皆よく守れてるからねー! 東京屈指の攻撃力に得点許してない守備は凄いよー!」



 プレーが止まってる間に輝羅は守備陣に声を掛け、皆が凄いと笑顔で伝えた。




「俺ら結構やれてるよな?」



「ああ、数字見て凄いと思ったけど……そんな言う程の攻めは来てないし」



 段々その気になってきたのか、3バックの木村と深山は自分達で音村を完封出来そうと、手応えを感じる。



「(あのガキ、声掛けが上手いもんだな……人の背中をガンガン押してきやがる)」



 その2人を見ていた理勝は、輝羅のコーチングが人を上手く乗せていると、同じDFの2人を見ていて思えた。




「(完封に向けても並々ならねぇもんを感じたりと、色んな顔を持ってんな)」



 立見の守備を支える1人として、攻撃力の高い音村を封じ込めに理勝も走る。





「(何がどうなってるんだ……!!)」



 攻撃だけでなく守備でも走り、汗が滴り落ちる程まで頑張ってきた。



 姫島が睨みつけるように電光掲示板へ目をやると、そこには0ー0というスコアの表示が嫌でも見える。



「(結構枠内にシュートを叩き込んだはずなのに、何で点が取れないんだよ!?)」



 何本もミドルやロングレンジから狙って、シュート数を増やしているが、0から1にすら動かす事が出来ない。



 こんな事は音村の今までの試合で、あり得ない出来事だ。



「(ヘディングで狙おうにも、ヤンキーっぽいDFが邪魔してくるし……!)」



 輝羅が手を出せないであろう、ゴール前のハイボールも当然狙った。



 結果は立見DFの理勝を中心とした守備陣が、高いクロスを弾き返してくるので、ヘディングを狙う事ができない。




「(ええいくそ! 落ち着け! 守備の良いチームは失点すりゃ一気にガタつくもんだ!)」



 心は荒れながらも、己を落ち着かせようと姫島は諦めずにゴールを狙い続ける。



「(良い感じで乱れてくれてるなぁ。この調子なら崩れるのも時間の問題かな?)」



 相手の心理状態が分かり、乱れてきた心が見えて勝利を確信したか。



 輝羅はニヤリと笑みを浮かべていた。




「流石に落ちてきたか」



 試合開始から結構な時間が経過して、静観する間宮の前には音村陣地へ攻め込む、立見の姿が見える。



「最初と比べたら、シュートやクロスを入れる数が明らかに減ってますね」



 相手は前半から縦横無尽に走ったが、途中から運動量が落ちてしまう。



 川田から見ても分かりやすく大人しくなり、最初の波状攻撃を守り切ったせいか、効いているのかもしれない。



「今まで何点も取ってきたからな。長く攻めても取れなくて、リズムが狂い始めたんだろ」



 相手は崩れ始めている。



 間宮が指示を出す前に、立見の選手達は攻撃を開始していた。




「相手バテバテだよー! もう何も怖くないからー!」



 音村の選手達は動きが重くなってきて、序盤に怒涛の攻撃を仕掛けた面影は感じられない。



 明らかに疲れが見え始めている相手を見ると、輝羅は今が攻め時とばかりに声を出す。



「(舐めんな!)」



 その中で奮闘する姫島が、左サイドを走る玉石に向かって肩同士をぶつける。



「うぐ!?」



 右肩から伝わる強い衝撃に顔を歪めてしまい、クロスを上げる事が出来ない。



「戻せ!」



 高良川の指示が飛び出すと、玉石は左踵でバックパス。



 ボールを受け取ったのは、最終ラインから上がって来た理勝。



 相手の攻撃が止まってきたせいか、此処に来て攻撃参加してくる。



「マーク離すな!」



 音村GKは理勝からゴール前を狙って、ロングパスが飛び出すと見たらしく、3トップを警戒するよう指示を出す。




 それを嘲笑うかのように、理勝の右足が振り抜かれると、剛球と化したシュートが音村ゴールを強襲。



