↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
107/149

第107話|ココ編【私を全力で甘やかしてくる貴族様が、すっごい頼りになるんだけど!】

ココは一度目を伏せ、デズモンドを見た。

「……あのね……魔族が村を襲う理由なんだけど……」


「……少しつかめたの……」


「——っ!?」

滅多に動揺を見せないデズモンドだったが、ココの話に驚きを隠せなかった。


「……」


ココはデズモンドの反応を見ながらも、そのまま話を続けた。

「……魔族は人間を食べるために村を襲うのではなくて……“魔族の骨”に引き寄せられて……その結果、村を襲っているみたいなの……」


「……」


「……なるほど……」

デズモンドは“取り調べ”にならないよう、心を落ち着かせた。


「……その調査を手伝えばよいのだな?」


「……デズモンドにしか頼めないの……」


デズモンドはココの言葉を受けて、大きく深呼吸をした。


そして、口髭を指でなぞった。

「……私に任せたまえ」


「……」


「……一つだけ確認させてほしい」


「……答えられなければ、答えなくていい……」


「……教団が、関係しているのか?」


「……」

ココは黙った。


「……ふむ」


「これは独り言だが……私は教団を独自に調べていてね……行き詰まっていたところだ……」


「……信頼のおける者が、秘密裏に動いている……」


「……それと、情報提供者の素性が漏れることはない……だから安心しなさい」


デズモンドはココを見た。


「……」

ココは黙っていたが、心のつかえがとれたように見えた。


「……さて」


「……紅茶のおかわりはどうだ?」

デズモンドの口髭が優しく上がった。


——その日の夜。


デズモンドは教団を極秘に捜査している責任者を急いで呼んだ。

「——と、いうわけだ……魔族に襲われた村の人たちから話を聞いてくれ」


「はっ」

捜査責任者は一礼し、急いで退室した。


デズモンドはため息をついて、窓の外を見た。

「……サンデルめ……今度こそ、尻尾を掴んでやるぞ……」


——教団本部


銀の聖杯をくるりと回し、果実酒の香りを楽しんだあと、一口含んだ。


「……次の“召喚の儀”ですが……勇者の小娘には、さらなる試練が必要ですね……」


「……今度の勇者は、片目でも失ってくれると……もっと人気が出そうなんですけどね……」


「……」

側近は息を詰まらせた。


サンデルは指輪に光を反射させた。

「……召喚の儀を急がせなさい」


「……はい」

側近は乾いた喉から、声を絞り出した。


サンデルはチーズを一口かじり、果実酒を楽しんだ。

「……今日は例の奴隷を一人、私の部屋に連れてきなさい……」


側近は目を伏せた。

「……かしこまりました」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。