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初めてのダンジョン攻略

ダンジョンでは交流はしない!


と、いう訳で俺は認識障害アイテムの指輪を嵌めた。

何故なら、あのロブとかいう奴はこのダンジョンの常連とかって聞いたので、かち合いたくないからだ。


さあ、いざ、ダンジョン。



入口まで来た。

1階はスライムか。


この世界のスライムはそんなに脅威ではない。

前前世の正志のゲームの世界のスライムは結構怖いけど。

酸や毒を吐いたり相手を溶かしたりとか正直ビビるわ。


こちらのスライムは弾力があるので、叩いても切っても効果がなくてやっかいなだけで、魔核を直接壊せば倒せるのだ。

そのかわり魔核を壊すので、魔石の回収が出来ない旨みのない相手でもある。


スライムはスライムを構成する魔核を元に瘴気から発生するが、魔核の真後ろに体内浄化された魔石が育っていく特殊な魔獣だ。

なので魔核を壊すと後ろにある魔石も破壊されてしまうのだ。

元になる魔核については、よく分かってない。

ダンジョン以外だと、水辺で見かける魔獣なので、その辺りにヒントがあるのかもしれない。


ところでスライム攻略についての補足だが、油断して覆い被さられると、溶かされたりはしないが窒息の危険があるので、速やかに振るい落とさなければならない。

その際どうも、相手の体力を奪うらしいのでそれにも注意だ。


ゲームや小説のスライムがゴミやトイレの処理をおこなったりするのは便利だなと思った。

下水道処理のない故郷の村にスカウトしたいくらいだ。



改めて一歩踏み出したダンジョンの中は、薄暗いが何処からか灯りがあるかのように、なんとか辺りが見えている。

石畳と石の壁。

敵の姿はない。

だけど索敵を飛ばすと、すぐ目の前が赤い点の塊になり真っ赤になった。

え?


ボトボトボトボトッ!!



大量のスライムが天井から落ちてきた。


ひあっ… 

ビックリした。

俺はこの階層用に準備した武器である薙刀のような物で、とにかく突いたり切ったりした。

魔核に当たればラッキーと。

スライムは大抵は透明なので、うっすら見える魔核を狙えばいい。

数が減った所で無魔法のバレット(魔力の弾)で核を狙い撃つ。

なんとか倒したが、入口で大量に落ちて来るとかってないわぁ。

新人だったら危ないよ。


スライムは何も落とさないしこの階はみんな適当に倒して通り過ぎるらしい。

俺もそうする。


下の階層へ続く入口の前にも大量のスライムがいた。

離れた所からエアカッターでスライムの集団らの魔核が壊れるまで切りまくる。

はあ…

早くボス部屋に行きたい…


気を取り直して2階へ続く階段を降りていくと、饐えた臭いが立ち込める。

まさしくゴブリンの臭いですわ、これは。

2階は石畳ではなく下は地面で壁はごつい岩になっている。

降りてすぐ、フラフラ歩いている3匹がいた。

そいつらと目が合う前に瞬殺する。

多分偵察番のゴブリン達だから。

忘れずに魔石を回収。

ダンジョンの魔物魔獣は、倒せばすぐ消滅し、魔石やドロップ品を落とす。


他にも、ダンジョンに(人間などの)死体や一定期間動かない物は消えて残らない。

だから仲間が亡くなった場合、担いで運ぶか、アイテムバックに収納するとかしないとダンジョンの表に出せない。

それが出来ない場合は、遺品を持ち帰るしかない。

それだとダンジョン内の殺人が合法化されそうだが、ダンジョンには判定(ジャッジ)の精霊が棲むと言われ、明確な悪意または冷酷な仕事として殺人を犯すと、本人にそれが返ってくると信じられている。

