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Boneborn~魔素を喰らい、世界を知る~  作者: 和冬陣


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15話 錬金術のお手伝い


「リアンナの母体——つまり動力の中枢に埋め込む魔鉱石は幾つかの種類に分かれる。が、今回俺が請け負うことになったのは最大の格ともいえる再生石だ」

ルビィと二人でカヤマの工房にお邪魔している。

カヤマの家には最低限の食糧備蓄しかないと言っていたので、ファスファスビスケットとお茶を持参しながら話を聞いている。

広告塔のお姉さんがこのビスケットをファスファス言って食べてるところを誰かが目撃してこの名前になった……らしい。

それ以来、これを手に取る全員がファスファス言いながらビスケットを貪るという集団凶行。もう、やめてあげて。

「再生可能な魔鉱石なんてのは聞いたことがない。だが、魔鉱石ってのは魔素を取り込んでできる鉱石だ。魔素を取り込む性質と、吐き出す機能を両立させていく」

お茶を飲みながら、カヤマの話を聞く。うーん、フルーティー、ファスファス。

「どーやるんっすか?ふぁす」

「まずは器の確保だ。とにかく規模がでかい。なるべく大きくて濃度の高い魔鉱石じゃないと、吸収は出来ても排出が追い付かなくなっちまうからな」

「じゃあ、大きければ大きいほどいいってことか」

「いいや、そうでもねぇんだ。大きいほうが吸収は出来るかもしれねぇが、排出量がパンクしちまう恐れがでてくる。こればっかりはバランスってやつだな」

「え、難しくない?」

「そうだなぁ。ただ、こんな面白れぇことを難しいで終わらすのは勿体ねぇだろ」

おぉ、かっこいい。

「それに全く当てがないわけじゃない。今回はお前さんもいるからな」

俺?

「せんぱいも錬金術やるんすか?ふぁすふぁす」

「いいや、錬金術ってのは誰でもできるわけじゃねぇ。ちゃんと学校に行って工房印貰わねぇとな。……あぁ、認可証みたいなもんだ。それがねぇと依頼を回してもらえねぇんだ」

たしかに、モグリの錬金術師が多くて話題になってた時期があったな。

「俺がお前さんに頼むのは魔鉱石のことだ。いっちょ手伝ってくれ」

「私は何すればいいっすか!?」

「戸棚に、キャインバルーンがあるから好きに食べなさい」

「わーーーーーーいっす!」

……いつの間に、手なずけ方を覚えたんだ?


「ほんで」

顕微鏡で魔鉱石を見ていたカヤマがこちらに向きを変えた。

やばい、ビスケット全部食べないと。ふぁうふぁすっ。

「まずは骨になれ」

えーーーっと?

「え、なんで?」

「この間言ってたろ。魔素の流れとか圧縮ができるって。それをやってもらう」

……言ってたな。確かに言ってた気がする。

「いや、その前に錬金術ってなにしてるんだ?」

「錬金術は……うん、あれだ。よく言われるが魔法とはまた別だ。錬金術ってのは魔素の性質を組み替えて、別の現象を作り替える技術のことだ」

ふむ、聞いたことがある。

「そのためには魔素濃度や流れ、魔鉱石同士の相性なんかも見なきゃならん」

そんなことできるの?

「元来、魔鉱顕微鏡で成分物質を確かめながら配合のバランスを計算して整えていくもんだ。おれも基本に則ってそうしてるが、まぁ、だいたいは勘だな」

ざっくり説明だが、それ勘でどうにかできるもんじゃないでしょ、天才か?

「つまり、俺は魔素の濃度や魔素の質を見て伝えたらいいのか」

「そういうこった。錬金術師にとって、こんな便利なこたぁねぇからな」

上手く使って。まぁ、いいけど。

でも、あれか。なんか、改めて人前で筋肉生成解くのちょっと恥ずかしいな。服脱ぐ気分だ。

ええぃ、ままよ!

【筋肉生成解除】


【筋肉生成を一時中断します】


骨化成功……当たり前だが。

カヤマが真剣にこちらを見つめる。おっさん同士の見つめあいなんて誰が得するんだ!

「この骨が器の役割、か」

ん?

「だとしたら、この骨にも魔素の吸収限界があるはずだな」

……ん。…………あ、あれかーー!

魔素を取り込みすぎて船酔いみたいになったやつ。

あれは魔素の吸収が限度を超えたってことなのか?今の話から、そういうことだよな。

でも俺けっこう吸収してるけど、なんもない。うーーん、濃度とか純度が影響なのか?けっこう大事な情報な気がするぞ、これは!

「まぁ、それはいいとして」

いいんかい。

「お前さんが持ってきた、この天然魔鉱石を見てもらいたい」

カクッと頷く。骨だけに。

対象物:天然魔鉱石

(魔素感知)


対象:天然魔鉱石

濃度:30%

純度:高

色:緑

圧縮率:88%

うーん、何回か見たことある数字だな。これを伝えてどうなるんだ?

(もっと質とか流れとか見れないの?)


【質問内容に誤りがあります】


【前提条件不足】


……見たことあるな、これ。前提、ということは前提を満たせばできるってこと?

条件と言えば、今の俺にできることは骨強化しかない。うーーん、ちょっと待って。

(現在の保有魔素時間は?)


【肉体保持可能時間:887日5時間】


増えてる!?圧縮からの吸収をひたすら繰り返していたあの時間でこんなにも!

最初のころの一時間が嘘のようだ。骨強化さまさまだな。

―—となると、次は強化だ。

魔素は、ある。あとはどれだけ突っ込むかだが……。

やっていいのか?いや、安全に。けど新しい力は役立ってきたしな。

まぁ、いっか。


(現在の魔素量の90%を使用して、骨強化を実行!)

【保有魔素量90%を骨強化に移行します】


《骨強化完了》

《➡骨密度上昇》

《➡骨密度上昇に伴い、吸収範囲指定会得》

《➡疲労軽減効果上昇》

《➡魔素感知範囲拡大》

《➡保有魔素付与獲得》





……おっと、おっとっと!






【和冬のどうでもいい宣伝文句】

「さわやかな甘みとクリーミーな歯ごたえで小さなお子様に大人気!大人のみんなも恥ずかしがらずに!

みんなで、せーの「「「ファスファス!!!」」」ファスファスビスケット!好評発売中!」


※お姉さんは強い人なので、振り切って全力で楽しんでいます。

※ファスファス言うには個人差があります。

※集団でのファスファス行為は近隣のご迷惑となる場合があります。

※効果効能にファスファスは含まれておりません。

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