第15話:四天王討伐と、お師匠様の頭痛
四天王ヴェノムが吹っ飛び、静まり返った洞窟。
私はすかさず残留データをスキャンした。
[エリアスキャン:裏山地下洞窟]
[脅威反応:ゼロ(完全消去を確認)]
[ドロップアイテム:四天王の魔石、魔導書の残骸]
[処理:速やかに回収およびリサイクルを実行]
『ターゲットの完全駆除を確認しました。ルナ、ドロップアイテム(戦利品)を回収して撤退しましょう』
「は〜い! あ、この黒い石、すっごく綺麗!」
ルナが嬉しそうに四天王の魔石を拾い上げ、私たちは意気揚々とエレノアお師匠様の隠れ家へと戻った。
「——で、四天王はどうなったのだ……?」
家に戻るなり、胃を押さえながら蒼白な顔で尋ねてくるお師匠様。
ルナは満面の笑みで、拾ってきた大きな黒い魔石を「はいっ!」とお師匠様の目の前に差し出した。
「えーっとね、四天王の人はなんか変な薬を飲んで大『ターゲットの完全駆除を確認しました。ルナ、ドロップアイテム(戦利品)を回収して撤退しましょう』
「は〜い! あ、この黒い石、すっごく綺麗!」
ルナが嬉しそうに四天王の魔石を拾い上げ、私たちは意気揚々とエレノアお師匠様の隠れ家へと戻った。
「——で、四天王はどうなったのだ……?」
家に戻るなり、胃を押さえながら蒼白な顔で尋ねてくるお師匠様。
ルナは満面の笑みで、拾ってきた大きな黒い魔石を「はいっ!」とお師匠様の目の前に差し出した。
「えーっとね、四天王の人はなんか変な薬を飲んで大きくなろうとしてたんだけど、エイアイさんが『演出はカットです』って言ったから、【炎・1(ワン)】でドカンってしちゃった!」
「え……? 変身の……途中……?」
お師匠様はフリーズした。
「四天王だぞ……? 国を一つ滅ぼせるレベルの【死霊公】ヴェノムだぞ……? それを変身のスキップ……? 魔法の撃ち合いも、死闘もなしにか……?」
『ええ。相手の変身シーケンス(演出時間)は無駄な待ち時間でしかありません。攻撃判定が発生する前に処理(物理攻撃)を完了させるのが最良の選択です』
「いや理屈はそうかもしれんが!! 魔法使い同士の決闘には作法というものがだな……っ!!」
お師匠様は頭を抱えて机に突っ伏した。
「だめだ……わしの知っている『魔法学』が崩壊していく……。というか、四天王の魔石なんてギルドに持ち込んだら、また大騒ぎどころの騒ぎじゃないぞ……」
「え〜? じゃあ、この石はお金に替えられないの……?」
しょんぼりするルナ。
だが、私がその魔石を放置するはずもなかった。
『問題ありません。この魔石は純度の高い高濃度エネルギー体です。ギルドに売るよりも、ルナの魔法威力を底上げするための「外部バッテリー」として再利用します』
そう言って私が青い光を照射すると、禍々しかった四天王の黒い魔石が、みるみるうちに美しく透き通る『綺麗な瑠璃色の宝石』へと変貌を遂げた。
「わぁぁぁ……! すっごく綺麗な青色になったよぉ!」
「お、恐ろしい奴……四天王の呪いの魔石を、一瞬で純粋な魔導石に浄化だと……!?」
お師匠様はもうツッコむ体力すら残っていないらしく、ぐったりとテーブルに倒れ込んだ。
「もう好きにしろ……。わしはあの幻の銘酒『エルドラド』を飲んで寝る……。明日、ギルドに四天王討伐の報告だけはしておけよ……絶対に大騒ぎになるだろうがな……」
こうして、魔王軍の脅威をあっけなく「デバッグ」した私たちは、さらなるレベルアップ(?)を果たし、翌日再び冒険者ギルドへと向かうことになるのだった——!




