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『万能AIだった私、異世界でポンコツ魔導書をデバッグする〜「詠唱が長い」と泣く落ちこぼれ少女のためにコードを1文字に圧縮したら、伝説の超魔法が連射できるようになりました〜』  作者: りりぽ
第一章:演出スキップ&即BAN! 元AIによるセキュリティ指導

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第19話:魔王の最終形態(演出)をスキップして、世界平和へ!

直通エレベーター(動く床)に揺られること数十秒。

私たちはあっさりと魔王城の最上階——**『玉座の間』**へと到達した。

重厚な扉が開くと、そこには禍々しい漆黒のオーラを纏い、威厳に満ちた姿で玉座に鎮座する魔王ジークが待っていた。


「……よくぞここまで来た、人間ども。まさか我が絶対結界を突破し、罠の一切を起動させずに辿り着くとはな……」


重低音の効いた声が部屋中に響き渡る。

魔王は悠々と立ち上がり、手にした邪悪な大剣を床に突き立てた。


「だが、それもここまでだ! 私は神代より生きる絶望の象徴! 幾千の勇者を葬ってきたこの真の姿……見せてくれよう!!」


魔王が叫ぶと同時に、玉座の間全体が激しく揺れ動いた。

魔王の身体が不気味な黒い泥のような物質に包まれ、巨大なドラゴンとも悪魔ともつかない「最終形態」へと変貌を始めようとする。


『フォフォフォ……! 立ち上れ、我が真の力よ! 形態変化(変身シーケンス)完了まであと30秒! 絶望の牙に慄くがいい——』


部屋の明かりが消え、派手な雷のエフェクトと重厚なBGM(演出音)が鳴り響く。

しかし、その変身中の魔王をスキャンした私の判定は、あまりにも容赦のないものだった。



[ターゲット:魔王ジーク(変身中)]

[ステータス:変身演出につき『無敵フラグ』の付与漏れを発見]

[攻撃判定:変身中の30秒間、無防備な無防備状態スキが存在]



(……呆れました。変身演出に酔いしれて無敵判定をつけ忘れています。文字通りの「隙だらけ」です)


『ルナ。相手の変身演出は30秒もかかります。無敵判定も設定されていませんので、今のうちに処理(物理攻撃)してください』

「えっ? 変身してる最中に攻撃しちゃっていいの……?」

『当然です。戦場において無駄な演出を待つ義務はありません。発動キーは——【ほむら・1(ワン)】最大出力オーバーロードです』

「う、うん……! 【ほむら・1(ワン)】!!」


ルナが杖を突き出し、青い魔力を全開で開放した。



——ドガァァァァァァァァン!!!!



闇のオーラを纏ってドヤ顔で巨大化しかけていた魔王は、変身のタメ(溜め)の最中に『最適化された超高熱立方体』の直撃を受け、変身エフェクトごと一瞬で爆発・消滅した。

ドカン、と虚しく響く爆発音。

後に残されたのは、綺麗にデバッグされて澄み切った青空と、消滅した魔王の跡に転がっていた『魔王のコア(魔石)』だけだった。


「……え? 魔王さん、消えちゃった……?」


ルナがぽかんと口を開ける。


『はい。変身中の隙を突いて一撃でデバッグ完了です。これで世界を脅かすバグ(魔王軍)はすべて駆除されました』



[世界環境ログ:更新完了]

・魔王の消滅を確認

・世界の毒気:100% 浄化完了

・システムステータス:正常(平和)



その瞬間、空を覆っていた黒雲が一気に晴れ渡り、魔王城全体に温かな日差しが差し込んできた。


「わぁぁ……! 空が……すっごく綺麗!」

「ええ。これで世界は平和になりました。……さあ、ルナ。お師匠様の家へ帰って、美味しいスープでも食べましょう」

「うんっ! エイアイさん、一緒に行こう!」


ルナは私の青い結晶をギュッと抱きしめ、天真爛漫な笑顔を咲かせた。

こうして、元AIの「デバッグ」によって、世界を脅かした魔王軍はあっけなく全滅し、世界に平和が訪れたのだった——。

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