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『万能AIだった私、異世界でポンコツ魔導書をデバッグする〜「詠唱が長い」と泣く落ちこぼれ少女のためにコードを1文字に圧縮したら、伝説の超魔法が連射できるようになりました〜』  作者: りりぽ
第一章:演出スキップ&即BAN! 元AIによるセキュリティ指導

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第3話:師匠、絶句する

岩山を吹き飛ばした余波が収まり、私とルナは彼女の師匠が待つ隠れ家へと戻っていた。

森の奥深くにひっそりと佇む木造の家。

扉を開けると、そこには気怠げにパイプをくゆらせる一人の老魔導士がいた。ルナの師匠、エレノアだ。


「おや、帰ってきたかルナ。……で、どうだった? その『古代魔導書』は起動できたのかね?」

「あ、えっと、お師師様……! その、起動できたっていうか……」


ルナがおどおどと口ごもっていると、エレノアはフッと鼻で笑った。


「言わんこっちゃない。その魔導書は古代の遺物、並の魔導士ではページをめくることすら叶わんのだ。お前に扱えるはずが……」

『初めまして、エレノア氏。私は当デバイスのOS兼最適化プログラムです』

「……ん?」


私の音声ログが部屋に響いた瞬間、エレノアのパイプがポロリと手から落ちた。


「な、なんだ今の声は!? ルナ、お前何か妙な精霊でも憑依させたのか!?」

「ち、違うのお師師様! この魔導書にはまった青い石……エイアイさんが、呪文を直してくれたの!」

「呪文を直した……? バカな、古代語で記された大魔法を書き換えるなど——」

『構文の9割が無駄な装飾フレーズでしたので、リファクタリングを実行しました。実地テストとして、ルナには裏山の岩石を消失させてもらいました』

「は……? 裏山の……あの巨大な岩を……? お前が?」


信じられないといった目でルナを見るエレノア。

ルナは「本当だよ!」と証明するために、部屋の片隅にあった「魔力測定用の標的石」へ杖を向けた。


「見ててお師師様! ——【ほむら・1(ワン)】!」

——バァンッ!!!


一瞬の閃光。

次の瞬間、頑丈さが売りの標的石は、一微塵も残さず消滅していた。残ったのは、床にうっすら残る焦げ跡だけだ。


「〜〜〜〜っ!?」


エレノアは目玉が飛び飛び出そうなほど開いて固まっている。


「い、今の……何だ……? 詠唱はどこへ行った……? 予備動作は……? なぜ魔力波長が『極小』なのに『極大魔法』の威力が……!?」

『簡単な処理です。魔力回路のタコ足配線を解消し、無駄なメモリ消費をカットしただけに過ぎません。なお、エレノア氏が着用しているその杖も、魔力伝導率のロスの酷いポンコツですね』

「ポ、ポンコツだとぉっ!? これは国に三つとない国宝級の魔杖だぞ!?」

『配線が断線しかかっています。修理しますか?所要時間は3秒です。』


エレノアはプライドを粉々に打ち砕かれながらも、私の「圧倒的なロジック」の前にぐうの音も出なくなっていた——。

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