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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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連戦でも変わらずに

 高校サッカー、プレミアリーグ第7節。



 上位チームの川崎ナイトスターを逆転勝利で下し、勢いに乗る1軍の立見の相手は宮城の松城森(まつじょうもり)高校。



 立見の2軍に似た攻撃的なチームで、攻めのサッカーを信条としている。




「松城森は3トップで、リスクを恐れずガンガン攻めてくるからな。ビビって弱気になるなよ皆」



「3トップぐらいよくあるし、今更ビビりませんってー♪」



 立見のフィールドで円陣組むと、水月の言葉に輝羅は恐れる必要無しと明るい笑顔で返す。



 前回は途中出場だったが、今日の試合ではスタメンから立見のゴールマウスを守る。




「立見GO!!」



「「イェーー!!」」



 1軍でも恒例の儀式として行い、掛け声のあとに皆がポジションへ向かった。




「なぁヤミー」



「うん……」



「1軍と2軍、違うチームだけど立見のゴールマウス付近だけ昨日と全く同じに見えるのは俺だけか?」



「……僕もそう見えてる……」



 立見の生徒達に混じって、竜斗と影二は立見と輝羅の応援に駆けつける。



 立見ゴールには昨日、インターハイ予選の試合でゴールを守っていた輝羅が引き続き立つ



「昨日、大丈夫って言ってたけど……本当に大丈夫そう……」



「GKの連戦も楽じゃねぇと思うがなぁ」



 シュートが飛んでくる機会が少なかった事もあって、近くで見ていた影二が把握してる限り、疲労してる様子は少しも感じられなかった



「学校の勉強だと、あんだけ泣き言が出まくったのに……サッカー馬鹿だと頭が特殊な構造になっちまうのか?」



「好きな事なら無限に続けられる……そのせいかも……」



 どちらにしても化け物である事に変わりない。



 2人は唯一、1年のスタメンで試合に出る輝羅を見守る。




「左を囲めー!」



 ゴール前に居る輝羅の目は、左サイドから攻めてくる松城森のSHが映った。



 後藤だけでなく林田も迫ると、ライン際まで追い詰められた相手は中央へパスを出す。



 そうするしかないと選択肢を限定させれば、苦し紛れに出たボールを門山が右足を出してパスカット。



「カウンター!!」



 自分達が所持した瞬間、水月が速攻に行けと叫んで、門山は前線の藤川へロングパスを送る。



 右足で蹴られたボールが真っ直ぐ向かい、藤川は胸でワントラップしてから右サイドの沢田へ繋ぐ。



「(出せ!)」



 松城森の守備が右へ振られ、水月は藤川より前に出てパスを寄越せと、右手の仕草で伝えた。



 それが見えた沢田は、相手DFとGKの間にあるスペースを狙って右足で蹴る。



「(決めさせるか!)」



 水月が松城森DFの裏へ飛び出すと、相手GKも前に出て攻撃を止めに向かう。


 DFの1人も後ろから迫って来て、挟み撃ちに遭う形となっていた。



 トラップしている暇は無いと瞬間に気づいたのか、水月は自分の前へ飛んできた球に右足で合わせる。



 迫って来たGKの右肩を掠めながらも、水月の右足によるダイレクトボレーは、無人の相手ゴールを揺らす。




「流石キャプテンー! よく点を取ってくれるねー♪」



 水月の決めた先制ゴールに、その場で輝羅は跳び上がって喜んでいた。



「さぁさぁ、失点が続いたから今日は完封を目指そうかー!」



 立見がリードを奪って勢いづくと、一夜は守備も負けてられないとばかりに手を叩く。



 プレミアリーグにおいて、此処最近の試合では失点を重ね続け、今シーズンは完封が1つしか出来ていない。



 守備としては不名誉なので、今日は1点も許さず守り抜くつもりだ。




「(今日はと言わず、出場する限りずっと完封のつもりだけどね)」



 一夜達、守備陣の心が声となって聞こえた輝羅は、チームの完封勝利に向けて指示を送り続ける。




「(本当に立見かこいつら!?)」



 過去に選手権の試合で、立見と対戦経験を持つのは松城森3年の北川。



