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第133話|ココ編【——許さんっ!】

——森の中


「おい見ろ……私だ……私が呼んだんだ……あーっはっはっは……」

召喚術士隊長は上体を反らせて高笑いした。


振り向くと、助手と教団兵士たちは後方に避難していた。


「——は?……何をしているんだ、君たちは……目の前で起きている事が分からないのか……」

召喚術士隊長が真顔になった。


首まで現れた白金の竜に向き直った。


「——!?」


一歩、また一歩、後ずさった。


ついに背中まで姿を現すと、透けるような美しい翼が一度だけ羽ばたいた。


——突風


召喚術士隊長が後方に吹き飛んだ。


「——ぐはっ!?」


召喚術士隊長は地面に転がった。


「……」


「……ひっ……ひぃぃ……」

上体を起こし、後ろに両手をついて後ずさった。


避難していた助手に抱き起こされ、さらに後方に避難した。


木の陰から召喚の様子を見た。


「……はぁ、はぁ、はぁ……ハハ……なんて美しいんだ……」

召喚術士隊長に、また笑いが込み上げてきた。


そしてついに、白金の竜の全身が現れた。


首を振り、全身を一度震わせて、首を上げた。


引き締まった全身を覆う鱗は白金に輝き、眩い光を放っていた。


「……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

召喚術士隊長は両手を前に出し、目を血走らせていた。


召喚術士隊長だけではなかった。


白金の竜は、その場に居合わせた全員が息を呑むほどに美しかった。


「……」


その時、魔法陣から再度稲妻が迸った。


ピシッ……パキッ……


現れたのは……


黒ずんだ銀色の角。


続いて姿を現したのは、黒い鱗の竜。

白金の竜が放つ光を銀色に反射した。


その目には、戸惑いと怒りの色が混じっていた。


(……我に魔法障壁を使ったということは、妻は無事ではないはず……)


(そもそも、このような不完全な召喚術……何者だ……)


突然、白金の竜がクルル……と鳴き、何かを探すように首を振り、飛び立った。


ピィィィィー……


天を仰いでひと鳴きした。


白金の竜が口を開け、喉の奥が赤く光った。

次の瞬間——


ゴォっと音を立てて炎を吐いた。


たちまち辺り一面火の海になった。


「——!?」


ピィィィィー……


黒銀の竜も鳴いた。


だが、白金の竜にその鳴き声は届かなかった。


(……聞こえてないのか……そんなはずはない……)


すると、黒銀の竜の目に壊れた魔法陣が映った。


「——!?」


黒銀の竜の思考を怒りが支配した。


(……術式を、あえて壊したのか!)


そして、視界の端に動く影を捉えた。


炎から逃げ惑う、召喚術士隊長たちだった。


(——あの者たちか!)


辺りに他の生物は見当たらない。


黒銀の竜が隊長たち目掛け、口を大きく開いた。


喉の奥が赤く光った。


——ゴォッ!


業火の吐息が隊長たちを襲った。


「ぎゃぁぁぁぁ……」


隊長たちは火だるまになり、地面を転げ回った。


全身を現した黒銀の竜は大きく羽ばたき、その巨体を宙に浮かせ、隊長たちの頭上へと落下した。


ズンッという音とともに、隊長たちを踏み潰した。

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