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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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1軍の試合

 立見が初戦の前川に勝利した翌日。



 学校が休みの日にも関わらず、立見高校には多くの生徒達の姿が見えて、その中には生徒以外の者もいた。



 そこに昨日の試合で活躍して、立見を勝利に導いたGKが現れても注目はされず、人々の一部として溶け込む。



「僕達が初戦で勝利した事とか、全然関心が無さそうかなぁ」



「流石に初戦を勝った程度じゃ注目されねぇだろ」



 輝羅は竜斗に誘われ、休みの日の高校へ共に足を運ぶ。



「影丸は……やっぱ寝てそうだな。全然反応ねぇし」



「彼は休み起きないでしょ〜。暇さえあれば寝る子だよ?」



 竜斗がスマホで見てみると、反応が無い事が分かって軽く溜息をつく。



 本当なら影丸も呼ぼうとしたが、休みの日は睡眠を好む彼は来る気配が無さそうだ。



「インターハイ予選と一緒にプレミアリーグの戦いもあるから、そりゃ1軍は連続で出るの難しいね〜」



 今日は高円宮杯、プレミアリーグの試合が行われる日。



 ホーム&アウェーで12チームが総当たり戦を行い、今日は立見のホームゲームとなるので、多くの者が此処に集う。



「だから一番負担のかかるインターハイは、2軍の方にチャンスが回ってきたって訳か」



「その集中した1軍が、どんな強さなのか見てみるのも良いからねー」



「……立見の一番上のサッカーを見ておく……」



「うお!? ヤミー、何時の間にきてたんだよ!?」



「……さっきからずっと居たよ……」



 輝羅と竜斗が今日行われる1軍について話していると、密かに影二も立見に来ていて、2人と合流。



 3人が揃えば立見の正門を通って、試合が行われるグラウンドへ向かう。




 高校のプレミアリーグが行われる試合会場には、立見の生徒が沢山入って応援団の姿もあった。



「GOGO立見! GOGO立見!」



 試合前、アップを行う選手達に向かって立見を応援する声が、会場内で木霊していく。



「立見の相手は──」



 輝羅が対戦相手はどんなチームか見ようとすると、それは向こうからやって来る。



「よう、桜見3人衆」



「あ、剛樹! 久しぶりだねー♪」



 3人の前にアップをしていた選手が近づくと、それがU-15の日本代表で共に戦った来島剛樹だと分かる。



「お前が此処に居るって事は、U-18の方に上がったのかよ」



「おう。入って間もないけど、今日の試合でスタメンから出る」



「凄い……!」



 自分達と同学年の選手が、ユースクラブの1年目で早くもスタメン入りした事に、竜斗が話す横で影二は驚いていた。



「なんだ、お前ら立見に入学してたんだな」



「おう、堂上もスタメンか?」



「俺は剛樹と違ってベンチ。試合に出られりゃラッキーって感じだよ」



「良いじゃん。出たらスーパーサブでヒーローになっちゃえ♪」



 そこに剛樹と同じユースクラブに所属する、堂上も現れて輝羅、竜斗は彼と言葉を交わす。



 かつては下に見ていた者と、軽口を叩き合うようになっていた。




「見た所、お前らは今日の試合に出なさそうだな」



 フィールドの立見選手がアップしてる中、3人が外で見ている事を思えば、今日の試合に出ない事は確実。



「今日の試合に出るのは1軍だからね。僕は2軍だから、プレミアの試合に出られないんだー」



「……同じく2軍……」



「おれは更に下の3軍で、公式戦の機会すらまだねぇ」



「2軍と3軍……流石に早々、1軍でレギュラーとは行かないか」



 輝羅達の現状を伝え、堂上が納得する一方で剛樹は納得いかない顔を浮かべた。



「輝羅まで2軍? 俺から見ればプレミアで戦う力は充分あると思うぞ。此処の連中は見る目が無いのか」



 国内どころか海外の選手も圧倒する力を持つ。



