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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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男女の快進撃

「(たっか!?)」



 ゴール前でクリアしようと、跳躍した女子選手の目に驚愕の光景が映る。



 自分よりも頭1つ分、高く舞う女神は何者にも止められる事なく、頭でボールを捉えるとゴール左に飛ばす。



 GKが伸ばした手も届くことなく、ゴールネットを揺らしてみせた。



 立見女子サッカー部のインターハイ予選。


 2年エースである六峰千里のゴールによって、更に点差をつけていた。



「千里ー! 絶好調じゃん!」



「なんか春から凄く調子良いんだよねー」



 チームメイト達が駆け寄って千里のゴールを祝福すると、決めた本人は明るい笑顔を浮かべる。



 周りから見れば去年の1年生の時点で、彼女は天才ストライカーと呼ばれ、頭角を現していた。



 それが今年に入れば千里の実力は更に増して、特に春から沢山声を出すようになり、コーチングを怠らなくなる。




「絶対にあのちっちゃい子が関係してるよね?」



「間違いないでしょ。いっつも部活終われば2人で一緒に帰って、デートみたいな感じにしか見えなかったから」



「それもう付き合ってるでしょ2人!?」



 ベンチでは控えの立見女子選手達が、部活終わりの千里について皆で話せば、仲の良い男子と付き合ってる恋愛話で盛り上がっていた。



「神明寺輝羅君。普段可愛いけど、ゴールを守る時は格好良さを感じるんだよね」



「私は彼がお弁当食べる所を見て、凄く美味しそうに食べて可愛いって思っちゃったなぁ」



「そう思うと、輝羅君と一緒にいる千里が羨ましくなってきたかも……」



 女子達から見れば輝羅の事は良いなと見ていて、隙あらば狙ってしまおうかと思う者も居る。




「はいはいはい! こっから気を抜かずにドンドン行くよー!」



 差を広げてもチームが気を抜かないように、手を叩いて千里は味方選手に声を掛け続けていた。



 女子の立見サッカー部は、このまま相手を寄せ付ける事なく7ー0で完勝。




 ☆



 女子サッカー部に負けじと男子の立見サッカー部も、インターハイの2次トーナメントの2回戦を迎える。



 相手は堅守で知られる北村高校。



 此処まで僅か失点1で勝ち上がり、守備においては都内で屈指を誇る強豪チーム。



「左フリー!」



 それでも関係なく、今日もスタメンで立見のゴールマウスを守る輝羅は、左から上がって来る相手見えて指示を出す。



「ストップ! ディレイ!」



 簡潔に分かりやすく声で伝え、北村の攻撃陣は思うように立見ゴール前へ攻め込めない。




「オラッ!」



 中央からドリブルを仕掛ける相手に、理勝は激しく体をぶつけ、強引にボールを奪い取った。



 相手は倒されるが笛は無いまま、奪った球を右足で強く蹴り出す。



「カウンター!」



 前線から様子を見ていた高良川の口から、速攻の合図が出た後に攻撃陣だけでなく、理勝も前へ上がって北村ゴール前に走る。



「マーク! 18番!」



 相手GKから星夜を警戒するように、指示が出て1人が張り付いた。



 此処までルーキーながら、彼が得点を多く重ねている事は相手も調べて把握済み。



 立見の3トップを絶対フリーにさせるかと、堅守を誇る北村の守備陣はゴール前を固めていく。




「(滅茶苦茶ゴール前に人集まってんなぁ……!)」



 左サイドでボールを持つ玉石は、北村ゴール前が大勢の選手で密集地帯となり、クロスを上げる事に躊躇してしまう。



「うおっ!?」



 そこに相手からの足が出て、キープしていた球を弾かれると、北村選手の方が先に拾ってクリア。



 立見の攻撃を凌いで粘り続ける。




「俺が高校生の頃から戦い方を変えてねぇな北村は」



「あそこって昔から堅守が持ち味で、それを伝統にしてますよね」



 立見ベンチでは間宮と川田が昔を懐かしむように、北村のサッカーを見ていた。



 2人が部員だった頃、今戦っている高校と試合をした事があって、その頃から守備重視のスタイルは変わっていない。



