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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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184/241

超攻撃的なチームを支える守護神

 立見高校 フォーメーション 3ー4ー3



 高良川  柿田  坂田

  10    9   11



 玉石       風野

  7          8


    丸木  青松

     17   15



  牙崎  木村  深山

   6    5    3


      神明寺

       1




 立見のDFは3バックで、通常より高い位置に上がるハイライン。



 積極的にプレッシャーをかけて、相手の攻撃を制限させる狙いで、この戦術を実行している。



 その為、GKの輝羅から見てDFとの間は広大なスペースが空いていた。



「(僕のカバーが超大事になってくるなぁ)」



 抜けられてしまえば即、一対一となって失点の危険が大きく増す。



 このチームの守護神として、輝羅は大事な仕事を任される。




「うるぁっ!」



 前川の長身FWと高く上がった球を空中戦で競り合い、理勝の頭が弾き返す。



 ビハインドを背負う前川は攻めの手を強めるも、立見の3バックと中盤に挟まれ、思うような攻撃が出来ない。



「ナーイス牙崎先輩!」



 好プレーで相手を止める理勝へ、すかさず輝羅は称賛の声を送っていた。




「(相手の前川は古豪って聞いたけど、実力者の2軍と張り合ってて結構やるじゃん)」



 1点を先制してからも立見は攻撃を続け、サイドからの崩しを中心に得点を狙う。



 ただ、相手の守備が高い連係力を見せて、組織で上手く止め続ける。


 立見としては勢いに乗って追加点と行きたいだろうが、そう簡単には取れない雰囲気が伝わってきた。



 攻めあぐねていると、ボールを取った前川がカウンターを仕掛け、一斉に輝羅の守る立見ゴールへ猛進。




「!」



 その時、攻めていた前川の選手の1人が気付く。



 輝羅が前へ出てゴールから離れている事に。



「(ロング狙える!)」



 遠めだが得点を狙えるチャンスと判断したか、背番号10を背負う前川選手は、3バックの外から右足でシュートを放った。



 ボールは大きく弧を描きながら、ゴール左上の枠を捉えている。




「(引っかかったぁ!)」



 バシイッ



 良いコースへ飛んできたロングシュートに、輝羅は跳躍して両手でキャッチ。


 シュートを誘う為にわざと前へ出て、狙いやすいと相手に思わせた。



「その調子で守備は引かずに強気でー! 後ろは気にするなー!」



 そう言いながら、輝羅はボールを右足で大きく蹴り出す。



「(初の高校での公式戦とは思えないぐらい、堂々としてるな)」



「(小さいけど頼もしく感じるわ)」



 先輩DFの木村、深山の2人は輝羅に後ろを任せて大丈夫そうと思い、強気な守備を言われた通り続ける。




「流石と言うべきか、堂々としてるなぁ輝羅は」



 ベンチスタートとなった星夜は、同級生の守る姿を眺めていた。



「……むしろ緊張して縮こまる輝羅の方が想像出来ない……」



「それは確かに。この中で最も縁が無さそうだよね」



 そんな姿を見る機会は、受験勉強の時ぐらいと影二から聞かされ、思わず噴き出しそうになってくる。



「しかし、流石は前川と言うべきか。2点目は簡単に取らせてもらえないね」



 積極的に攻撃を仕掛けていく立見だが、前川の組織による守備に阻まれ続け、追加点は生まれない。




 そこへ、試合を静観していた間宮が動く。



「古神! 坂田と交代だ。準備しろ!」



「! はい!」



 悪い流れになると予感したか、此処で断ち切ろうと1年のFWを起用。



 ジャージを脱ぎ捨て、ユニフォーム姿となった星夜は先輩の坂田と交代すると、輝羅に続いて高校の公式戦デビューを果たす。



「……良いなぁ……」



 1年の中で自分だけ取り残された影二は、羨ましさから呟く。




 時間は経過していき、前半の1点を奪って以降はゴールが生まれないまま、後半戦を迎えている。



