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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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189/236

高校のリーグ戦デビュー

 立見1軍 フォーメーション 3ー5ー2



     林田  藤川

      9   11


 後藤    滝口    沢田

  7     10     8


     門山  高橋

      5    15


   上城  守口  大島

     4    6   13


       神明寺

        20




「ったた……」



「本当に大丈夫か戸橋?」



「平気だ。頑丈に産んで育ててもらった親に感謝だな」



 相手GKと激突して、チームメイトから心配されながらも戸橋は立ち上がると、そのまま出場を続ける。



 一方の立見はGKの橋本が負傷して担架で運ばれ、代わって入るのは1年の小柄なGKだ。



「あいつだろ? 中学の全国大会で11連続のPKセーブに成功したり、ロンドンカップで最強ノアのイングランドを倒したりと」



「見た見た。GK以外も出来るけど、今日に関しては本来のポジションらしいな」



 川崎ナイトスターの面々が、立見のゴールマウスへ新たに立つ小さな守護神に注目が集まる。



 彼が中学サッカー界で双子の兄弟と共に活躍して、その名を轟かせたのはクラブユースでも耳にしていた。



 高校でもサッカーを続けていれば、いずれは戦うかもしれないと思っていたが、想像よりも早い。



「今はこっちがリードしてるんだ。前がかりになり過ぎて、カウンターを食らえば意味は無い。確実に繋いでいくぞ」



 川崎は作戦を決めた後に各自がポジションへ散っていく。




「(攻めて来ないんだ)」



 その思惑は輝羅の前では隠せず、相手の作戦が心の声として聞こえた。



 今の立見はエースの水月を封じられ、両サイドの攻めも防がれたりと、攻撃が手詰まりになっている状態。



「(こっちが点を取れないと負け確定……アウェーでも勝ち点0じゃ終わりたくはないよね)」



 上位との勝ち点差を思えば、此処で落とすのは相当な痛手。



 周囲の東京アウラに追いつくには、勝利を重ねるしかない。




 輝羅は初めてビハインドを背負った状態で、ゴールマウスに立つ。




「9番行ってー!」



 相手にリードを許し、攻め込まれている立見の劣勢が続く。



 そこに輝羅のコーチングがフィールドの選手に伝わり、近くに居た門山が張り付く。



「!」



 パスを出そうとしていた川崎の選手は躊躇すると、左サイドからの攻めに切り替える。



 サイドに振って相手の守備を崩す、何時ものやり方で左から低く速いクロスが放り込まれた。



「(させるかっての!)」



 川崎FWへ渡る前に、一夜が頭から飛び込むダイビングヘッドでクリア。



 その零れ球を素早く拾おうと立見の選手が迫るも、先に川崎の選手が右足を振り抜く。



 セカンドを直接シュートすれば立見ゴールに勢いよく向かい、ゴール左に飛ぶ。




「(緩いって!)」



 バシィッ



 瞬時に反応していた輝羅は正面でボールをキャッチ。



 所持する事が許された8秒の間、彼の目はパスを送るべきターゲットを探す。



 パッと両手からボールを離した直後、輝羅の右足で飛ばされた球はロングパスとなり、立見の左サイドへ向かう。




「お、チャンス!」



 竜斗からは送られたパスを立見の左SH後藤が受け取り、そこからドリブルで左を駆け上がる。



「こっち!」



 立見のFWを務める林田が右手を上げれば、ボールを要求。



 だが、その前に相手DFが遮るように立ってコースを防ぐ。




「(伊達にクラブユースの上位チームやってないね。抜け目なく付いてくるし)」



 最後尾から見ていた輝羅は、相手の素早いマークに流石はプロの卵だと感心。



