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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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出番はアクシデントから

「よろしくお願いしまーす♪」



 立見の1軍の前で輝羅は何時ものように、陽気な笑顔で挨拶をする。



 プレミアリーグへの参戦及び、登録が認められると今日のアウェー戦となる、U-18川崎ナイトスターのグラウンドへ姿を現す。




「まさか輝羅が早くも1軍と共に試合なんてな」



「……まだ、スタメンが決まったんじゃないけど……」



 他の観客に混じって竜斗、影二の観戦する姿があって、輝羅がメンバーに入って試合に出るかもしれないと、今日の試合会場まで足を運ぶ。



 通常なら入部したばかりのGKが、高校のトップリーグでスタメンに選ばれる事など、ほとんどない。



 登録メンバーへ入るだけでも凄い事だ。



「ま、輝羅なら1軍のゴールを守ってもおかしくねぇけどな」



「……同感……」



 共に桜見で神明寺兄弟、輝羅の凄い所は沢山見てきた。



 立見の1軍はレベルの高いプレーヤーが集い、GKも例外ではなく優れた選手が揃っている。



 ただ、輝羅なら彼らを相手に守護神の座を勝ち取り、不動のレギュラーとなってもおかしくない。



 それほどの実力を彼は兼ね備えているのだから。





「はぁ〜、ベンチかぁ〜……」



 綺羅はアップの為に軽く、ボールを右足で蹴り上げ続けていた。


 その口からは溜息が出てくる。



「流石に来て早々からゴールは任されないだろ」



 漏れた不満が耳に入ったのか、一夜が近寄って話しかけてくれば、輝羅の目は彼へ向く。



「まずは間近で1軍のサッカー、俺達DFと連携を取る為に勉強しろって事じゃないか?」



「勉強は普段の授業だけにしてほしいですよ〜。毎日毎日、大変なんですから〜」



 勉強嫌いだが、立見では赤点を取った者は部活に参加出来ない。



 そういった決まりがあるので、輝羅は日々の授業と向き合い続け、赤点から免れる為に頑張るしか選択肢は無かった。



「ま、無事に来れたじゃないか。来てほしいとは思ったけど、まさかこんなにも早く来るなんてなぁ」



 一夜は輝羅が1軍のGKとして、自分たちと共に戦ってほしいと心の中で強く願っている。



 今居る立見のGKで最も優れているからと考え、だからこそ定食屋に誘って早いうちに交流を深めようとしたのだろう。



「とりあえず、早めに慣れてくれる事を願ってるぜ兄弟」



「はーい」



 話し終えて一夜が走りに向かってる間、輝羅は一度も地面にボールを落とす事なくリフティングを続けている。




「──もう慣れてるつもりなんだけどなぁ」



 1軍の試合を立見で見てきた輝羅は、その1回で最終ラインや全体の動きを把握済み。



 それでもゴールに立たせてはもらえず、ベンチで出番の時を待つ。




 立見のシステムは3ー5ー2で、2軍よりも中盤を厚くしている。



「左もっと厳しく行けー!」



 ダブルボランチを組む1人の威勢の良い声が響く。



 長い黒髪を揺らしながら、門山友彦(もんやま ともひこ)がコーチングを行なっていた。



 かなり熱い性格らしく、1軍の中で最も声が出ている。




 そこに川崎の選手が中央にボールを預け、ドリブル突破を狙う。



「うおおお!!」



「っ!?」



 ガンッ



 思いっきり右から門山が左肩を当てると、相手の足が一瞬止まる。


 これを狙ってか、隙を突いて一夜が相手からボールを奪い取り、前線をターゲットに右足で蹴り出す。



 高く上がったロングパスが放り込まれるも、相手の長身DFが頭で跳ね返し、再び川崎が取り返していた。




「結構苦戦してますよ1軍ー」



「そりゃそうだよ。相手はリーグ上位の川崎なんだから」



 前の鹿島ブレイバーズ戦に続いて、苦戦してると輝羅が隣の選手へ伝えれば、彼からすれば想定していたようだ。



「相手DFで今、ロングパスを跳ね返した戸橋はエースキラーで知られる良い選手だし、滝口もマークに苦戦してる程だ」