実際、非合法組織?のそれらは、ダンジョンでは殺しはしないと言われている。

ほんとかどうかは不明だ。


話は戻すが攻略を続けるぞ。


「う~ん、確か2階もみんな素通りって言ってたな」


ゴブリンは魔石は落とすが小さいし他にお宝もないらしい。


索敵で敵を把握し遠距離魔法で殲滅、そして魔石回収。


それが作業と化した頃、3階層へ続く階段前に到着。

階段を降り、途中の踊り場で一息付く。


その間、他の冒険者に誰にも会わなかった。

ここの常連達は分かってるんだな。

1、2階は無用って。

3階層から、コボルトは武器を、魔オオカミと魔ベアは毛皮、オークとオーガーは固い革をランダムで落とす。

特にオークとオーガーの革は防具として高く売れる。



そう言えば、正志の世界の小説で、ゴブリンやオークが他種族の雌を浚って繁殖とかするって話がよくあるけど、こちらではそういう事実はない。


後、小説で食べられているオークの肉も、こちらでは食べられてはいない。

これは瘴気の毒性が強いからだ。

魔物魔獣の体内から発生する魔素は浄化されているので、能力アップに摂取が出来るが、その肉体には瘴気の毒が浸み込んでいるので。

例え食べられても、人型に嫌悪もあるので、食されることはないと思う。


そもそも、魔獣や魔物は普通の生き物のように繁殖で生まれる訳ではない。

瘴気から発生するのである。

地上によくあるゴブリンの巣も、魔物自体が瘴気を引き寄せ、寄り集まったゴブリンらを模した様に、仲間が増えていくのだ。

魔獣や魔物は人に襲いかかるが、けして捕食する訳ではない、ただ殺しにかかるだけなのである。


不思議なのは、人型の魔物の衣服や武器、装飾などだが、これはそれこそ、元は魔素である瘴気の ≪形成≫ ではないかと、ユリウスは考察している。

≪形成≫ とは地魔法の一つで、あらゆる物体を仮りにだが作り出すものだ。

中には地に眠る金属を使い永続的に残る物も作り出せる。

そして魔物を生み出す瘴気とは、魔素が淀み変質したものなのである。


そうそう、瘴気から生み出された魔物の中にある魔石は、安全なのかという疑問が湧いたが、それについては、古代の遺跡の知識の資料に記述があったそうだ。

瘴気から生み出された魔物魔獣は、発生と同時に瘴気が肉体化する為、体内の瘴気は浄化された魔素になる。

そして、肉体化された瘴気の余剰分が、浄化された魔素の塊として魔石に構成されるのである。

その魔石も、魔物魔獣が瘴気を外から浴びる度に、浄化され育って大きくなると言う。

だから魔石に触れても使用しても大丈夫だ。


魔物魔獣は体内の魔素は浄化されているのに、肉体が毒に侵されている故、人に害をなすのだろうか…



他に、瘴気から生まれた魔獣の中でも、ホーンラビットは食すことが可能だと知られている。

これは、少ない瘴気から生まれた魔獣なので、普通の生物と変わりない身体なのではないかと、やはり資料に載っていたそうだ。

実際は、多少毒性があっても死なない程度の非常食という認識なのだが…


最後に、魔物魔獣はテイム出来ない。

テイムは、普通の動物か、幻獣と呼ばれる妖精界の生き物に限るのであるという。





さて、長々解説の思考にまた入ってしまったが、仕切り直す。


3階層に降りる前に魔力回復のポーションを飲んだ。

魔力の残量は常に気をつけないといけない。


魔力を満タンにしてから3階層に入ると前方で誰かが戦闘してる気配があった。


関わる気はないので通り過ぎる。


コボルトは狡猾で常に集団で襲ってくる。

しかも左右からはさみ撃ちときた。

うざいので、右は地魔法で穴を掘り下に落とす。

3階も地面になっているのでこれ幸いに落としてやった。

左はエアカッターで切り裂いた。

穴の中の敵にも魔法で殲滅して、穴を元に戻した。

魔石と槍、鎧、盾などが落ちていた。


後方の冒険者と関わりたくなかったのでこの階も出来る限り素通りしていく。


ふと気付くと何も食べてないことを思い出した。

ふう、やっぱ初めてのダンジョンに緊張してたんだな。

4階に降りる階段前へ急いで向かった。

階段を降り、途中にある踊り場で、手早く食事を済ましまた魔力回復をして4階層に入った。



4階層に入ると景色が草原ようなものに変わった。

今までの巨大な地下室のような所から一転して、辺りも明るい。

ダンジョンは不思議だ。

上を見上げると偽りの空がある。


ユリウスは、階層ごとに、一定の閉じた別空間と繋がっているのではないかと、こちらも考察している。


草原は隠れる場所がないので慣れないと危ない。

常に索敵で敵を把握し囲まれないように動かないとならない。

魔オオカミも集団で襲ってくるからだ。


さて、1階から3階まではそれ程広くもない階だったが、この階層からはかなり広いはず。

魔物魔獣を倒せさいすれば、今までサクサク進めたが、ここからは歩き甲斐がありそうだ。

索敵を限界まで伸ばしていくと、赤い点の塊と緑の点の塊が入り乱れている箇所が7つほどあった。

冒険者達が各所で戦闘してるのだろう。

それらを避けて進んでいく。


それでもどこからか湧いてくるのか魔オオカミの集団が近づいてくる。

コボルト同様深めの穴に落とし魔法で殲滅した。

魔石と毛皮が多数落ちていた。

地上と違ってダンジョンでは毛皮を傷つけないようにとかって心配はない。


この階は確かに広い、この後随分歩かされ、何度も魔オオカミの集団と遭遇し戦闘した。

疲れを感じて懐中時計で時間を見ると、もう夜中になっていた。

辺りが明るいので気が付かなかった。

ダンジョンは、明るさが一定の場所もあれば、地上の朝、昼、晩、のように明暗が変わる場所もある。

最も、真っ暗な所もあるので、魔法が使えない場合、ライトの魔道具は必須だ。


俺はなんとか5階層への降り口傍まで辿り着き、階段入口を避け横壁の最奥へ、異空間収納から【隠れ家】を取り出すことにした。

階段途中にある休憩用の踊り場では、いくら小屋くらいの小さな家だとしても、テントと違って一瞬でも目撃されてはまずいからだ。

まあ隠すけどね。


この家を隠微で隠し、魔獣除けの結界も発動させる。

辺りに誰の気配もない。

勿論索敵も飛ばし、完全に赤も緑の点もないことを確認してからだ。

ふう、

疲れた。



家の中に入りすぐに風呂に湯を溜める。

汗と返り血や泥を洗い流しゆっくり浸かった。

はあ、生き返る。

風呂はいいなあ。

いつか自由に転移出来るようになったら、温泉場に転移点を置いて、毎日行こう。


今日は魔石やドロップ品も沢山手にいれたけど、本番は5階層以降だな。


楽しみだ。


夜は収納で熱々を保ったままのビーフシチューとクルミが練り込んである焼きたてパンを籠いっぱい食べた。

美味いな。

これが自分へのご褒美ってやつかもなあ。

今日もお疲れ自分。

布団に潜り込むと瞼が重い。

おやすみ。


«お疲れ»

«お疲れさん»


前世達の労りも聞こえた、ありがとさん  zzz

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