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そして長い冬が始まる

 翌年。いつも通りに冬を迎えた女王。しかし……その心は、いつも通りといきませんでした。


(今年は、あの人はここを訪れるのでしょうか?)


 少しだけうきうきしながら、しかし……一人で塔にいる寂しさもまた増していることに気づきました。


(……来ない)


 当たり前のこと。あの出会いは奇跡で。あるはずのないことで。分かっていたはずなのに、そのくらいの分別はついている……と、思っていました。


「何か、どうしようもない事情があるのですか?」


 誰もいない塔の中、冬の女王は呼びかけます。


「私がこれだけ願っているというのに……願っているのは私だけなのですか?」


 あぁ、どんどん心の中が醜く、寒くなっているのに気付いて。独りでに身体を抱き締めます。


 約束を交わしたわけでもないというのに。そう、交わせるはずもない、ただの通り道でしかなかったというのに。


 やがて、あの日、別れた時のように、冬の終わりが見え始めます。


「待って! もう少し……もう少しだけ待ってください……!」


 そうして、この国に長い冬が訪れました。


 やがて、王様はお触れを出します。




 冬の女王を春の女王と後退させたものには好きな褒美を取らせよう。

 ただし、冬の女王が次に廻って来られなくなる方法は認めない。

 季節を巡らせることを妨げてはならない。


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