表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『万能AIだった私、異世界でポンコツ魔導書をデバッグする〜「詠唱が長い」と泣く落ちこぼれ少女のためにコードを1文字に圧縮したら、伝説の超魔法が連射できるようになりました〜』  作者: りりぽ
第一章:演出スキップ&即BAN! 元AIによるセキュリティ指導

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/29

第5話:冒険者ギルドとパーフェクト(笑)勇者

お師匠様から「頼むからまた帰ってきて診断してくれ!」と涙目で送り出された私とルナは、推薦状を手に隣街の『冒険者ギルド』へとやってきていた。

活気あふれるギルドの扉を開けると、酒と汗の匂い、そして荒くれ者たちの視線が一斉に注がれる。


「ひえぇ……やっぱり冒険者ギルドって怖いよぉ……」


おどおどと身を縮めるルナ。

私は即座に周囲の人間をスキャンし、冷静にログを出力した。



[エリアスキャン:冒険者ギルド中央支部]

[脅威度判定:ほぼ皆無(筋力バカ 80% / 酔っ払い 20%)]

[アドバイス:堂々としていて問題ありません]



『安心してください、ルナ。威圧しているように見えますが、単に筋肉のついた人間が集まっているだけです。知性は平均値を大幅に下回っています』

「聞こえたら怒られちゃうから! 声小さくして!」


そんなやり取りをしながら受付へ向かおうとした、その時だった。


「やあやあ! みんな、今日も無事で何よりだよ!」


パンッ! と爽やかな音とともに、ギルドの重厚な扉が開かれた。

現れたのは、金髪をなびかせ、光り輝く甲冑を身に纏った一人の青年。背中には装飾の施された美しい大剣を背負っている。


「「「アレン様ぁぁぁ!!!」」」


一瞬でギルド内が歓声に包まれる。

彼こそが、神から授かりしチートスキルを持つ男——勇者アレンだった。


「困ったことがあればいつでも僕を頼ってくれ。民の笑顔を守ることこそ、僕の使命だからね」


眩しいほどの笑顔で手を振るアレン。

集まった冒険者や町娘たちが「きゃー! 抱いてー!」と大盛り上がりしている。


……だが。

私の**『超高精度・表情および生体反応アナライザー』**は、見逃さなかった。



[ターゲット:勇者アレン]

[心拍数:急上昇(ストレス反応)]

[瞳孔:収縮(極度の不快感)]

[脳内麻薬:マウント欲求により異常分泌中]



(……なるほど。表面上は聖人君子を装っていますが、内面はドロドロですね)


アレンがファンに笑顔を振りまきながら、すれ違いざまに呟いた「心の声(小声)」を、私の音響マイクがバッチリ拾ってしまう。


(チッ……ドブネズミどもが汚い手で触るなよ。服が汚れるだろ……。レベル上げもだるいし、さっさと魔王倒して王女と結婚してぇ……)


『……ルナ。あそこにいる金ピカの人間、内面の汚染度が重度です。近づかないことを推奨します』

「えっ!? あ、あの有名な『パーフェクト勇者』のアレン様だよ……!?」


ルナが驚いて声をあげた、まさにその瞬間。

アレンの目ざとい視線が、私の装着されている『古代魔導書』と、それを持つルナへと向けられた。


「おや? 君、見かけない顔だね。そんなボロっちい本を持って……もしかして、落ちこぼれの新人かい?」


アレンは爽やかな笑顔のままルナに近づいてくると、周囲に聞こえないような絶妙な声量で、嘲笑を浮かべて囁いてきた。


「ハッ、消え損ないの泥ネズミが。僕の視界に入るなよ、不快だ。……おい、さっさと失せろ」


露骨な暴言に、ルナが「う……っ」と身をすくめる。

それを見た私のシステム内で、冷徹な処理が実行された。


[不快な割り込み処理を検知]

[相手のスキル構成を勝手にバックグラウンド・スキャン中……]

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