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Boneborn~魔素を喰らい、世界を知る~  作者: 和冬陣


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22/23

22話 たくさん食べて、たくさん飲もう!


「それではリアンナの披露及び各個人の尽力を称えまして」

「「「「「乾杯!(っす!)(ですわ!)」」」」」


王城での謁見も無事に終わった。

あの後、国王様がリアンナの稼働を見たいと言い、持ち込んだ小型リアンナについて、師匠が先だって説明を行っていた。


構造的なところはカヤマが答えていて、熱が入ったのか細かすぎて伝わらないんじゃないかと言うところまで語り始め、予定時間を経過していたのか文官たちがそわそわしていた。


国王様は新型リアンナをすごく気に入っていて、時折見せる童心に少しだけ親近感を覚えた。

まるで実感がないが、改めてすごいことをしてたんだなぁと感じる。


「いえ、あなたの功績はとても大きなものでしてよ?」


なに?

俺はパリパリキャベッシュを片手にブンブンコークを飲んでいる。


大衆居酒屋【おてんば大吉】

報酬はたくさんもらったし、奮発してもいいかと考えたんだけど、想像以上に重圧を感じたので比較的馴染みのお店に来た。

他の席では仕事終わりであろう複数人や一人で飲んでる人もいて……あー、実家のような安心感。


「カヤマさんを連れてきたことの意味を、あなたは理解してなくて?」


いや、なんていうか……ねぇ、ここまで一緒だと、もう、友達みたいな。おい、恥ずかしいな。

カヤマをちらっと見る。


カッチーン・イチゴ畑に夢中だ。食べるの難しいけど、塊のイチゴと練乳氷が合わさったザクザク感がめちゃくちゃ美味しいんだよな。


「世界中どこを探しても見つけることができず、神出鬼没に現れては、世界にまだ見ぬ新たな鉱石を錬金し、2世代先の技術革新をもたらしていると言われる、あのカヤマさんですわよ!」


しゃく

しゃく

しゃく


伝説が食べるのに苦戦してる。

それに表札あったよ。


ごくっごくっ!ぷはーっ!と勢いよくリスキートニックを飲み干すミント。

大丈夫か、それ度数強いぞ?


「そもそもれすねぇ、あなたはわかってらっしゃりませへんのよ?わたくひたちは、せ界をかへたのですはよ?それが―――」


パリパリキャベッシュのお椀めがけて顔からバタンと倒れるミント。

弱いなら、一気に飲むな!


「モルちゃんは本当によくやったわよ」


師匠…………。近いです!


王城を出てからここまでの道のり、一度たりとも離れることなく隣に根を張っている。

師匠はワラワラムムを片手にゲッソリックスを口にくわえている。

絶対食い合わせが悪い。


「ごっく。今回、ミントちゃんがモルちゃんと協同してくれたって聞いて嬉しかったわ。モルちゃん、一人で全部やろうとするから」


師匠……。顔が赤いです!


「ごっく。みんながモルちゃんに協力したことが今回の結果よ。何もしてない、じゃにゃいの。モチュちゃんがぁ、みんにゃを引っ張ってくれたにょよ」


師匠……?


「ごっく。モリュちゃん、むかひにもどっちゃみたひな―――」


そう言い、明太ポテト巻きに顔を突っ込もうとしたところ、なんとか支える。


危ない!飯が!


師匠を横に寝かせる。この人もお酒は得意ではない。


直後、店員さんが良い声で、注文した商品を運んできた。

俺が密かに頼んでおいた揚げ鳥のジュララ添え。いつ見てもジュララ。頭からがぶっ!と頬張る。


はーーーーー!このジュララがいいんだよなー!本当にジュララしてる!うまジュララ!

俺も酔いが回って来たのか頭がパッパラパーになって、発言が危険だ。


そんなダメな大人たちとは違い、ルビィが粛々と注文と食べるを繰り返す。

たらっとろん卵➡酢マイカ➡バッツイの塩焼き➡ぶっかけソースの山トロご飯➡香ばしデンダ餅➡ガリガリックステーキ……。


……食べすぎじゃないか?


おらんとこのジュースだい!を飲みながら黙々と食べては笑み、食べては笑みを繰り返していた。

まぁ、いいか。


今日までみんな頑張った。

今日を境に終わりじゃないし、リアンナの設置や工事にはまだ時間はかかる予定だ。

でも、緩めるときにゆるんでおかないと、疲れちゃうしな。


―———最高責任者。


頭を振って、記憶をいったん無くす。

今は考えるな。祭りまでまだ何日もある。自分を労わろう。今日くらい飲んで食べよう!


店員さんに大福大吉ダイキッチャンを頼む。

ルビィも、そしてなぜかカヤマも便乗して頼む。

二人とも、別なの食べてる途中でしょうが。

ミントと師匠はなかなか起きない。

ま、飲めなくても、飲みたい時があるってことだなぁ。

ハハ、俺も酒が弱くなったかな。


周囲の賑わいはいつも通り軽やかで、夜の涼しさも少し熱気がこもっている。

日常の忙しさを包み込んだこの時間を、ダイキッチャンをもちもち伸ばしながら、俺はこの席を楽しんでいた。






【和冬のどうでもいいお店紹介】

大衆居酒屋【おてんば大吉】は中層にある人気店です。

安い、うまい、量が多く、味も良いため仕事帰りの常連客でごった返しています。

一般人を含め、商人、職人、冒険者、文官など様々な人が集まり、夜になるとかなり賑やか。

特に揚げ鳥のジュララ添えと大福大吉ダイキッチャンは人気商品です。

店主に聞いたところ、ジュララ添えが何なのかは企業秘密らしいです。

和冬が一番食べたい料理……いや、他も気になります。……気になりますよね?

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