第11話:大金獲得! 街での買い出しとお師匠様へのお土産
ギルドを出た私とルナは、ズシリと重い革袋を抱えて街の大通りを歩いていた。
中に入っているのは、Fランクの初仕事ではあり得ない大金——**金貨3枚(銅貨3,000枚相当)**だ。
「エイアイさん、すごかったね……! アレン様……じゃなくてアレンさん、ホントに光が消えて逃げてっちゃった……」
『当然の措置です。システムの不正利用(マウントスキルの乱用)および暴言に対する正当なアカウント停止(BAN)処理ですから』
「ばん……? よく分からないけど、エイアイさんがいてくれて本当によかったよぉ」
へにゃっと柔らかい笑みを浮かべるルナ。
私は即座に彼女の生体データをスキャンした。
[ターゲット:ルナ]
[胃容量:空腹度 85%(危険域)]
[優先タスク:栄養補給およびベース装備の拡充]
『ルナ。まずはエネルギー補給(ご飯)を行いましょう。その後、あなたの防具と……お世話になっているエレノア氏への「賄賂」を購入します』
「わいろ!?」
「賄賂」という言葉に目を丸くするルナを連れて、私たちはギルド近くの賑やかな屋台へと向かった。
ジューシーな肉が焼ける香ばしい匂いが漂う肉串屋台。
ルナはお腹を「グ〜〜〜っ」と鳴らしながら、金貨を見つめてモジモジしている。
「あ、あの……すみません! この肉串、2本ください……!」
「はいよ! 銅貨4枚ね……って、おいおい嬢ちゃん! 金貨なんて出されたらお釣りが出ねぇよ!?」
屋台の頑固親父が大慌てする。
私はすかさず、店先の「肉焼きグリル(魔導式)」へ目を向けた。
[解析対象:業務用魔導グリル]
[診断結果:熱伝導率の偏りにより、肉の表面だけが焦げて中が半生になりやすい状態]
『店主。お釣りの代わりに、そちらの肉焼き器の熱伝導回路を最適化しましょうか? 焼きムラがなくなり、肉汁を閉じ込めた極上の焼き上がりになります』
「はあ!? なんだその喋る石ころは! 魔法で俺の長年の焼き加減を——」
親父が言い終わらないうちに、私がスッと青い光をグリルに照射。
すると次の瞬間、鉄板の温度が一寸の狂いもなく均一になり、乗っていた肉から**ジュワァァァッ!**と奇跡のような甘い香りが立ち上った!
「な……なんじゃこの肉の焼き色はぁぁぁ!? 外はカリッと、中はフワフワだとぉっ!?」
親父は目を飛び出させて一口かじると、あまりの美味さにガタガタと震えだした。
「美味い……! 美味すぎる!! 頼む、お釣りどころか今日の肉串は全部タダだ! その石を俺に譲ってくれ!!」
『譲渡は不可能です。ルナ、肉串を回収してください』
「は、はいっ! いただきまーす!」
肉串をほおばり、「おいし〜〜〜いっ!」と瞳を輝かせるルナ。
店主の「頼むから明日も来てくれえぇぇ!」という叫び声を背に、私たちは街の武具屋へと向かった。
その後、私たちは以下のアイテムを購入(およびデバッグ強化)した。
[購入アイテム一覧]
1. ルナのローブ(防具)
⇒ スキャン後、物理耐性と耐火性能を+300%にデバッグ補正。
2. 古びた魔導杖(ルナ用予備)
⇒ 回路の無駄をカットし、発動速度を10倍にチューニング。
3. 高価な酒と極上肉(お師匠様へのお土産)
⇒ 「拠点(家)」の永続利用権を確定させるための重要アイテム。
「ふふっ、お師師様、絶対喜ぶよ〜!」
両手いっぱいのお土産と、ピカピカに補強された装備。
落ちこぼれだった少女と、元AIの異世界改革。
私たちはルナの師匠・エレノアが待つ、森の隠れ家(我が家)へと帰路につくのだった——!




