16、王族の覚醒
遺構を出た四人は、浮島から見下ろす大地に異変を見つけた。
遠くの町が、黒い霧に包まれ、魔獣が街を荒らしている。
「魔獣……?」カイルが叫ぶ。
セラが険しい表情で言う。
「ただの魔獣ではない。古代魔法で強化されているわ……。王家の力を試すための試練かもしれない。」
リアンは静かに祈る。
「心を強く持つこと。恐怖に屈してはいけません。」
エリシアは胸の紋章を見つめる。
「……わたしが、やらなきゃ。」
王族として、そして自分自身として、初めて戦う覚悟が胸を満たす。
紋章が光を放ち、魔力が全身を駆け巡る。
エリシアは手を伸ばし、光と氷の魔法を連続で放つ。
魔獣の群れを押し返す光景に、仲間たちも力を合わせる。
カイルは剣で切り込み、リアンが癒しと防御の魔法を使い、セラは弱点を解析して攻撃を誘導する。
戦いの中、エリシアは気づく――
自分の魔力は、恐怖や悲しみ、守りたいという感情と完全にリンクしている。
怒りだけではなく、優しさや信頼も、力に変えられるのだ。
「――みんなのために!」
叫ぶと、紋章が爆発的に光り、魔獣の群れは一瞬で吹き飛んだ。
戦場が静まり返り、町には平穏が戻る。
カイルは笑顔で駆け寄る。
「おお! すげえ……エリシア、マジで王族の力だ!」
リアンは優しく微笑む。
「心の力を理解した者こそ、真の王族です。」
セラも魔導書を閉じながら頷く。
「血筋だけでなく、心と力の覚醒……まさに伝説の再来ね。」
エリシアは手の紋章を見つめ、静かに呟いた。
「……これが、私の力……。そして、わたしの使命……。」
四人は互いに顔を見合わせ、静かに決意を新たにした。
王族として、少女として、そして仲間と共に――
伝説の道は、ここからさらに壮大に続いていく。