「(何で入らないんだよ!?)」



 先程から前川の攻撃陣は、3バックの外からシュートを何本か狙った。


 前に出ているGKには効果的だろうと。



 だが、枠に行ったボールを小さな守護神に全て阻まれ続け、得点を0から動かせない。



 ゴールを守る輝羅に対して、相手から見れば不気味な存在となっている。




「このまま勝っていこうー!」



 明るくチームに声を掛けながら、輝羅は勢いよく右足でボールを蹴り上げた。



 無言になる事は無く、チームのムードメーカーも務める。



「守りに入るなよー! 強気に行こう強気に!」



 声を出し続ける後輩に負けじと、高良川も声を上げて後半の辛い時間帯、仲間達の背中を押す。




 タイムアップの時が迫り、前川は全体的に前へ押し上げて攻めに出る。



 中盤で立見のプレスに押され、ボールを後ろへ戻した時。



「(空いてるスペースに!!)」



 前川DFは立見のDFとGKの間を狙って、ロングボールを放り込むと前川FWが抜け出し、スペースに落ちた球へ迫る。



 取られればGKと一対一のピンチ。




「(来ると思ったー!)」



「!?」



 完全に抜けたかと思えば、何時の間にかゴールを飛び出していた輝羅の姿に、ぎょっと相手は驚いてしまう。



 その間、追いついた直後に右足でボールを蹴り出した。



 多くの選手達が密集する中、輝羅の蹴った球は人の隙間をすり抜けて通過すると、星夜の元まで届く。




「(輝羅のプレーには驚かされるけど、負けてばかりじゃいられないね!)」



 活躍する同級生に負けじと、星夜は前を向けば前川DFをターンで躱し、流れる動作から右足のトゥーキックでシュート。



 GKはタイミングを狂わされて飛びつけず、ゴールネットが揺れ動く。



「やるじゃないか古神!」



「でかしたルーキー!」



 決まった瞬間、高良川や柿田が駆け寄って他の先輩達も集まると、高校の公式戦初ゴールを手荒く祝福する。



「今のはキーパーのボールが良かったおかげですって……!」



 もみくちゃにされながらも、星夜は輝羅のアシストが大きかったと、立見ゴールの方を見た。




「此処まで来たら無失点だよー! 失点の多い2軍は今日でおさらばしとこー!」



 このままゴールを許さず、完封で終わろうと輝羅の声がフィールドに響き渡る。




「(あいつに関しては何の心配もいらなかったな。父親と同じ、憎たらしいぐらいに堂々と明るく振る舞ってやがる)」



 ゴールマウスに立つ輝羅の姿を見ていて、頼もしく生意気な後輩の姿を思い出す。



 つくづく血は争えないと。



 間宮が腕時計で時間を確認した時には、後半40分を過ぎてアディショナルタイムへ突入。



 守備に不安のある2軍だが、この日は輝羅を中心とした守備陣が最後まで相手の攻撃を通さなかった。




「15年以上経てば、こんな層が厚くなっちまうのか。あいつらプレミアを戦ってるメンバーと違うだろ」



「そこは俺も就任したばっかで驚いてんだよ。スタメンを選ぶ身としては大変だ」



 試合終了後、間宮と岡田の監督同士が話す。



「近年の立見は上位入賞止まりで、全国制覇は遠くなってると聞いたけど……お前が来たって事は今回、マジでタイトル狙ってんな」



「ま、期待には応えるつもりさ。監督になったからにはチームを負けさせたくねぇし」



 2人の監督が視線を向ける先には、初戦の勝利に喜び合ってる立見2軍のチーム。



 彼らと共に東京予選を突破、夏のインターハイ優勝。



 それに向けての第一歩を立見は踏み出していた。




 立見2ー0前川


 高良川


 古神


 マン・オブ・ザ・マッチ

 高良川正人

輝羅「無事に高校のデビュー戦を完封勝利で飾れたねー♪」


星夜「上出来過ぎるぐらいだよ。君はGKとして完封出来て、僕はFWとしてゴール出来たからさ」


影二「……出番、無かった……」


星夜「まだまだこれからだって。先は長いんだから出番来るよ」


影二「……そう願いつつ、次回は立見の1軍選手の戦いを見に行く……」


輝羅「1軍のサッカーはどんなもんかなー?」

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