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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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英国に残ったサイキッカーの挑戦

 FCジェントの相手は同じ名門のサッカークラブである、ドルマFC。



 こちらも優秀な選手を多く抱える強豪チームと言われるが、それを全て無にするかのように、ノアは先制ゴールを決めてみせる。



 見に来ていたサポーター達は、皆が彼のスーパーゴールに夢中となって、早くも神の子が会場を自分の色に染め上げていた。




「上の世代に行っても変わらず無双してくるなぁ、ノアは」



「何時もながら彼のレベルは次元の違いを感じさせるよ。15歳とは思えない」



 FCジェントのベンチに座って出番を待つ与一は、隣に座る同じ控えのセランと話しながら試合を見ている。



「それについては対峙してて、嫌って程に感じたね。何回1on1で負けたのか、もう覚えきれないよ〜」



 ノアに付き合って彼とは練習を多く重ね続け、数え切れないぐらい壁に跳ね返されてきた。



 それでも、彼を超えられなければ父親を超えられないと、必死に何度も食らいつく日々。



 日本では輝羅が立見高校で活躍をし始めたと聞き、与一の中で自分も負けられない想いが増していく。




「流石に相手も1流だから、そこまで何度もやらせはしないねー」



「2人ぐらいマークをつけたみたいだ……」



 先制ゴールを決めたノアに対して、ドルマFCの方は彼へのマークを強めている。



 1人ではなく複数で止める組織の守備により、上手く止める辺りは名門クラブの名に恥じない。



 それは攻撃にも現れ、左サイドから抉るようにドリブルで突破してきた。



「あ……!」



 同点のピンチが迫っているとなって、思わず見守るセランの口から声が発せられる。



 左からクロスを上げると見せかけ、キックフェイントで相手を躱した後、FCジェントのボックス内へ侵入。



 右足のシュートが近距離で飛ばされるも、ゴールを守るアーサーが体で止めて、コーナーへ逃れていた。




「今のはジュリアン上手いねー。素早く寄せてシュートコースを絞らせていたからー」



 与一はジュリアンの寄せを見逃さない。



 彼がシュートを狙う選手に体を寄せてきたおかげで、アーサーの方も的を絞りやすく、シュートを止める事が出来た。



「キックフェイントで躱した直後に来たから、相手も多分焦ってたかもしれない」



「あ〜、それはもうあたふたしてたと思うねー♪」



 セランと違って与一には相手の心が見える。



 ドリブルを仕掛けた選手は単独突破が上手くいき、抜けたかと思えばジュリアンが寄せてきて、シュートコースを限定されてしまう。



 甘いコースに飛んだシュートをアーサーが止めたりと、今の彼の心は同点に追いつくにはどうするか、その、考えで頭を埋め尽くしている状態だ。




「(3人ともちゃんと活躍してるなぁ〜……)」



 与一は3人の輝く姿を見て、自分の出番が早く巡って来ないかと願っていた。



 自分の同年代が皆活躍してるのに比べ、自分だけ何も出来てない不安が生まれてくる。



 監督の様子を見たりするが、今の所は自分どころか他の者の交代も考えていない。



 このまま何事もなく試合が進むかと思った時──。




「がぁっ!」



 ピィ────



 FCジェントのゴール前でファールが起こると、主審が笛を吹いて相手側の反則をとる。



 空中で激しく交錯したCBの選手は起き上がれず、担架で運ばれるてからチームのスタッフ達が駆けつけてきた。



「駄目か……!?」



 これ以上の出場は無理だと分かり、ベンチは交代選手の準備に追われてしまう。



「ヨイチ」



「!」



 監督の目がベンチに座る小柄なDFへ向けられた。



 この時、彼には相手の心が見えていたせいか、早くも笑みが浮かんでいる。



「出番だ。アクシデントで急だが」



「はいはい、行ってきま〜す♪」



