一日目 行きあたりばったりな家出
『⸺最後に、攻略者を志す子供たちに向けてお願いします』
ふと街頭テレビを見上げると、Sランクのダンジョン探索者の一人、古道 朱実千のインタビュー特集をやっていた。それも、終わりかけの様だ。
『そうですね……この仕事は、命を懸けます。そして、容易く命を落とします。だからこそ私達は、後輩の育成に力を入れていますし、ダンジョン探索の制限やランク制限を厳しく行っています。未知への浪漫、世界を救う……理由は何でもいいです。私達の様に命を懸ける覚悟があるのなら、厳しく育てましょう』
はっ………反吐が出る。アイツも、随分変わったな。昔の甘ちゃんの方が、いくらかマシだっただろう。
CMに切り替わった所で、止まっていた歩みを進める。がしかし、何処に行こうか……半ば家出と言えなくも無いし。あぁ、まぁ……そういえば、伝えてない所があったか。まだあったら、暇つぶしに仕事量を減らしてやろうかな。
*
「……………」
「えっと……その……」
噂をすれば何とやら。今、俺の目の前に朱実千が立っている。
「華凜、家の事情はいいのですか?」
「別に…関係無いだろ」
「一応あります。だって、貴女の登録は解除されていますから」
「はぁっ!?」
あんっのクソ親族共め! やる必要がないからって、そんな……登録解除だなんて、どうしたら。
「⸺なので、大人しく帰ってください。其方の未発見のダンジョンに潜らずに。認可されていないダンジョンに潜るだけでなく、未登録で潜る罪も加算されたいのですか、”お嬢様”?」
「……フンッ。犬に成り下がったアンタの言う事は聞かねぇからな」
「……相棒としても、帰ってもらいたいです。先程軽く潜りましたが、このダンジョンはSランクが数人居てやっと最奥に辿り着くレベルだと、感じましたので」
「そんなに、か………仕方ない、潜るのは諦めるよ」




