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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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199/221

偵察される立場

 東京インターハイ予選の3回戦、立見高校と川木西(かわきにし)高校の試合が行われる。



「今年の立見は例年と違うって聞くから、よーく見ておかないとな」



 両チームの戦いに注目して、視線を向ける者達。



 彼らは西園(にしぞの)高校のサッカー部で、今日の試合へ偵察に来ていた。



 西園高校は高校サッカーにおいて名門校と言われ、かつては東京を制した実績を持つ。



 優勝候補の一角としての実力を誇り、彼らも此処まで勝ち上がっている。



「あれだろ? 神明寺輝羅が入って、やたら注目集めてるし」



 西園の部員達が目を向ける先には、今日も立見のゴールマウスに立って指示を出す輝羅の姿。




「右走ってー!」



 ゴール前に立つ姿は小さな1年とは思えず、堂々と守護神の役目を務めている。




「元々は双子の片割れ、神明寺与一と一緒のチームに居る事が多かったよな?」



「イタリアに居た頃からそうだったらしいけど、高校からは別々になったか」



「あっちはイギリスの名門チームに入って、神の子と言われるノアと一緒にいるんだろ? 信じられないって」



 輝羅に関する情報は、彼や神明寺という名が有名なせいか、すぐに集める事が出来ていた。



「で、中学では1年だけ桜見に入ってチームを全国制覇に導いている……」



「それも予選から全試合無失点だろ? 凄過ぎるって」



「全国決勝でPKを全部止めたりした時は、人間じゃねぇって思ったわ」



 イタリア時代の事や中学時代の事と、知れば知る程に凄さが際立っていく。



「そこから日本代表として、ノアのイングランドを倒したって聞いた時はマジか!? ってなったよ」



「世代最強って言われてたもんな。年下だけどノアのプレー見て、化け物とか思ってたけど」



「つかキーパーだけじゃなく、フィールドも行けて上手いって何でも有りかよ」



 語ればキリがない程の活躍をしている輝羅達、神明寺兄弟の凄さを中心に語っている間、立見の試合は進んでいく。




「任せろー!」



 威勢の良い声がフィールドに轟くと、空を舞うボールに向かって理勝が跳躍。



 地面を強く蹴って、同じように跳んで来た相手選手の高さを超えれば、頭で弾き返す。



「(ラッキー!)」



 理勝のヘディングで跳ね返したボールは、川木西の選手に向かって転がる。



「うわっ!?」



 幸運だと思って拾いに行くと、音も無く忍び寄っていた影二の方が相手よりも先に拾って、ボールをキープした。




「立見のDFは1人、結構フィジカル強い奴が居るな」



「あの柄悪そうな不良だろ? あんな奴は去年までの立見にはいなかったから新顔か」



 西園の偵察は輝羅だけでなく、他の要注意選手を下がる為にフィールドへ目を向ける。



「あいつのゾーンにハイボールは放り込めないな。さっきから高い球には勝ち続けてるし」



 彼らの中で立見のDFは理勝が要だと、プレーを見て印象が強くなっていく。



「さっきから結構セカンドを拾い続けてんな14番」



「よっぽど勘が鋭いのか。それとも運に恵まれてるのか。どっちにしても、拾われて攻撃を断ち切られるのは厄介だ」



 地道に弾かれたり、転がっていく球を追って拾う事を繰り返す影二にも西園の目が止まる。



「確か、あいつも神明寺兄弟と共に代表選ばれてるよな。中学の桜見でもチームメイトだったし」



「そんな凄そうには見えないが……まぁ、警戒するに越した事はないか」



 体が大きくなくて目立たない影二を見れば、一応気に留めておく程度にして、他の選手達へ目を向ける。




「空いてるぞー!」



 左サイドの玉石は右手を上げて、パスを要求。



 中盤で川木西の寄せを速いショートパスで躱すと、彼の希望通りに柿田から左サイドへボールを送る。



 相手の守備が中央へ寄っている為、サイドが手薄となったので、玉石は隙を突いてドリブルで左から前進。



 川木西のゴール前まで迫り、相手が寄せて来る前に左足のクロスが蹴られた。




「!?」



 速くて低い球は高良川の前を通り過ぎてしまい、エースに合わせるのかと思ったDFは、スルーに惑わされる。



 直後にグラウンダーのボールへ飛び込んでいったのは、立見の1年ルーキーこと星夜だ。



 飛んでくる球に右足で合わせると、球が勢いよく川木西ゴールに加速して向かう。



 GKが飛びつく暇も与えず、星夜のボレーシュートは大きくゴールネットを揺らした。




「高良川と柿田って去年の予選で少し出てたよな?」



「ああ、2人はゴール決めてたんだったか」



 立見の去年について、観戦している中で西園の部員達はスマホで資料を調べる。



「高良川の足元の技術と柿田の高さ。あれは結構厄介だけど、そこに1年の古神……」



「あいつ過去に神童って言われてた奴だろ? 代表の遠征でも活躍してたし、凄いのが立見に入って来たもんだ」



 星夜についても経歴は調べ、彼が優れた選手である事を知っていく。



 3人による3トップは攻撃力があって、それを物語るように川木西から既に4点を取っている。



 この試合も立見の勝利で、次へ駒を進めるのは間違いないだろう。




「(偵察ねぇ〜。それだけ立見が有名で警戒されてるって訳か)」



 西園高校が偵察に来ている事を輝羅は最初から気付いている。



 どんな高校なのかは知らないが、偵察なら好きに見せておいて何も問題は無い。



「取るよー!」



 3バックとGKの間に、広く空いたスペースにボールが転がっていき、相手選手が迫って来た。



 それよりも速く輝羅はゴール前から飛び出すと、追いつかれる前に右足のクリアで遠ざける。



 インターハイ予選だけでなく、プレミアリーグも戦う過酷な日程の影響を感じさせず、今日もゴールを守り抜く。





「準々決勝に行けるー♪」



 試合は立見が川木西を寄せ付けないまま勝利で終わり、選手達はロッカールームに引き上げていた。



 ベスト8に勝ち上がる事が確定すれば、輝羅は今日も完封による勝利の余韻へと浸る。



「このまま行けば準々決勝は音村学院となりそうです」



 理彩がスマホで立見と次に戦う、対戦校の試合をチェックすると音村学院が5ー1で大きくリード。



 次に戦う相手と見て、ほぼ間違い無さそうだ。




「そういえば、西園高校ってどんなチームですかー?」



「西園? ああ、そういやスタンドに居たな」



「うちと当たるなら準決勝だってのに、気の早い連中だ」



 偵察に来ていた高校が、どんなチームなのか輝羅が聞くと高良川、柿田は目の前の試合に集中していて、



「──今は音村学院の方へ集中しなさい。戦う事が確定してないチームに目を向ける事は良くないですよ」



「はーい」



 理彩は厳しい目つきで睨むように見て、目の前の相手だけを見ろと注意する。



 偵察していた高校を知るなら倒す必要があると、輝羅は次の獲物である相手に目を向けた。




 立見6ー0川木西



 古神2


 高良川1


 柿田1


 風野1


 坂田1



 マン・オブ・ザ・マッチ

 古神星夜

輝羅「研究されてるなぁ〜」


星夜「それだけ強いって証拠だよ。マークされない方がおかしいぐらいだ」


影二「……立見は東京トップレベルの高校だから、警戒は皆してそう……」


輝羅「全国勝ち上がれば滅茶苦茶、研究されちゃいそうだね〜」


影二「そんな中で次回……インターハイの準々決勝……!」


輝羅「相手は滅茶苦茶フィールド動き回って来るねー」

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