15、王族の使命
遺構の最奥、巨大な空間にたどり着く四人。
天井は高く、かつての王国の紋章や魔法陣が光を帯びて浮かんでいた。
そこには、古代の魔法書と玉座が置かれている。
セラが魔導書を広げ、声を落とす。
「ここがアーカディア王家の聖なる間……。
伝説では、王族がこの場で力と記憶を継承し、王国を導く使命を確認すると言われている。」
カイルは剣を軽く握る。
「……つまり、ここで君の運命がはっきりするってことか!」
エリシアは胸を押さえ、静かに歩み寄る。
「……わたし……やらなきゃいけないの……?」
リアンは微笑み、杖を掲げる。
「使命は重いけれど、仲間と共に歩めば、乗り越えられます。」
玉座に手を触れると、紋章が強く輝き、空間に光の柱が立ち上がった。
浮かび上がるのは、アーカディア王国の滅亡の瞬間――
塔が崩れ、民が逃げ惑う光景。
そして、黄金色の瞳の“もうひとりの自分”が玉座に座っている。
エリシアの胸が締め付けられる。
「……わたし……本当に王族だった……?」
セラがそっと肩に手を置く。
「血筋だけじゃない。あなたの心、そして力が王族としての資格を決めるのよ。」
リアンも微笑む。
「恐れずに向き合うこと。心が導く未来を信じて。」
カイルは力強く言った。
「俺たちがついてる! 絶対に一人じゃない!」
エリシアは深く息を吸い、拳を握る。
胸の奥で過去の痛みや孤独が渦巻くが、同時に仲間の温かさも感じる。
「……わたしは……王族として、そして自分として、前に進む!」
紋章が爆発的に光り、玉座の光と共鳴する。
過去の幻影が一瞬揺れた後、静かに消え、聖なる間に平穏が戻った。
セラが微笑む。
「あなたの覚悟は、王族としても、少女としても正しい。」
リアンは祈りを捧げ、カイルは拳を突き上げる。
エリシアは初めて、自分の使命と運命を受け入れた。
胸に暖かい光が広がる――
王族としての力、仲間との絆、そして自分の心。
それらすべてが、伝説の道を照らす光となった。
空に浮かぶアーカディアの遺構は、微かに輝き、
少女の旅はさらに壮大な章へと続いていく――。




