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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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サッカー部の指揮官

「右来てるよー!」



 3軍同士でのミニゲームにて4対4で行い、此処でも輝羅がコーチングすると、DFに安定感を与えていた。



 先輩相手でもタメ口で指示をガンガン出したり、遠慮が無い。



「ふ〜……あいつノッてんなぁ」



「何時も神明寺って、あの調子なのか?」



 前の組で練習をしていた竜斗が、小休憩でドリンクを飲んでいる所へ、同じ組で一緒になった先輩達が話しかけてくる。



「中学の頃から何時もっすよ。あれでもあいつ、この前まで受験勉強してて滅茶苦茶どんよりしてましたからね」



「はぁ〜。想像つかんなぁ」



「受験勉強が辛い気持ちは凄ぇ分かる。遊びを捨てて勉強に打ち込んでいた時とか、そりゃもう地獄だったし……」



 竜斗の方は先輩達と打ち解けて、彼らと輝羅の事を話したりしていた。



「輝羅にとっては地獄から解放されたようなもんなので、そこから存分にサッカー出来る今は天国に思ってるかもしれないっす」



「立見の厳しい練習を天国と言う奴なんて、早々いないと思うけどな。そんな嫌だったのか……」



 立見のサッカー部で厳しい練習を重ねているにも関わらず、笑顔でメニューをこなし続ける。



 竜斗や部員達に見守られながら、輝羅は飛んできたシュートを正面でキャッチ。



 その顔は晴れ晴れとしていた。




 ☆



「あ〜、今日は外国語の授業で楽だったな〜♪毎日これだったらいいのに〜」



 放課後を迎え、今日の授業を終えた輝羅は影二と教室を出て、部室に向かう。



 難しい外国語の時間も、様々な国の言葉を喋れる輝羅にとっては余裕らしい。



「……何でそこだけは楽勝なの……与一といい……」



 以前の桜見で、外国語だけは輝羅と与一が常に全生徒の中でトップを争っていた。



 他があまり良くない分、その一点だけ何故得意なのかと、ブツブツ呟きながら影二は輝羅について歩く。



「さぁさぁ、今日はどんな練習が待ってるかな〜? またエンドレスデュエルやってほしいねー♪」



「……やったら輝羅が交代しないまま、ずっと守っちゃう……」



 あの練習で影二や理勝が連勝を重ね、長時間続けたが彼ら以上にフィールドへ立っていたのは輝羅だ。



 練習が終わるまで他のキーパーに出番が回らず、独り占めの状態となっていた事に、影二は場所を譲らなそうと思っている。



 ずっと守り続けている輝羅を見て、戸惑ったような顔をしていたコーチを思えば、ルールの変わる可能性があるかもしれない。




「おう、2人とも」



「あ、先輩お疲れ様でーす♪」



「お疲れ様です……」



 部室に向かう途中で先輩の部員が声を掛けると、輝羅と影二の後輩2人は揃って挨拶。



「今日は新しい監督が来る日だから、早く行った方が良いぜ。遅れてウケが悪くなれば昇格に響くかもしれないし」



「監督が変わるんですかー?」



「初耳……です……」



 新たな監督が来るのは輝羅も影二も聞いていない。



「3年の教室に行く時、滝口と守口の2人が話してるのが聞こえてさ。多分、しばらくタイトルから遠ざかってるのを良くないと見てか、名将でも呼んだのかもな」



 それだけ言うと、先輩の部員は一足先に部室へ急ぐ。



「立見、優勝してないんだ?」



「……全国には出てるけど……ベスト8とかで優勝は無い……」



 成績不振が続いて監督交代は事実なのか知らないが、輝羅は先輩からの話を聞いた後、影二からも近年の立見の成績を教えてもらう。



「神明寺弥一の居た頃が黄金期って言われてて……その時期が立見は多くのタイトルを獲得してた……それが切っ掛けで黛財閥と深い繋がりが出来たって聞いてるから……」



「父さんの時が一番凄かったんだね。そういう自慢を聞かされてなかったから、分かんなかったなぁ」



 父親から当時については聞いていない。


 過去の事をあまり語るタイプではなかったが、立見で凄かった事は輝羅も知っている。



