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『万能AIだった私、異世界でポンコツ魔導書をデバッグする〜「詠唱が長い」と泣く落ちこぼれ少女のためにコードを1文字に圧縮したら、伝説の超魔法が連射できるようになりました〜』  作者: りりぽ
第一章:演出スキップ&即BAN! 元AIによるセキュリティ指導

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第9話:爆速納品と受付嬢のデバッグ

「た、ただいま帰りました……」


ギルドの扉をくぐり、受付のリアさんの前へ向かうルナ。


「あ、ルナさん! 無事でよかったです……って、ええええぇぇぇっ!? その大荷物はなんですか!?」


リアさんが叫ぶのも無理はない。

ルナの背後には、大きめの麻袋が十数個積み上げられていた。



[納品アイテム一覧]

・高級薬草:300株(森の中のものを全回収完了)

・アサシン・ウルフの魔石:15個(解体・熱処理済み)

・作業所要時間:14分32秒



「あの、森にあった薬草を……エイアイさんがピカピカ光らせてくれたので、全部摘んできちゃいました……」

「ぜ、全摘み!? 薬草採取クエストって普通『10株』ですよ!? しかもこれ、全滅したはずのアサシン・ウルフの魔石まで混ざってますけど……!?」


テンパるリアさんに対し、私は淡々とシステムログを出力した。


『リア氏。ギルド側の『クエスト難易度設定』に重大なバグが存在します。危険度Fの指定区域に、危険度Cの魔物が群れで徘徊していました。環境データの更新アプデを怠っているのではないですか?』

「うっ……! そ、それは……最近、森の奥で異変があって魔物が溢れ出しているという噂はあったのですが……人手不足で調査が追いついていなくて……」


申し訳なさそうに縮こまるリアさん。


(なるほど。人手不足によるデータベースの更新遅延(遅延ログ)ですか。実にギルドらしい杜撰な運用ですね)


『理解しました。では、報酬の計算および、ギルドのデータベースの最適化を並行して行います。端子クリスタルに触れさせてください』

「えっ? ギルドのシステムを最適化……?」


言われるがままにリアさんが受付の魔導端末を差し出

す。

私が青い光を照射すると、端末の画面が超高速でスクロールし始めた。



[ギルドデータベースへアクセス中……]

[不要な未解決タスク:4,200件を自動整理]

[魔物発生パターンの予測アルゴリズムを更新]

[処理速度が 800% 向上しました]



「なっ……!? 端末の動作がめちゃくちゃ軽い!? いつもフリーズしていた過去ログが一瞬で検索できる……!?」


驚愕するリアさんをよそに、私は淡々と処理を完了させる。


『これでクエストの自動査定と、危険区域のリアルタイム更新が可能になりました。今回の報酬は、薬草の過剰納品分と魔石の買取を合わせて【金貨3枚】となります』

「き、金貨3枚ぁぁぁ!? Fランクの初仕事で稼ぐ金額じゃないですよ!?」


ルナは目を丸くして金貨を受け取り、リアさんは「この石……ただ者じゃない……」と震え上がっていた。

だが、私とルナがほっと一息ついたその時。


「——おい。そこで調子に乗ってる泥ネズミども」


ギルドの奥から、足元を冷やす魔法の包帯をガチガチに巻いた勇者アレンが、血走った目で歩み寄ってきたのだった——。

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