 彼が知る限りでは、向こうに此処までの守備力は備わっておらず、前回に対戦した時以上の攻めづらさを感じていた。



 ゴール前でのチャンスを中々作れず、中盤やDFに跳ね返される場面が繰り返される。



「戻せ!」



 相手ボックス内でのシュートが困難と見た北川は、前線から後ろへ下がって味方FWに指示を出す。



 来た球を右足のワントラップから左足で振り抜く。



 タイミング良く芯を撃ち抜き、加速していくボールは立見ゴールの右枠内を捉えていた。




 バシィンッ



「(分かってたよ!)」



 ゴールには至らず、小さな守護神が立ち塞がると正面でボールを受け止める。




「(くそぉ! また止められたし!)」



 遠めからのシュートは何本か撃っているが、ことごとく輝羅の正面ばかりに飛んでキャッチされてしまう。



 ゴールを狙っても相手にパスを渡しているようで、得点には全然結びついていなかった。



「(中央、右と警戒されてるから──)」



 1点目で水月や沢田への警戒が強くなり、相手の心理状態が輝羅には伝わる。



 右足のパントキックは左の後藤を狙い、正確無比なボールが彼の元へ届く。



「(相手、守備を厚くしてきたな)」



 中央を走る門山から見て、松城森の動きが守備寄りになっている。


 まだ時間があるせいか、追加点を許さない方が大事と意識したのだろう。



「!」



 簡単には崩せないと思った直後、門山を追い抜く影が見えるとゴール前へ迫る一夜の姿に驚く。




「(攻め時って感覚的に伝わったのかな? どっちにしても助かるけど!)」



 相手の意識が見えた輝羅は、畳み掛けるなら今だと叫ぼうとしたが、一夜の方が先に行動していた。



「此処で守口先輩上がるのかよ!?」



「超攻撃的……!」



 観戦する竜斗、影二から見れば大胆なオーバーラップに見えて、先輩のプレーに驚かされてしまう。




「はい!」



 一夜が後藤に向かって出せと一言で伝えた後、左からのパスを受けて相手ゴールに目を向ける。



 その目がコースが見えたのか、右足を振り抜いた後に遠めから放つ。



 ゴールから40m程の距離がある位置で、ロングシュートを狙うとボールは松城森ゴール左隅へ飛び、勢いは充分に感じられた。



「くぅっ!?」



 バチィッ



 GKは両腕を伸ばしながら横っ跳びで止めに行くと、一夜のシュートを叩き落とす。



 ボールがゴール前に転がって松城森のDFが拾う前に、林田が左足で押し込んでいた。



 再びゴールネットが揺れ動き、立見に追加点が生まれる。




「何か……鹿島戦の時と比べて大分動きが良くなってない……?」



「ああ、言われてみればボールを持つ時間帯とか増えて来たよな」



 影二が最初に1軍の試合を見た時、それよりもチームの調子が良いと感じて、竜斗も同じ事を思っていた。



 得点は勿論、試合の内容も全体的に良くなっていると。



「2軍の動きも良かったけど、1軍も流石と言うべきか負けてないよな」



「……対戦相手が全国クラスで強いにも関わらずね……」



 立見が今戦っているのは並のチームではなく、高校サッカー界の最上位リーグで戦う数少ない高校だ。



 それにも関わらず、今の立見は優勢で戦っている。




「うちの高校ってプレミア苦戦続きだったよね?」



「大体クラブユース辺りに押し込まれる事が多かったけど……今年は違うかも」



 試合を観戦する他の生徒達から見ても、例年の立見と思ってきたようだ。



 周囲の期待が膨らむ中、立見はリーグ戦で初の連勝と完封勝利を決めていた。




 立見2ー0松城森



 滝口


 林田



 マン・オブ・ザ・マッチ

 滝口水月

輝羅「連日の試合が終わった〜」


影二「……そんな疲れてなさそうだね……また……」


竜斗「どんな体力してんだよ2日連続で」


輝羅「持ち上げ過ぎだってー。どっちの試合も多くのシュートは飛んでこなかったし、まだ楽だよー?」


竜斗「とりあえず喉は滅茶苦茶使ってそうだから、喉飴とか忘れんな」


影二「声の仕事を生業とする人にはガチ大事……次回は……与一から連絡来る……!?」


輝羅「僕がいなくても与一、しっかりやってねー!」

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