 詳細を知っていけば、改めて弥一が大きな功績を立見に残している事を理解した。




「全員揃ったな」



 サッカー部専用の部室棟の前に、200人を超える立見サッカー部の部員達が勢揃い。



 キャプテンの水月が彼らの姿を確認すれば、皆の前で告げる。



「これから我が立見サッカー部の新監督となる人が現れる」



 水月の口から監督が来る事を知ると、部員達の間で緊張が走っていた。


 どんな人物が来るのかと皆が思う中、立見サッカー部の監督となる者が歩いてくる。




「あ……!」



 その人物を見れば輝羅から声が出た。



 黒ジャージを着る長身で赤髪の男が、会った事のある大人だからだ。



「しばらく来ねぇ間に随分と人が増えたもんだなぁ……」



 大勢の部員達の姿を眺め、小声で呟いた後に新監督となる男は皆の前へ進み出る。



「今日から立見サッカー部の監督を務める事になった間宮啓二だ」



 間宮の名前を聞くと、一部の部員達がざわついてくる。



「間宮って確か神明寺弥一とゴールを守っていた伝説のDF……!?」



「当時の黄金世代じゃないか……!」



「すげぇ、本物だ……! 格好良い……!」



 弥一と共に当時、立見サッカー部を優勝へ導いた事は部員達も知っていて、目を輝かせる者が大勢居た。




「正直今、ビックリしている」



 間宮は部員達の前で話し始め、皆も彼の言葉に耳を傾けていく。



「当時の立見サッカー部といえば、せいぜい30人か40人くらいで6軍とかそんなもん無かった」



 この中で唯一、黄金期の当時を知る間宮の話を部員達は興味深く聞いている。



「1人の男から始まったサッカー部が此処まで大きくなるたぁ……っと、長い話になって練習時間減らしたくねぇから此処までだ」



 立見サッカー部の前で懐かしい気持ちになったのか、昔を語ろうとしていた間宮は此処で話を中断。



「200人超えのサッカー部となった立見は俺1人じゃ面倒見きれねぇから、俺の他にも新たにコーチを用意している。来い」



 間宮の合図で、青いジャージを着た大柄な男と小柄な男の2人が、部員達の前に現れる。



 輝羅から見れば、大柄な方は祭りの屋台で見覚えがあった。



川田保(かわだ たもつ)です」



水島翔馬(みずしま しょうま)です」



 それぞれ2人が挨拶すると、再び部員達がざわざわと騒ぐ。



「あの2人って、神明寺弥一の同級生だ……!」



「川田保……立見の人間発射台って言われた……!?」



 彼らも当時の立見で弥一と共に伝説を作ったとされ、2人の名も広まっていたようだ。



「今日から俺の監督就任と共に、2人にもコーチとして参加する。元々のコーチ達には4軍、5軍、6軍を見てもらう」



 改めて間宮は部員達に伝える。



「巧くて強ければ誰でも上がれるチャンスはあるから、今レギュラーの位置にいる奴らも不動だと思うな。これを胸に刻んで練習開始!」



 上へ登ろうとしている者を後押しすれば、その位置に居る者には危機感を煽り、間宮の口から午後の練習開始が告げられた。




「サバイバル感が増してきたね〜」



「周りの熱が気の所為か、少し上がった感じがするよ」



 集合していた部員達が所属するチームへ分かれ、3軍と共に練習へ向かう途中で輝羅と星夜が話す。



「まさか、あんなサプライズがあったとは……流石に驚いたな」



「皆ざわついてたし、有名人が来たようなリアクションだったよー」



「実際にサッカー部のOBとして有名だからね」



 星夜が驚いてるのと同じく、輝羅も驚いていた。


 祭りの時や受験勉強の時にも間宮と出会い、話した時は立見の監督になる事など聞いていない。



 心でも読めなかった事を思えば、監督の件は前に会ってから話が来たのだと思われる。



 間宮達、当時の立見サッカー部で活躍したメンバーの参加に加え、互いの競争心を刺激させた事で部員達の士気が高まっていた。

竜斗「はぁ〜、かっけぇなぁ伝説の3人……」


影丸「滅茶苦茶オーラ放ってるのが見えたよ〜」


輝羅「部員全体が張り切ってるねー」


影二「……次回、輝羅に恋の予感……!?」


輝羅「え、その予告は打ち合わせで聞いてないけど〜!?」

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