 共に戦って、側で見てきた剛樹は輝羅の実力を認めている。


 高校年代の最上位リーグで戦う力が備わってるだろうと。



「いやー、2軍と言っても全然雑な扱いとか無いからね? 大事な夏のインターハイを任されて、僕はそっちに出るからさ」



「だとしたら俺ら、絶対争えねぇな」



 インターハイにクラブユースの参戦は認められておらず、堂上の言う通り輝羅達と争う事は、今の状態なら無いだろう。



「けどまぁ、夏の大会を優勝したらどうなるか分かんないけどねー♪」



 まだ初戦を勝ち抜いたばかりだが輝羅は早くも東京、その先にある全国の制覇を思い描いていた。



「──それを聞いて安心した。アップ戻るぞ」



 剛樹は堂上を連れてアップを再開。



 彼の言葉を聞けば、今の位置で甘んじる気はないと伝わり、密かに笑みを浮かべる。




「(これ応援しづらいなぁ〜)」



 U-18の鹿島ブレイバーズが今日の対戦相手となり、輝羅としては自分の学校に勝ってほしい。



 ただ、代表のチームメイトだった剛樹や堂上がいるなら、彼らにも頑張ってほしいという思いがある。



 どっちを応援しようか定まらないまま、キックオフの笛は鳴らされた。



 ピィ────




「2軍と同じく3バックなんだな」



 竜斗の見つめる先には、立見のDFが3人並んでいる。



 中盤には5人の選手が居て、前線には2人と、フォーメーションが3ー5ー2であると分かった。



 それに対して鹿島ブレイバーズの方は4ー4ー2だ。



「……守口先輩の周囲にいる人が大きいせいか……小さく見える……」



 背番号6を背負う守口一夜は3バックの中央に居て、他のDF2人が長身なせいか小柄な感じがする。



 影二が覚えている限り、竜斗ぐらいの背丈だったはずなので、小さくはないはずだがDFとしては少し物足りないか。



「流石1軍と言うべきか、パス回しが速いねー」



 輝羅の前で、ボールが中盤の立見選手達の足によって、素早く動かされる。



 ほぼワンタッチで相手が寄せて来るよりも前に、パスを繋いでプレスを躱していく。



 繋いだパスが、キャプテンで背番号10の滝口水月へ渡った。



「左上がっててフリーだぞ!」



 中央でボールを持たれている間、左サイドから迫る立見の選手が見えれば、鹿島の最終ラインを守る剛樹が叫ぶ。



 すると、水月は目の前に立つ相手選手をすり抜けるように躱す。


 そのままドリブルで直進すれば、鹿島ブレイバーズのゴール前へ迫っていた。



「(あれ、デコイだね)」



 試合を観戦する輝羅は、サイドを走る選手が囮である事に心を読んで見抜く。



 ダンスで舞うようなドリブル、フェイントで相手にボールを取られず、水月はミドルシュートを狙える位置まで来る。



「凄ぇテクニシャン……!」



「……!」



 次々と迫っていくユースクラブの選手を相手に、躱していく水月の姿を見た竜斗、影二の2人は揃って立見のキャプテンに注目。



「うぐっ!?」



 長身と腕の長さを活かし、接近する相手を水月は近づけさせない。




「(まさか、このまま1人で来るのか!?)」



 剛樹は相手FWをマークしている状態で、水月が何時パスを出すのか待っていた。



 右足を振り上げると、鹿島DFがシュートをブロックしに向かう。



 だが、蹴ると見せかけて左へ軽く転がし、キックフェイントでまた1人躱した後に、水月は相手ボックス内へ侵入。



 このまま持ち込んで来るのか、DFが突破の阻止に動いた瞬間、水月は左足を小さく振り抜いた。



 目立ったモーションの無い姿勢からシュートが放たれ、剛樹が抜かれるとGKも反応出来ない。



 鹿島ブレイバーズのゴールネットが揺れ動き、早くも立見の1軍キャプテン自ら先制点を奪う。

輝羅「1軍のキャプテンだから、そりゃ強いよねー」


竜斗「ドリブルは上手いわ、シュートのモーションが小さいわで、個人技が凄かったな」


影二「……背番号10は伊達じゃない……次回も続く1軍とクラブユースの戦い……!」


輝羅「うーん、複雑な感じ〜」

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