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第145話|ココ編【……増えた……だと……】

——城壁前


黒銀の竜は口角から血を滴らせた。


次の瞬間。


黒銀の竜は降下し、業火の吐息で地上の投石機を焼いた。


そして、角に稲妻を迸らせた。


——落雷。


次いで轟音。


稲妻は左の砦に落ち、連弩を粉砕した。


だが、第三波の準備完了を知らせる旗が上がった。


銅鑼が鳴り、今度は正面の城壁の連弩から無数の矢が放たれた。


黒銀の竜は岩のダメージで、一瞬だけ目の前が眩む。


そのため、矢を焼くための炎が遅れた。


ピィィィィ……


白金の竜が鳴いた。


次の瞬間、黒銀の竜の目の前に魔法障壁が展開された。


「——!?」

黒銀の竜は白金の竜を見た。


放たれた連弩の矢は、白金の竜へと降り注いだ。


矢の雨は、白金の竜の鱗の隙間へと潜り込んだ。


その時、上空から一つの影が急降下した。


「……見てられん」


アーラは人間の指揮官目掛けて口を開けた。


——ギィィィィン!


指揮官とその周りにいた兵士たちに直撃した。


アーラの音を浴びた指揮官たちは、白目を剥いてその場に倒れ込んだ。


指揮官を失った王国軍の攻撃が緩んだ。


兵士たちはどよめいた。


高速で飛ぶアーラには弓隊が狙いをつけた。


次々と放たれる矢は、アーラの後方へと流れて空を切った。


「——人間との戦いはこうやるんだ」


アーラは急旋回し、兵士たちに向かって音攻撃を当てた。


ギィィィィン!


アーラの音を浴びた兵士たちはバタバタと倒れていった。


黒銀の竜の瞳に光が戻った。


低空から業火の吐息で地上の投石機を全て焼いた。


だが、城壁の連弩の準備完了を知らせる旗が上げられた。


そして、銅鑼が鳴り、再び矢が放たれた。


白金の竜は口を開けた。


ゴオッ!


首を横に振り、広角に炎を吐いた。


矢は焼かれ、抜けてきた矢は鱗によって弾かれた。


その一連の動きを見た黒銀の竜は白金の竜へと呼びかけた。


ピィィィィ……


だが、呼びかけも虚しく、白金の竜には届かなかった。


アーラは二頭の竜を見て、静かに目を伏せた。


すると、白金の竜が向きを変えた。


その先には、教会があった。


アーラはもう一度旋回し、兵器ではなく、人間に狙いをつけた。


ギィィィィン!


連弩の準備をしていた兵士たちが倒れた。


「……」


「これで、しばらくは大人しいだろ」


アーラは旋回し、黒銀の竜の方へと向かった。


黒銀の竜はアーラに向き直った。


「貴様の真意を聞かせろ……」


「……俺は人間どもの味方では無い……」


「それと、この一連の件には黒幕がいる」


「……人間とはあの種族のことか?……それと黒幕とやらも人間か?……」


「そうだ」


「そいつを倒せばこの連鎖を止められるかもしれん」


「俺の背に乗っていた者も、そいつを追っている」


アーラは黒銀の竜を見た。

「つまり、俺たちは同じ敵を追っている」


「……」


「……そうだったのか」

黒銀の竜は白金の竜を見て、天を仰いだ。

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