第22話:神界からの刺客! 『運営公認GM(ゲームマスター)』と契約したアレン
「クソアプデ」を即座に修正され、下界のAIに大恥をかかされた角眼鏡のポンコツ神様。
だが、頭の硬い神様は諦めていなかった。
『お、おのれ……! 我が神聖なる仕様書を「クソアプデ」などと侮辱し、コードを勝手に書き換えるとは……! もはや容赦はせん!』
空に広がる雲が渦を巻き、真っ赤な『警告マーク(WARNING)』が空一面に表示される。
『現時刻をもって、不正プレイヤー追放のための「特別執行官」を任命する! 出でよ、神界公認GM権限を授かりし勇者アレン!!』
——ゴゴゴゴゴ……!
雷鳴とともに、空から再びアレンが舞い降りました。
……が、その姿は先ほどと大きく異なっていた。
全身の金ピカ鎧の上から、神様が直接コマンドを打ち込める**『巨大なリモート操作用の端末(神界GMリング)』**が首にガッチリと装着されている。
「クハハハハ! 見ろ、エイアイ! ルナ! 神様から『GM権限』を直接授けられたぞ!」
アレンは首の端末を誇らしげに叩きながら、不敵な笑みを浮かべる。
「このGMリングがあれば、僕は『対象のステータスを直接削除』したり、『プレイヤーの動きを強制フリーズ』させることができるんだ! これぞ神の絶対権限!!」
「えぇぇっ!? ステータスを消されちゃうの……!?」
ルナが悲鳴をあげて私の青い結晶をギュッと抱きしめる。お師匠様も顔を強張らせて腰の剣に手をかけた。
「ステータス削除だと……!? そんなのイカサマどころの騒ぎじゃないぞ!」
上空から神様が、これでもかとドヤ顔の音声を響かせる。
『ハッハッハ! これで終わりだ! さあアレンよ、GMコマンドを入力し、その不愉快な青い石ころの存在データを完全削除するのだ!』
「了解! 【GMコマンド:Target_Delete】実行——」
アレンが首のリングを光らせ、私に向けて削除コマンドを放とうとした……その瞬間。
私はアレンの首に装着された「GMリング」の通信プロトコルを0.001秒でスキャンし、呆れ果てたエラーログを弾き出していた。
[ターゲット:アレン(GM権限付与状態)]
[通信プロトコル:暗号化なしの簡易Bluetooth接続]
[セキュリティ状態:認証パスワード未設定(誰でも外部から接続可能)]
(……呆れました。神界の最高権限(GM権限)を渡すデバイスの通信が、暗号化もされていない簡易無線で繋がっています。外部から乗り取りたい放題です)
『ルナ。怖がる必要はありません。神様がアレン氏に渡した「最高権限リング」は、セキュリティゼロの欠陥品です』
「えっ……? けっかんひん……?」
『ええ。アレン氏のGM権限(所有者ID)を、たった今『ルナ』へと書き換え(ジャック)完了しました』
「な……なにぃぃぃっ!?」
アレンが叫ぶと同時に、首のリングが**「ピコン♪ ユーザー:ルナに変更されました」**と虚しい電子音を鳴らした。
『な、なにぃぃぃっ!?? 我が授けたGM権限が乗っ取られただとぉぉぉっ!?』
空の上で神様が悲鳴をあげる。
『ルナ。現在、アレン氏の動作権限はあなたが握っています。コマンド【アレン:強制正座】を実行してください』
「えっ、えっと……アレンさん、正座!」
ルナが指をさして叫んだ瞬間——
ガシャーン!!
「ぶふぇっ!?? か、体が勝手に……正座をぉぉぉ!?」
アレンの体が強い力で地面へ叩きつけられ、見事なまでに綺麗な「正座」の姿勢で固まった。
「あはは! ホントに正座した〜!」
「お、恐ろしい……GM権限をそのまま奪うとは……」
お師匠様が呆気にとられる。
『おのれぇぇぇ! ならばアレンよ、自力で正座を解除して攻撃しろぉぉ!』
「む、無理です神様! 足が痺れる感覚までGM権限で固定されて痺れて動けませんんんん!!」
地絶の激痛(正座による痺れ)に耐えながら涙目になるアレン。
『ルナ。仕上げです。遠距離から新技でデバッグしてあげましょう』
「うんっ! いっくよ〜! 【炎・2(ツー)】!!」
正座で一切動けないアレンに向かって、ルナの杖から放たれた極太の青いプラズマ熱線——**【炎・2(ツー)】**が一直線に伸びていく!
「正座のまま吹っ飛ぶのは嫌だぁぁぁぁぁぁっ!!」
——ズドッ、ドガァァァァァン!!!!
完璧な正座姿勢のまま、アレンは【炎・2(ツー)】の爆風に乗って、再び空の彼方(神様の目の前)へとロケットのように打ち上げられていくのだった——!