 相手チームのDF戸橋が要らしく、彼を中心とした守備が立見の攻撃を防いでいる。




 此処まで0ー0を維持してきたが、試合は突然動き出す。



 門山が相手に激しいスライディングを仕掛け、ボールを蹴り出していったが、相手も倒してしまって主審がファールと判定する。



 位置は正面でゴールからは30m付近と、危険な位置で相手にFKのチャンスを献上。




「あ」



 輝羅が声を上げると、彼の前には立見のゴールネットを大きく揺らされる光景。



 相手の左足によるFKが立見の壁を越えていけば、大きく右上隅へ曲がっていき、ポストの内側に当たりながらゴールマウスに入っていた。



 川崎ナイトスターがFKのチャンスを掴み、先制ゴールを立見から決める。



「(取れてたなぁ……)」



 キッカーの蹴った球は曲がって、枠内ギリギリを突いたGKには厳しいコース。



 それでも輝羅からすれば、取れる球だなと思っていた。




「川崎が先制は不味いだろ」



 先制を許す立見を見て、竜斗は難しい顔で腕を組む。



「……逆転は難しいって事……?」



「ああ、去年とか逆転負けした試合が一つも無い。先制すりゃ向こうは滅法強いんだよ」



 竜斗と影二が見つめる先には、攻勢を強めて立見ゴール前へ迫る川崎選手達の姿。



 先制した試合は昨シーズンから無敗。


 それを証明するように、彼らは攻めに転じていた。




「18番を見逃すなよ!」



 自ら相手選手をマークしながら、一夜は周囲の選手に指示を出す。



 そこにセカンドの球を拾った相手が、遠めからシュートを狙う。



「ぐっ!」



 右足から繰り出された、スピードのある球を門山がコースへ飛び出して気迫のブロック。


 ボールが大きく弾かれ、ゴールラインを超えると川崎の右からのCKとなる。




「(上がって来た。2点目を早々に取って試合をもっと優勢にする気だな)」



 輝羅の目は長身のエースキラー、戸橋が上がって来る姿を捉えた。



 彼は密集するゴール前には入らず、エリアの中央の外側で構える。



「此処、2点目やったら絶対に駄目だよー!」



 ベンチからセットプレーを守る1軍に向かって、輝羅は絶対守れと叫ぶ。



 今日の試合から参戦する新入りに言われるまでもなく、皆が2点目を川崎相手に取られたら、試合が決まると理解している。



 輝羅が見守る中でCKが始まると、高いボールがキッカーによって蹴られ、GKがキャッチに行こうと飛び出す。



 そこに猛然と外から走り込んできた戸橋が飛び込み、立見GKへ迫る。




 ガンッ



 空中で激しく衝突すると、両選手が芝生の上に倒れて主審が試合を一時止めた。



「おい、橋本!?」



「う……うう……」



 両チームの選手達が駆け寄り、その中で水月は呼び掛けるがGKの橋本は起き上がれず。



「!」



 コーチの翔馬が彼の状態を確認すると、ベンチに向かって


 ✕マークを両手で作り、それを見た川田は控えGKの1人へ向かう。



「野中、準備を──」




「待て」



 川田が立見の第二GKへ声を掛けようとした時、間宮が一言言って止める。



 すると監督が席を立ち、彼の元へ歩み寄ってきた。



「想定外だけど輝羅、お前行けるか?」



 間宮が第二GKではなく、合流したばかりの輝羅に出場出来るかどうかを問う。



「何時でも行けますよー」



 待ってましたとばかりに輝羅はベンチから立ち上がると、ユニフォーム姿になってグローブを着け始め、準備を進める。



 問われるまでもなく彼の準備は既に出来ており、高校サッカー最高峰のリーグ戦、そのデビュー戦に臨む。

輝羅「控えGKの出番は普通、そう簡単には巡って来ないもんだけど〜」


竜斗「見事に巡って来たな。正GKの怪我によって」


影二「……橋本先輩には気の毒だけど……」


輝羅「敵討ちしてくるんで、安らかに眠ってくださいー」


竜斗「いや、生きてるからな!? 勝手に敵討ちとか言うな!」


影二「次回……輝羅にプレミアリーグのユースチームによる攻撃が襲いかかる……!」


輝羅「ビハインド背負った状態で守るって、凄い新鮮だなぁ〜」

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