第120話|ココ編【僕じゃない!】
「——っ」
パックは震えた。
アーラの言葉を噛み締めていた。
「……」
「……あの、水をさすようで悪いんだけど……」
蛇型魔族が口を開いた。
「この人たちが仲間?」
パックはハッとして、蛇型魔族の方を向いた。
「——あっ、うん。そうだよ」
パックは咳払いをして蛇型魔族に手のひらを向けた。
「みんな、紹介するよ。戦闘中、助けてくれた“冥界の毒牙”だよ」
「……」
全員が黙り、お互いの顔を見合わせた。
「……待て」
アーラが沈黙を破った。
「……それは名前なのか?」
「うん」
「……お前が、名付けたのか?」
パックはみんなの様子がおかしい事に気がついた。
「……えっ……みんなどうしたの……」
「……ちょっと、パック……さっきのそれ……名前だったの?」
ココの目が平らになっていた。
「……えっ?……えっ?……」
パックはみんなの顔色をうかがった。
「……なんて言うか……その……もう一度よく考えて付けてあげてください……」
エルザが心配そうに言った。
「えっ……ちょ……待って……それは自分で……」
パックはあたふたし始めた。
蛇型魔族はパックを見た。
「……どういうこと?」
パックは笑顔を引きつらせた。
「……僕が……悪いの?」
「……」
全員が黙ってパックを見た。
「……えぇ……僕は悪くないのに……」
パックは顎に手を添えて目をつむった。
「……」
そして、目を見開いた。
「……ピットはどう?」
全員が顔を見合わせ、互いに頷いた。
パックは蛇型魔族の方を向いて、助けを乞う表情になった。
「……」
「……じゃあそれで」
ピットは空気を読んだ。
「はぁぁぁぁ……」
パックは膝に手をついて、盛大にため息をついた。
ピットはパックを見た。
「……君はパックっていう名前なんだね」
「声を聞く者の方が合ってるのに……」