「守口先輩ー」



 最終ラインを守る先輩へ向かって叫ぶと、その声に気づいた一夜はゴールへ振り向く。



「もう上がっちゃって良いですよ。このままじゃ負けちゃいますし──さっきから攻撃したくてウズウズしてますよね?」



「お見通しだったか。機会はずっと伺ってんだけどな」



 彼の心は同点、逆転しようという気持ちが周囲の立見選手よりも強く、勝利を誰よりも欲している。



 それが攻撃参加を望む声として聞こえていた。



「じゃあ、任せていいか? 俺がいなくなって守り薄くなるけど」



「守口先輩1人抜けたぐらいで失点しませんよー♪」



「そいつは生意気だわ兄弟」



 陽気に笑って軽口を叩く輝羅に、一夜はニヤッと笑った後で川崎ゴールへ向かって走る。



「ちょ、一夜!? カウンターどうすんだよ!?」



「追いつかないといけないから、そこは腹を括っときましょうね上城先輩ー♪」



 上城は打ち合わせ無しで上がる一夜の姿に戸惑い、その彼に覚悟を決めるよう告げておく。



 カウンターの対応は自分達でやるしかないと、溜息をつく上城達と共に輝羅はゴールを守る。




「!」



 水月をマークする戸橋の目には、上がって来る一夜の姿が見えた。



 すると気を取られている隙に、水月は戸橋のマークを外してゴール前へ走る。



「くっ!」



 攻撃参加に来たのか、ただの囮なのか迷いが生じてしまい、戸橋は水月を抑えようと後を追う。



 此処まで立見の攻撃を封じていた川崎の守備だが、一夜の攻撃参加によって綻びが出来る。



 フリーになった水月へ、左の後藤から中央へパスが送られると、水月は右足のトラップで足元に収めた。



 ゴール前へ迫ると、再び戸橋が立ち塞がって突破を阻む。




「(寄越せ水月!)」



「(一夜……!)」



 キャプテンと副キャプテンのアイコンタクト。



 互いの目が合えば理解すると、前を見たまま水月は右足で軽く右へ転がす。



 ノールックで出されたボールに、戸橋や川崎DFの反応が遅れると、一夜が転がって来たパスを右足で思いきりシュート。



 振り抜かれた右足が球の芯を撃ち抜き、矢のようなシュートが近距離で放たれれば、相手GKは動けず。



 棒立ちのまま、後ろのゴールネットが大きく揺れ動く。




「やった同点ー!!」



「一夜でかしたぁー!」



 同点ゴールに沸く立見の選手達は、一夜へ駆け寄ってゴールを祝福していた。



「まだまだ、勝ち点1じゃ満足出来ない。そうだろ水月?」



「当たり前だ。このまま逆転狙うぞー!」



 一夜の言葉に水月が頷いた後、手を叩いて逆転しようとチームの士気を高める。




「(守口の思いきった上がりが同点ゴールに繋がった。更に追加点をやりかねない諸刃の剣だったけどな)」



 一歩間違えれば相手に2点目を許し、敗北が決まる恐れのある一夜の攻撃参加だったが、貴重な同点ゴールを生み出していた。



 間宮は席を立って、士気の上がるチームを近くまで見に行く。



「(輝羅が入った事で守備は安心と思って、攻撃に力を注げたおかげか)」



 その目は今、ゴールを守る小さな守護神へと向けられる。




「もう負けは無いよー! 後1点を取って終わらせようー!」



 同点に追いついたチームへ、輝羅は更に盛り上げようと声を掛け続けていた。



 その姿は合流したばかりの1年GKとは思えず、前からチームの守護神として居るんじゃないかと、錯覚させてしまう程。



 1ー1となって、流れは確実に立見へ傾いていった……。

輝羅「同点ゴールも気持ちが良いもんだねー♪」


竜斗「GKとしては決められたら悔しさ滅茶苦茶ありそうだけどな」


影二「……輝羅にその経験は無さそう……」


輝羅「公式戦で失点してないから無いよー」


竜斗「此処でそんな大記録をサラッと言っていいのかよ!?」


影二「やっぱり化け物……! 次回、逆転を目指して立見と川崎が終盤で争う……!」


輝羅「勝ち点1か3か、これ大きいよ!」

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