「うおっ!?」



 予想以上に勢い良く伸びてきたボールに、GKは飛びついて両手を伸ばすが、彼の手を通過してゴールネットを大きく揺れ動かした。



「っし!」



 準決勝への切符をたぐり寄せる先制点が決まり、右拳を握り締める理勝の元へ、多くのチームメイトが駆け寄っていく。



「凄いシュートじゃないか牙崎!」



「パワー半端ねぇだろー!」



「どうって事ねぇっすよ」



 チームに合流してから数週間が経つと、打ち解ける者は増えていた。



 これでも見た目の怖さの影響で、最初は馴染めていなかったが、皆慣れてきたらしい。




 そこからは攻撃重視の2軍チームが本領発揮。



 理勝の先制ゴールが切っ掛けとなり、高良川のポストから星夜に繋がって左足で追加点。



 更に星夜から高良川へラストパスが通れば、相手DFを振り切って、GKとの一対一を確実に決める。



 リードは広がるばかりで、攻撃自慢の音村はシュートする事が出来なくなっていた。




「(くそぉ……! 何でこんな差がつくんだよ……!?)」



 1点を取り返すどころか、時間が経つごとにチームの背負うビハインドが増える一方。



 此処まで立見と実力差があるのかと、姫島は自身にも疲労が迫りくる中で、立見ゴールを見据える。



 せめて1点。



 小さいGKを一度でも打ち破りたい。



 その思いが姫島を突き動かすと、重くなってきた足を再び動かし、ゴールを目指して走り出す。



「寄越せぇ!」



 ボールを持つ味方選手に向かってパスを要求。



 姫島からの声に左サイドからスルーパスが出されると、立見DFの裏へ抜け出した。



 今度こそGKと一対一でチャンス──。




「(残念ー!)」



「!?」



 スルーパスに反応して動き出していたのは輝羅で、姫島が到達するよりも先に左足でクリア。



「(畜生……!!)」



 決定的なチャンスを逃してしまい、姫島の方はガクッと肩を落とす。




「(意地の1点も取らす訳には行かないんだよね。ま、諦めといてよ)」



 相手の心が折れた事が輝羅には伝わってきた。



 音村の反撃を一切許さず、東京屈指の攻撃力を完全に封じ込め、立見は無失点のまま試合終了の笛を聞く。




「今日は牙崎先輩ヒーローですねー♪」



「ガラじゃねぇだろ。俺みたいな野郎が」



 ロッカールームに戻ってきた選手達が勝利を喜ぶ中、輝羅は理勝の活躍を陽気に笑って称えた。



 ハイボールに対する守備に加え、今日は貴重な先制点を決めたので、勝利の切っ掛けと言っても過言ではない。



「向こうの試合も今終わったみたいで、準決勝の相手が決まりました」



 理彩がスマホで確認していると、同じ時刻に行われた試合が終わって、その勝者が準決勝で立見と全国出場を争う。



「優勝候補の西久保寺を破って、西園高校が準決勝進出です」




「(あー、あの偵察していた……戦うんだね結局)」



 西園高校と聞けば、輝羅の中で思い起こされるのは偵察されていた事。



 ようやく彼らのデータが明らかになる。




 立見4ー0音村



 牙崎


 古神


 高良川


 玉石

輝羅「流石に偵察してた人が何者なのか、もう聞けるよねー?」


星夜「それはそうだろう。次に当たる相手なんだから、むしろ聞かないと駄目だよ」


影二「優勝候補破って準決勝まで来たから……もう既に強い事が確定……」


輝羅「此処まで来たら弱いチームなんかいないでしょー」


星夜「東京は高校サッカーの激戦区と言われてるからね。名門校も多いし」


影二「その西園も名門校……次回は彼らについて調べる……」


輝羅「どんなチームなんだろうねー?」

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