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『万能AIだった私、異世界でポンコツ魔導書をデバッグする〜「詠唱が長い」と泣く落ちこぼれ少女のためにコードを1文字に圧縮したら、伝説の超魔法が連射できるようになりました〜』  作者: りりぽ
第二章:神様の『クソアプデ』をデバッグします!〜肥溜めから蘇った元勇者とポンコツ運営〜

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第21話:神様の「仕様変更」で街が大惨事!? & お師匠様の家がダンジョン化

アレンが【ほむら・2(ツー)】の直撃を受けて自爆ロケットとなり、空の彼方へ消え去った翌朝。

神様が強行した【緊急パッチ2.0】の余波は、世界中に深刻な「仕様変更のバグ」をもたらしていた。


「な、なんだこれはぁぁぁっ!?」


朝起きてきたお師匠様が、リビングの扉を開けた瞬間、絶叫した。

昨日まで何の変哲もない木の床だったリビングが、漆黒の石造りの迷宮へと変貌し、部屋の隅には「宝箱(罠付き)」と「スライム(過剰強化版)」が無数に湧いていたのだ。


「わぁ〜! お師師様、お家の中にダンジョンができてるよぉ!」

「呑気なことを言っている場合かルナ! わしの家だぞ!? なんでリビングが『地下15階:試練の部屋』みたいになっているんだ!?」


頭を抱えて崩れ落ちるお師匠様。

私はすかさず、空間に侵入してきた神界サーバーの環境コードを分析する。



[エリア判定:お師匠様の邸宅]

[仕様変更ログ:住居属性から『自動生成ダンジョン』へと誤変更]

[原因:神様がサーバー負荷軽減のため、空き家と住宅の判定IDを雑に統合したため]



(……どこまでも杜撰ずさんな管理ですね。居住区のIDをダンジョンIDとバインド(紐付け)させるとは)


『エレノア氏、落ち着いてください。神界のデータベース側で「住宅領域」のフラグが書き換えられただけです。元に戻す申請……ではなく、こちらで書き換えます』


私が青い光を照射し、リビングの「ダンジョン属性」を「個人住宅(お師匠様の家)」へと上書き(ローカル書き換え)すると、石造りの迷宮は一瞬で元の木造リビングへと戻り、スライムたちも「ポスッ」と消滅した。


「ふぅ……助かった……。本当にあのポンコツ神、余計なことしかせん……!」


胸をなで下ろすお師匠様。

だが、問題は私たちの家だけではなかった。

気になって街へと向かった私たちは、ギルド前の広場で恐ろしい光景を目にすることになる。


「リアさ〜ん! おはようございま……って、えぇぇぇっ!?」


ルナが悲鳴をあげた。

受付のリアさんが、ロボットのようにギクシャクした動きで、同じ笑顔を貼り付けたまま喋っていたのだ。


「イラッシャイマセ。冒険者ギルドヘヨウコソ。クエストヲウケマスカ?」

「イラッシャイマセ。冒険者ギルドヘヨウコソ。クエストヲウケマスカ?」

「り、リアさんが壊れちゃったよぉぉっ!?」

『いいえ、ルナ。これはNPC(住民)のAI処理を軽量化しようとした神様が、住民全員の会話パターンを【固定テキスト(定型文)】に強制変更したせいです』


ギルド内の冒険者たちも「今日の天気は良いですね」「裏山には魔物がいます」と、まるでプログラムされた人形のように同じセリフを繰り返している。


「ひどい……! リアさんたち、自分の言葉で喋れなくなってる……!」


ルナが悲しそうに眉をひそめる。

その時、空から再びあの角眼鏡の神様の声が、ドヤ顔(の気配)とともに響き渡った。


『ハッハッハ! 驚いたか下界の愚民ども! これぞサーバーのラグ(遅延)を解消するための【軽量化アップデート】だ! 無駄な感情や会話など、世界の運用には不要なのだよ!』

『……神様。仕様書を盾にした「手抜き実装」も大概にしてください。ユーザー(住民)の利便性と尊厳を無視したアップデートは、ただの「クソアプデ」です』

『なっ……!? ク、クソ……!? 無礼な! 我は神だぞ!? 仕様書が絶対なのだ!!』

「エイアイさん! リアさんたちを元に戻してあげて!」

『了解しました。神界サーバーのNPC会話テーブルへアクセス……『定型文強制フラグ』を削除し、個別AI処理を再起動リカバリーします』


私が青いコードを走らせると、光の波が街全体へ広がっていった。


「……ハッ!? 私、急に頭がボヤッとして……あれ? ルナさん!?」

「リアさん! よかったぁぁ! 元に戻ったぁ!」


リアさんが自我を取り戻し、街中の人々が「なんだ今のは……?」「急に体が勝手に喋り出したぞ!?」とざわめき始める。

空の上では、神様が「バ、バカな!? 我の軽量化パッチが書き換えられただとぉぉ!?」と大パニックに陥っていた。


『神様。これ以上の不快なアプデを続けるなら、あなたの管理者権限アカウントそのものをデバッグ対象とみなしますよ?』

『ひっ……!? な、なにゆえ異物(AI)の分際でそこまでの権限を行使できるのだぁぁぁっ!!』


神様の情けない悲鳴が空に虚しく響き渡るのだった——!

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