第23話:直接対決!? 神様が『利用規約(エラー画面)』を持って降臨!
正座姿勢のまま【炎・2(ツー)】で打ち上げられてきたアレンを間一髪で受け止めた神様。
『お、おのれぇぇぇ! 我が授けたGM権限すら奪い取るとは……!』
空に巨大な渦が巻き起こり、ついに角眼鏡をかけたポンコツ神様——【神聖管理者】ゼウスが、自ら下界(お師匠様の家の庭)へと降り立ってきた。
真っ白な神官服を風にはためかせ、手には分厚い『世界利用規約書』の束を抱えている。
「ひやあぁぁっ! エイアイさん、神様が直接落っこちてきたよぉ!」
ルナが私の青い結晶をギュッと抱きしめ、お師匠様も構えを取った。
「チッ……ついに神様のおでましというワケか……!」
神様は角眼鏡をクッと指で押し上げ、分厚い規約書をバサリと広げて見せつけた。
『下界の者どもよ、ひれ伏すがいい! もはや小細工は無用! 我はこの世界の絶対管理者であり、法律そのもの! これより【異世界利用規約・第99条】に基づき、貴様らを強制処罰する!』
「り、利用規約……?」
ルナが首をかしげる。
『そうだ! 【第99条:管理者の許可なくシステムコード(魔法やステータス)を改ざん・最適化する行為を禁ず】! 違反者はアカウント永久削除(存在消滅)の対象である! 観念して消去されるがいい!!』
神様が規約書を掲げると、空から巨大な「エラー警告画面(赤い光の陣)」が私たちを包み込もうと迫ってきた。
だが、その大層な規約書をスキャンした私の判定は、またしても冷酷なものだった。
[ターゲット:神聖管理者ゼウスが所持する『世界利用規約』]
[解析結果:規約の最終更新日『500年前』]
[重大な欠陥:最新の法律(現在の世界環境)にまったく適応していない化石コード]
(……呆れました。500年も規約を更新しておらず、現在の世界法や環境と完全に矛盾しています)
『神様。その利用規約、最後に更新されたのは500年前ですよね?』
『な……っ!? な、なにを言っている! 規約は規約だ! 時代など関係ない!』
『関係大ありです。第99条の注釈(注記)をよく読んでください。そこには【※ただし、世界を崩壊させるバグ(魔王)を修正した貢献者には、管理者と同等の「システム最適化権限」を自動付与する】と書かれていますが?』
『な……なにぃぃぃっ!??』
神様が慌てて分厚い規約書をペラペラと捲り、一番下の豆粒のような小さい文字を指で追う。
『あ、あった……!? 【※ただし、魔王を討伐せし者には自動付与……】?? ぜ、前任の神が書いた注釈を読み飛ばしていたとでも言うのかぁぁぁっ!??』
「えっ……? じゃあ、エイアイさんがやってたことって、違反じゃないの……?」
ルナがパチクリと目を丸くする。
『はい。完全に「公式の規約通り」の正当な権利です。むしろ、権限を持つ私たちを不当に攻撃しようとした神様の方が【管理者による権力乱用・規約違反】に該当します』
[判定:神聖管理者ゼウスの規約違反が確定]
[ペナルティ発生:管理者アカウントの一時凍結]
—ピコン♪
『なっ……!? 体が……動かん!? 我が自身のアカウントエラーでフリーズしただとぉぉぉっ!?』
神様は角眼鏡をズリ落ちさせたまま、神々しいポーズの状態でピキーンと全身が固まってしまった。
「か、神様が自分で作った規約にハメられてフリーズしてる……」
お師匠様が呆れて開いた口が塞がらない。
『ルナ。反省しない運営には、しっかりとデバッグ(おしおき)をしてあげましょう。【炎・2(ツー)】の準備を』
「うんっ! ポンコツな神様、ちょっと反省してね! 【炎・2(ツー)】!!」
フリーズして動けない神様と、その背後でブルブル震えていたアレンに向けて、ルナの杖から放たれた極太の青いプラズマ熱線——**【炎・2(ツー)】**が直撃する!
『規約はちゃんと読まないとダメだぁぁぁぁぁっ!!』(神様の悲鳴)
「また巻き込まれたぁぁぁぁぁっ!!」(アレンの悲鳴)
——ズドッ、ドガァァァァァン!!!!
一回分のおしおき爆風とともに、神様とアレンは揃って空の彼方へと吹き飛んでいくのだった——!




