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転生したら天使のように優しい令嬢になったけどごめんなさいそんなに性格良くないので期待しないでください  作者: ブリージー・ベル (旧・瑚希)


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隠れキャラは誰

シャーロットもリジーも刺繍の準備で忙しくなり、テオとジュードも剣術の練習で忙しいようで、私1人時間をもてあますようになった。そうなるとじっとしていられない。使えそうなアイテムを書き出したリストを持って研究所に通い始めた。

 男性と二人きりにならないようにしたいので、1度屋敷に戻ってルナを乗せて一緒に行く。乗馬の練習が忙しいウイリアムもたまに顔を出して、一緒に実現できるか考えたりするのが楽しい。


 通い始めて2週間ほど経った頃、ルナとたまに話す研究員がいることに気づいた。真面目そうでいつも寝癖で髪がボサボサの男性。もしかしてと思い、ルナに雑用を頼んでその人と作業をしてもらうことにした。少しだけこの部屋で私1人になるけれど、1人なんだから大丈夫。誰か来たら帰ればいい。そう思っていたのに。


 今、ライアンと二人きりだ。今度開発する電池の印税的な収入の書類にサインを要求され、帰るに帰れない。黙々とサインを済ませ、ルナに声をかけて帰ろうと思い立ち上がる。


「では、失礼します」

「あなたのことを諦められない」

「はい?」ポカンとして立ち尽くす。


「何を諦めるのでしょうか?アイデアならこれからもこちらにお世話になる予定ですが」

「あなたのことが好きです」

「ええっ!?」

「エドワードに諦めろと言われたんですが・・」

「ありがとうございます。でも、お気持ちに応えることはできません」

「やはり好きな人が?」

「はい」

「どなたかお聞きしても?」

「テオです」


「うわーーーー!!」絶叫とともに部屋に飛び込んで来たウイリアムが私にしがみついた。


「聞きたくなかった・・アリスがテオを好きだなんて・・はっきり聞きたくなかったのに!」

「お、落ち着いて」

「嫌だ、こんなの無理だ」

「困ったわ」


 コンコン


 小気味よいノック音に振り向くと、開け放たれたドアに寄りかかって佇むテオがいた。


「何をしているのかな?」優雅な笑顔が怖い。


「これは、えーっと」

「説明するよ」


 ライアンが、告白したこととその返事をウイリアムが聞いて取り乱していることを説明してくれて、最後に「君のことが好きだとはっきり断られたよ」そう言って部屋を出ていく。


「アリス」

「はい」

「本当に成長したね」ウイリアムを私からぺりっと引き剥がし、今度はふわりといつもの笑顔で褒めてくれた。


「じゃあ一緒に帰ろうか」

「あ・・」


 手をひかれ、ルナがいる部屋を覗いてみると、なんだか楽しそうに笑っていた。後でゆっくり話を訊こう。ルナだけのせて我が家の馬車は帰っていく。テオの馬車に乗せられ足の間に横抱きにされて

いるけれど、テオがなにか考え事をしているのか、何もしてこないし何も言ってこない。


 そろそろ屋敷に着く頃、テオの頬をペチペチと叩いてみた。

「ん?」

「そろそろ着くから普通に座らせて」

「わかった」


 すんなり離してくれるのも変だ。


「どうかした?」

「いや・・」


 降りる頃、ようやく私に意識を集中して「はい」と自分の頬を指し示す。今ならキスしたフリでも大丈夫な気がして、唇を人差し指と中指の背で隠してキスをしたら「なんのつもりかな」

と両手を片手で拘束されてしまう。


「心ここにあらずって感じだったから、バレないかなと思ったのに」

「ごめんね」そう言って私の髪にキスを落とす。

「考えていたのはアリスのことだから」

「そう・・」

「訊かないの?」

「必要なときには話してくれるんでしょう?」

「約束する」

「じゃあいい。あ、でもどうして今日来たの?」

「そろそろ嫌な予感がしたから」

「す、すごいのね」


テオを見送り、クッポを呼び出す。


「ねえ、もしかしてライアンって隠れキャラ?」

「違うよー」

「え、そうなんだ・・」


好意を寄せてくれる人は皆、攻略対象かと思っていた。


・・ということは、ライアンは純粋に私に好意を寄せてくれたってこと?そうだったらなんとなく嬉しい。だって、この決められた世界の中ですごく純粋だわ。結ばれることはないけれど。私はもうテオしか見ない。

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