 ようやくチャンスが巡って来たと、与一はジャージを脱ぎ捨ててユニフォーム姿になれば、出場準備は整う。



「ヨイチ、大丈夫? 急な出番になっちゃったけど……」



「なーんも問題無いよー。僕には待ちに待った機会だからね〜♪」



 セランは急に出番の回ってきた小柄な選手を見て、大丈夫なのかと心配があった。



 そんな彼の心を見抜いていた与一は、安心させるように明るく笑う。




「絶対に掴み取って勝つよ」



「!?」



 先程まで幼い笑顔を見せていたはずが、フィールドを見据えた時に獲物を狙うような鋭い眼差しを向ける。



 与一の目が見えた時、セランの背筋に寒気が走ってしまう。



 本当に同一人物かと思う間もなく、両チームで最も小さな選手は英国のフィールドへ足を踏み入れた。




「遅いぞ。やっと出て来たか」



「そう言われても僕の意思で自由に出られないからね〜」



 戦いの場へ現れた与一にノアが真っ先に話しかけてくる。



「それより、最初の1点から結構苦戦してるよねー」



「向こうが徹底して俺をマークで封じてきてる。そのせいで流れが傾いちまったみたいだ」



 今の流れはFCジェントにとって良くない物で、ドルマFCがゲームを支配しつつある。



 ジュリアンやアーサーによる奮闘のおかげで、1ー0の状態を保ち続けていた。




「じゃ──いっちょ行きますか」



 そう言うと与一は負傷したCDFの居た位置へ向かい、ポジションにつく。



「(交代したばかりで試合に慣れていない)」



「(小さいし、DFの穴だなこいつ)」



 相手のドルマFCは与一の位置に守備の隙があると、皆が揃って同じ事を考えている。




「(都合が良いねー……僕を舐めてくれるのは)」



 彼らの心は声として聞こえ、自分の所から突破を狙ってくる事を把握。



 相手は知らない。



 それが墓穴を掘っていて間違いである事には。




「中央から行け!」



 ドルマFCの監督が前に出れば、彼も交代したばかりの与一が穴だと考え、徹底して狙えと指示を出す。



 声へ応えるように右サイドへ振った後、中央の選手にパスを送る。



 目の前に与一が立ち塞がるも、迷う事なくボールを持ったFWは、中央突破を狙ってドリブルで突っ込んでいく。




「遅い」



「!?」



 デュエルに持ち込んだかと思えば、与一は瞬く間に相手からボールを奪い取り、右サイドに送ってから前へ走り出す。



 守った直後のカウンターだ。



「ノアをマーク!!」



 ドルマFCのGKは、最も厄介なノアから離れるなとコーチング。



「こっち出してー!」



「!」



 FCジェントの右SHが目を向けると、中央から与一の上がる姿が見えた。



 右足によるパスが出され、与一は自分へ向かうボールに対してトラップせず、そのまま右足を振り抜く。



「(シュート!?)」



 目の前のドルマFC選手が驚く間、ボールが右側を通過すれば、矢のような勢いある速さでゴールに向かう。



「わぁぁ!?」



 予期せぬ与一のミドルレンジからによる、右足のダイレクトボレーシュートがゴール左下隅へ向かい、GKのダイブも届かない。




 ゴールネットが揺れ動いた後に与一は跳び上がって喜び、追加点を決めた小さな選手にチームメイトが集う。



「開始から暴れ過ぎだろー!」



「だってノア達が活躍してたしさー! 相手が皆ノアに注意行ってたから、そりゃ狙うでしょー♪」



 髪が乱れるぐらいにノアから頭を撫でられながらも、与一は陽気な笑顔を見せる。



 開始から僅か数分で、小柄なDFは会場に強烈なインパクトを与え、皆に神明寺与一の名を心に刻ませていた。

輝羅「少しの間、出番無かったから張り切ってるよね絶対」


与一「当たり前でしょー。立見の高校生活ずっと輝羅ばっかで僕の出番無かったんだもん〜」


輝羅「もうやってやるっていうのが、僕からすれば心を見るまでもなく丸分かりだったよー」


与一「そんな分かりやすかった〜?」


輝羅「それはもう……この形は久々だなぁ。次回、まだまだ与一が暴れまーす」


与一「これくらいじゃ終わらないよー!」

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