「立見は変わりましたけどね。昔はシステムと言えば4ー5ー1の4バックが当たり前だったのが、今は3バックが主流になってますから」



 同じく部員として共に戦った翔馬も、立見の昔を振り返る。



「そこは弥一が大きく影響してるだろ。立見の方で第2の凄腕リベロを作ろうと、それで取り入れてんだ」



「弥一は別次元だけどね……」



 翔馬、川田の2人が思い出すのは小さな頼れるDF。



 彼がいなければ、立見が此処までにはなっていなかった事だろう。



「昔話ばっかに花咲かせてんじゃねぇ。交代の指示を伝えて来い」



「あ、はい……!」



 間宮からの注意を受けた後、川田は控え選手に交代の指示を伝える。



 北村の堅守は厄介だが、何時までも止まっている訳にはいかない。



 そろそろ点が欲しい所だ。




「(堅守が自慢のチームだから、要注意の選手を見逃さないなぁ〜)」



 初戦で前川と試合をした時のように、点の中々入らない時間帯が続き、ゴール前から輝羅は相手守備陣を見ていた。



 オーバーラップを仕掛ける理勝にもマークは欠かさず、彼へのパスを封じる。



「(じゃ、注意してない方に活躍してもらおうか)」



 小さな守護神の目は1人の選手に向く。




「攻めろ右!」



 北村は立見の攻撃を凌ぎ続けているが、時間内に点を取らなければと必死だった。



 それは監督が前に出て、攻撃の指示を送っている姿を見れば明らかである。



「(神明寺輝羅は11人連続PKセーブをしてる化け物! あんなのとPK戦なんか出来ない!)」



 普段ならスコアレスが長引いても焦りはしないが、今回に関しては別だ。



 立見のGKである輝羅はPKストッパーとして、北村高校の間では知れ渡っている。



 彼を相手にPK戦となれば、勝率は限りなく低い物となってしまう。




 ボールを持った北村は、ゴールを奪おうとロングレンジからシュートを放ち、飛ばされた球が立見ゴールの枠内を捉えた。



「(焦ったね!)」



 向かって来るシュートに、輝羅は正面でキャッチして受け止める。



 早くゴールを奪わなければと焦った彼らの心は伝わり、結果として甘いボールになっていた。



「カウンター!!」



 輝羅が叫ぶと共に右足のパントキックで蹴り出すと、ボールは低空飛行の弾丸パスと化して向かう。



「!」



 立見以前から桜見でサッカーマシンの高速ボールに鍛えられ、速いパスに慣れてる影二は右足で受ける。



 堅い守備を誇る北村の包囲網を掻い潜り、影の薄い影二は何時の間にか敵陣深く攻め込む。



「(何時から居たんだこいつは!?)」



 彼の存在に今気付くと、北村の選手が止めに向かう。



 この時、予期せぬ影二の攻撃参加に堅守は乱れていた。



「(中央……空いてる……!)」



 左足で北村ゴール前にパスを送ると、スペースに走り込む高良川の姿が見えて、影二からのボールが通る。



 そこから振り向きざまに右足のシュートでゴールを狙い、北村GKが伸ばす両手も届かず、ゴールネットは揺らされた。




「ヤミー、良いぞー♪」



 ゴールを決めた高良川に駆け寄る中、真っ先に輝羅は影二に声をかける。



 彼のおかげで北村の守備を崩せたと、それを他の選手も分かってるようで、影二の周りにも多くの選手達が集まって祝福。




 そこから立見の流れへ一気に傾き、ゴールを狙うしかない北村の隙を突いて、速攻が決まるようになっていく。



 追加点を重ね、勝利を確実な物とする。



 立見の男女共にインターハイ予選で快進撃を続け、東京での注目度は高まっていた。




 立見3ー0北村



 高良川


 古神


 牙崎



 マン・オブ・ザ・マッチ

 闇坂影二

影二「……珍しく目立てた……」


星夜「先制ゴールに繋げてくれたからね。働きは大きかったんじゃないかな」


輝羅「というか女子サッカー部が得点を結構重ねるね〜」


星夜「確かに取ってるゴール数が多いよ。選手達が好調の上に戦術が上手く噛み合ってるのかもね」


影二「……このまま揃って勝ち上がりたい……次回は相手選手の偵察が入る……!」


輝羅「そりゃ強豪チームだから、調べに来るだろうねー」

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